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おにむら歯科の副院長のひとり言

沈みかけた船で

2017年11月13日 08時04分29秒 | 日記

いつも話してる、尊敬する、ヘアーサロンの先生の話です。

自分が結婚するときに、父親から言われた言葉が忘れられない・・・

という話をしてくれました。

どんなことばだったの?

「今、船にお前(先生ね)と嫁さんと、わしたち(先生の両親)が乗っているとする。

船が沈みかけるが、お前は一人しか助けられない・・・としたら、お前は迷わず、 嫁さんを助けるんだ。

俺たちじゃないぞ!まず嫁さんを助けるんだ!!

いいか!?それが家族を持つという事なんだぞ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そっか・・・

登場人物を、息子夫婦と私たち老夫婦に置き換えて・・・私たちはおぼれて死ぬのか・・・(笑)

でも、私もそれが正解と思う。

で、思い出したこと。

うちの亡き母が、がん手術の退院後、しばらくして体調が悪くなり再入院となった時のことです。

私は毎日、病院に母の世話をしに行っていました。毎日です。

ある日、いつもの時間より遅れてしまい、病室に入るなり、母は強い口調で言いました。

「主人と、お母さんといったいどっちが大事ねっ!!!!」

母の心の声が聞こえます。『疑う余地もなく、お母さんにきまってるでしょ!!』

にらみつけた目で訴えています。

薬の副作用か、ガンが脳に転移したか、定かではないけれど・・・

あのやさしかった母からそんな言葉が出るとは・・・

母と主人を比べた事なんかなかったし、どちらも大事に決まってるじゃないですか。

それに、母は手術前後、数か月に渡ってうちで療養していました。

母はわがまま一杯というわけではないけれど、うちの中を結構かき回していたな。

それでも主人は文句ひとつ言わずに、母を優しく受け入れてくれたことに、

私はとても感謝し、また申し訳なくも思っていました。

それなのにどうしてあんな言葉がでるの??

母は私が結婚してからも、私にべったりでいろんな面からおぶさっていました。

頼られてうれしい反面、正直、母が重くてならなかった・・・(悲)

あの暴言後、再退院の話が出た時、私は意を決して母に

「もう、うちでは看られない。」と言いに行きましたとも。(涙)

このままでは母も私も主人もみんなダメになってしまう、全滅だ・・・

あの時、私は究極の母と主人との選択をしたんだろうか??母だって家族。だけど、

自分たちの生活基盤をしっかり整えて初めて、良い介護もできるのでは?

まずは自分の家庭を、主人を・・・そして自分を?大切にしてからよ。

あれでよかったのよ・・・(涙)

あらあら、長くなりました。

今度は自分が母親として。

子供が大事にしてくれるのはうれしいですが、それで夫婦仲がおかしくなるのは本末転倒。

まず、その前に夫婦仲良く、自分たち家族の基盤をしっかり作るのが先でしょう。

私は、子供たちが結婚するとき、

こう思いました。

結婚するということは、そこに一つの独立した家族ができるということ。

親子であっても、そこはきちんとけじめをつけ、寂しいけれど、気安く立ち入ったり、口出しする事の無いようにしよう!

何か頼まれた時は全力で力になるけどね。

親ってちょっと悲しいですね・・・

先生の言葉が頭の中をぐるぐる巡り、いろいろ思い出したり考えたりした週末でした。


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