個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

本が出版されました

2020-04-06 10:37:24 | 活動報告
おはようございます。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

堺市にHHP(ひきこもり発信プロジェクト)というのが1年半ほど前に発足し、その一員として私も参加させていただいております。HHP結成の目的は、「ひきこもり」や「元ひきこもり」の生の声、本当に声に出して言いたいことを本として世間の人に見てもらおうというものでした。

ですが、とんとん拍子で進むような話ではなく、会議も月1回のペースでしたし、私は塾の経営者&講師という立場ですので、本業に少しでもマイナスが出てしまってはいけません。そういった理由から、毎回の会議に参加はできませんでしたし、活動自体は他のメンバーにまかせっきりになっていました。

会議でも、まず「誰に書いてもらうか」「誰に読んでもらいたいのか」「どういった内容にするのか」
なかなか意見もまとまりません。本の出版の目処も立たないですし、時間だけが過ぎていきました。しかし、HHPの中心となって活動してくださった代表の方や、私よりも10~20歳若い、元ひきこもりのスタッフの子たちが頑張ってくれたおかげで、ようやく11月頃に出版社も決まり、現実味を帯びてきました。

みんなが書きたいことは、「ズレ」についてでした。ひきこもっていた時期の、自分と親との「ズレ」や社会との「ズレ」。そして読んでもらいたい対象はひきこもっているこの親御さん。もちろん当事者に届けばいいのですが、そこはハードルが高く、だからといって専門書のようなものではなく、今現在悩んでおられる方々に読んでもらおうという方向で意見は一致しました。

あまり会議に参加できていない私にも原稿の依頼がきました。私は働き始めてもう20年になりますが、大学卒業後に約3年のひきこもりの経験があります。年末でかなり忙しい時期でしたが、うまく時間を使えば塾の仕事にも影響がでないはずだ、そしてこの本が出版されることで、たとえ1人でも気持ちが救われる方がいるかもしれない、そんな想いから私は快諾しました。

ただ1つ問題がありました。それはこの本全体のテーマは「ズレ」です。特に親子間の「ズレ」がメインテーマです。ですが、私にはひきこもっていた時代には、そういった「ズレ」を感じたことがほとんどなかったので私が書いてしまうと本に一貫性がなくなってしまうのではないかという不安がありました。会議で相談すると、「そういう意見の文があってもいいんじゃないか」とみんなが賛成してくれたので安心して書き始めました。

書き始めて困ったのは「ズレといってもなあ。どんな内容にすればいいんやろか?」となかなか進みませんでしたが、「よくわからないけれども、自分のこれまでの人生を振り返って書いてみよう。そうすれば何かが見えてくるかもしれない」と決め、小学校に入学したときのことから書き始めました。

次に出てきた問題は文字数です。原稿を依頼されたときには、7000字ということでした。ですが、私は自分の約50年間を振り返って書いてしまっているので、高校時代の話でもう7000字を越えてしまっていました。ここで終わっては、まだ「ひきこもり」の話が一切出てきていないので、これでは何の本かわからず、ただ無名のオッサン1人の小学校~高校までのアルバムを見せているだけのようでした(笑)。ここから、大学時代、そして一番書きたい「ひきこもり時代」、それから現在に至るまでを書こうとしたら軽く2倍の文字数にはなってしまうので、また会議で相談しました。そうすると、「編集は出版社の方でやってくれるから、好きに書いたらいいと思うよ」と言っていただいたので、私に編集する能力も時間もありませんので、出版社に丸投げしようと文字数も気にせず最後まで書きました。

そしたらですね、これがそのまま本に載ってしまっているんです。編集をしてくれなかったか、編集をあえてしなかったかは私にはわかりませんが、他の方はだいたい7000字なのに、私のだけ2万字を超え、本来削った方がよい場所もそのままですので、ダラダラと長い文になってしまっています(笑)。といっても出版社に文句を言いたいわけではなく、よく低予算で本の出版をしてくださったと感謝しておりますよ。

執筆者は私を含めて7人。年齢も20~40代と幅広く、現在の状況もそれぞれです。共通点は、元ひきこもり、あるいは現在ひきこもり中であるということです。それぞれが今思っていること、伝えたいことを自由に書いておりますので、あまり他に例がないような本になっていると思います。

ひきこもり当事者の親御さんはもちろん、当事者、支援団体の方、そしてできれば「ひきこもり」とは無縁の方たちにも読んでもらえたらと思っています。ひきこもりの当事者がどのように考え、どのように暮らしているのかを知ってもらうことは大切だと思いますし、また世間一般は「ひきこもり」に対してどのように感じているのか、また彼らの言葉についてどう思うのか。それは「そうやったのか。それはしんどかったな。もっと理解してあげないとな」という優しい意見だけではなく、「なんやそれぐらい。ただのあまえやないか!みんなもっとしんどい思いをして社会生活を送ってるねん!甘えるな!」といった厳しい意見を聞くことも必要だと思っているからです。

7人の内容を読んでいただければわかりますが、「ひきこもり」になった原因や家庭環境や考え方やすべてが異なります。ですからこの本に書いてあることがすべての「ひきこもり」に当てはまるわけではなく、むしろ当てはまらない可能性の方が高いと思います。それでも、この本の中のどれか1つの単語やフレーズが安心や勇気や元気を少しでも与えることができればとても嬉しいです。
本のタイトルは【「あたりまえ」からズレても】です。


最後に、HHPのみなさま、本の出版のためにたくさんの時間と労力をかけていただき本当にありがとうございました。3月21日の出版記念パーティーはコロナウイルスの影響で中止となりましたが、またいつかみんなで集まりましょう。

ONE-SのHP


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