『マルタイの女』(1997年/伊丹十三監督)を見た。
伊丹十三(1933~1997年)氏は、全10作の監督作品を世に送り出しているが、この作品が遺作である。
俳優としては、テレビでも映画でも変わった役どころが多かったような気がするのだが、監督としては心に残る良い作品を生み出していたので、自ら命を絶ってしまったというのはとても残念だった。
氏の作品は、脱税や暴力団、カルト教団など、反社会的な事項を題材にしていたこともあって、死に至った背景については様々な憶測もよんでいたそうであるが、とにかく、残念としか表現しようがない。
(-_-;)
さて、この物語は、「弁護士殺害の現場に居合わせてしまった女優の磯野ビワコ(宮本信子)は、裁判での目撃証言を妨害しようとするカルト教団に狙われることになる。警察は刑事の立花(西村雅彦)と近松(村田雄浩)の2人に彼女の身辺警護をさせるのだが・・・」という内容。
タイトルにある"マルタイ"とは聞きなれない言葉なのだが、身辺保護の対象者を指す警察内部でのコードネームだそうだ。
これがハリウッドだったら、きっとマルタイと刑事の間に生まれる熱い恋物語も描いていくのだろうが、しかし、この作品はケビン・コスナー主演の『ボディガード』(1992年/ミック・ジャクソン監督/アメリカ)とは一線を画すのだった。
まぁ基本的にはコメディだということもあるのだろうが・・・。
ただ、コメディとはいえ、カルト教団側の二本松弁護士(江守徹)はとても恐ろしく描かれていて、「彼が無罪になった時のことを考えたことがありますか?こちらが勝てばアンタ、偽証罪ってことになるんだよ。当然、損害賠償も生じますよ・・・。名誉棄損で訴えられますよ。そりゃあ長い長い戦いになるでしょうなぁ。莫大な時間、莫大な費用・・・。おまけに相手はカルトだ。何をするか分からない連中です。私はあなたのためを思って心配してるんです。証言なんかやめなさい。あなたにとって得なことは何ひとつ無い。なぜ自分の人生を犠牲にしてまで証言台に立つんだ・・・」という言葉や、脅しで証言の妨害を図る。
こういうのはきっと現実社会でもあるのでは・・・と考えてしまうほどに見事な場面だ。
また、意外と(といっては失礼だが)CGの出来も素晴らしくて、これはなかなか良い作品だと思った。
(^_^)
伊丹十三(1933~1997年)氏は、全10作の監督作品を世に送り出しているが、この作品が遺作である。
俳優としては、テレビでも映画でも変わった役どころが多かったような気がするのだが、監督としては心に残る良い作品を生み出していたので、自ら命を絶ってしまったというのはとても残念だった。
氏の作品は、脱税や暴力団、カルト教団など、反社会的な事項を題材にしていたこともあって、死に至った背景については様々な憶測もよんでいたそうであるが、とにかく、残念としか表現しようがない。
(-_-;)
さて、この物語は、「弁護士殺害の現場に居合わせてしまった女優の磯野ビワコ(宮本信子)は、裁判での目撃証言を妨害しようとするカルト教団に狙われることになる。警察は刑事の立花(西村雅彦)と近松(村田雄浩)の2人に彼女の身辺警護をさせるのだが・・・」という内容。
タイトルにある"マルタイ"とは聞きなれない言葉なのだが、身辺保護の対象者を指す警察内部でのコードネームだそうだ。
これがハリウッドだったら、きっとマルタイと刑事の間に生まれる熱い恋物語も描いていくのだろうが、しかし、この作品はケビン・コスナー主演の『ボディガード』(1992年/ミック・ジャクソン監督/アメリカ)とは一線を画すのだった。
まぁ基本的にはコメディだということもあるのだろうが・・・。
ただ、コメディとはいえ、カルト教団側の二本松弁護士(江守徹)はとても恐ろしく描かれていて、「彼が無罪になった時のことを考えたことがありますか?こちらが勝てばアンタ、偽証罪ってことになるんだよ。当然、損害賠償も生じますよ・・・。名誉棄損で訴えられますよ。そりゃあ長い長い戦いになるでしょうなぁ。莫大な時間、莫大な費用・・・。おまけに相手はカルトだ。何をするか分からない連中です。私はあなたのためを思って心配してるんです。証言なんかやめなさい。あなたにとって得なことは何ひとつ無い。なぜ自分の人生を犠牲にしてまで証言台に立つんだ・・・」という言葉や、脅しで証言の妨害を図る。
こういうのはきっと現実社会でもあるのでは・・・と考えてしまうほどに見事な場面だ。
また、意外と(といっては失礼だが)CGの出来も素晴らしくて、これはなかなか良い作品だと思った。
(^_^)