私が糖質制限を始めた6年前は、「食べて太るのは糖質だけ。タンパク質や脂質では太らない。」という論調が主流でした。
体に脂肪が溜まるのは膵臓から分泌されるインスリンホルモンの作用です。
血糖値が上がるとインスリンが作用して、ブドウ糖は脂肪に変換されて溜め込まれます。
タンパク質や脂質では血糖値は上がらない。
血糖値が上がるのは糖質だけ。
なので、食べて太るのは糖質だけである。
という理論です。
その後、糖質制限を実践している方達の話を聞いて、「体に酸化ストレスがあると、脂質を食べても太る。」ということがわかりました。
体に酸化ストレスを与えるものは、糖質、アルコール、ニコチン、カフェイン、激しい運動、精神的ストレスなどです。
体が酸化する、具体的には活性酸素が発生する状態にあると体は脂肪を溜め込もうとします。
脂肪、特にコレステロールは抗酸化に必要な物質です。
体に酸化ストレスがある状態で脂質をたくさん摂ると、それを体は溜め込もうとして太ります。
これは体にとっては正常な反応です。
最後にタンパク質です。
現在では、「摂取した過剰なタンパク質は糖新生によってブドウ糖に変換され、さらにインスリンによって脂肪に変換される。」という考え方になってきました。
この糖新生を介してタンパク質が最終的に脂肪に変換されるルートは、理論では理解していましたが、実際に体の中で行われるとは思いませんでした。
体内にはアミノ酸プールといってアミノ酸を溜め込むシステムがありますが、そのアミノ酸が過剰になると糖新生によって最終的に脂肪として溜め込まれるということです。
これもその過程でインスリンホルモンが作用します。
インスリンは血糖値を下げるホルモンではなく、体に脂肪を溜め込むためのホルモンであるという考え方があります。
原始、人は常に飢餓と闘っていました。
脂肪はもちろんのこと、余ったブドウ糖、余ったアミノ酸を脂肪として貯えるシステムは、飢餓に備えるために必要だったのでしょう。
三大栄養素はすべて脂肪として貯えられ、太る可能性があるのです。
ダイエットの難しさはここにあるのかもしれません。
小幡歯科医院
http://www.obatadc.sakura.ne.jp/