個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

ひきこもりについて③~どん底

2017-05-22 17:22:12 | ひきこもり
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

前回の続きです。

就職活動をやめた私でしたが、初めのうちはそれほど危機感もなく、そのうちなんとかなるかなあと軽く考えていました。しかし、これが想像以上に深い穴だったのです。

アルバイトもしなくなると家から外に出る用事がなくなります。たまに高校の友人と遊びに行くことはありましたが、彼らはみな働いていました。そうなると自然に話題は仕事関係が多くなっていきます。学生時代一緒にバカなことをいっぱいしていた友人たちが、なんだかずいぶんと遠くに行ってしまったような、自分とは違ってすごく立派な人になったような、そんな感覚になることが増えていき、せっかくの友達の誘いも断るようになってしまいました。

また、地元の知り合いに会ったりすると「今何やってるん?」と必ず聞かれました。中学生の頃から勉強だけは頑張って高校・大学と進学校に合格できたことにより、当時の私は優越感を持っており周りからも「松下は頭いいから、ええとこ就職してるんやろ」と思われてるんだろうなあと、とにかく自意識過剰でした。ですから、「就活失敗して今は無職やねん」と素直に言うこともできず、適当にごまかしていました。

こういったことすべてが嫌になり、できるだけ外に出ることをせず、家族以外との関わりをなくしていきました。時間だけはありますので、好きなときに寝て、起きてる時間はテレビを見てるかゲームをしてるか、生活リズムも完全に昼夜逆転していました。心の中では「俺何やってるんやろ?」と思いながらも、だんだんとこの生活に慣れてきたのです。

ただ、こんなほとんど社会と関わらない生活をするにしても、お金は必要でした。食事は母が作ってくれていたので困りませんでしたが、ゲームや漫画などの自分の持て余した時間を解決する道具を買うお金がありませんでした。そこで私は弟に小遣いをもらうようになりました。3歳下の弟はもう働いていまして、嫌な顔せずお金をくれました。そうしてもらったお金を持って、弟の服を借りて、弟の車を運転し、ゲームを買いに行く。そんな自分が情けなくて、みじめで、「ああ。いつから俺の人生はくるってしまったんだろう? なんとかしたい!なんとかしたい!」でもどうすればいいのかわからない。

5年後10年後の自分を何度も想像しました。何回想像しても、今以上にみじめな暮らしをしている姿しかイメージできませんでした。不安で不安でたまらなくなり、眠れない日もありました。

そんな生活が3年ほど続きました。他人との会話することがますます困難になり、弟がときどき買い物に連れて行ってくれたのですが、そこの店員さんと話することができず弟に代わりに尋ねてもらったり、家でピザなどの出前を注文したりするのも電話をかけることができないというところまで悪化していました。不眠もひどくなってきたこともあり、父親に心療内科や自律神経訓練法などの病院に連れて行ってもらったりもしましたが、病院の待合室などで座っていると、「俺は病気なんかな。一生こんな生活続くんかな」とよけいに落ち込む結果となっていきました。

中学校の頃にこんな大人になりたいなと思い描いていた自分とは正反対の生活をしていることが情けなく、なんとかしたいけれども出口が見つからず毎日不安の中でもがいていました。ただ人生を100%あきらめていたわけではなく、10%くらいは「いつか絶対になんとかする。何か道がみえてくるはずだ」と信じていた部分はありました。

もう少し続きます。

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