仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

パシフィック・リム

2016年10月03日 | ムービー
『パシフィック・リム(原題Pacific Rim)』(2013年/ギレルモ・デル・トロ監督)を見た。
物語は、「2013年8月、太平洋グアム沖の深海に異世界と繋がる割れ目が生じ、そこから怪獣アックスヘッドが出現した。アメリカ軍はサンフランシスコを襲撃したアックスヘッドを6日間かけて倒すことができはしたが、これは始まりにすぎず、怪獣は次々と出現した。環太平洋沿岸(パシフィック・リム)諸国はPPDC(パン・パシフィック・ディフェンス・コープ)を設立し、専門家達の英知を結集した人型巨大兵器"イェーガー"を開発。これによって人類は優位に立つことができたものの、怪獣の出現ペースは徐々に早まっていき・・・」という内容。
「"モンスター・マスター"レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」と書かれていたが、本多猪四郎(1911~1993年)氏は『ゴジラ』(1954年)、『モスラ』(1961年)、『マタンゴ』(1963年)等、数々の東宝特撮映画を制作した監督なので、本作のギレルモ・デル・トロ監督は随分と日本の特撮映画に詳しいのだろうと思うのだが、「そこは"円谷英二"だろ!!」と言いたくなる。
異星人に操られて地球に現れるのは"Monster"ではなく"Kaiju"だし、人型の巨大ロボットが兵器として怪獣と戦うだなんて、まるで日本の特撮映画やアニメ映画の世界だ。
(^_^)
ローリー・ベケット(チャーリー・ハナム)と森マコ(菊地凛子/幼少期・芦田愛菜)の2人が搭乗する"ジプシー・デンジャー"というイェーガーの"エルボーロケット"は、マジンガーZ(永井豪原作)の必殺武器ロケットパンチを彷彿させるし、搭乗方法はまさしく"パイルダーオン!!"だ。
(^。^)
また、東京が舞台になった時の街中に氾濫する看板等に「益代&由美子剣店」、「葵綾香」、「東京都廃棄物の除去」といった文字の羅列があって面白いし、ポスターの隅には「環太平洋同盟が怪獣を倒せるかどうかは君次第だ。我々の前に立ちふさがるのは前代未聞の敵だ。一億玉砕」などという文字列が読めたのだが、ギレルモ・デル・トロ監督は特撮やアニメという媒体を通して、色々な日本を見ているのだろう。
とても良くできた物語ではあったのだが、いろいろと詰め込み過ぎなのか、見ていて疲れた。
(^_^;)
様々な素晴らしいアイディアをどんどんつぎ込んていった作品なのだろうが、世の中のヒット作品というのはもっと単純なストーリーのものが多いはずだ。
欲張り過ぎた結果、成功に至ることができなかったのではないかと思える少し残念な作品だった。