虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 1 <見る>

2010-04-26 13:21:13 | 教育論 読者の方からのQ&A

「うちの子あまり考えません~」と親御さんが嘆く子に会ってみると、

考えるために必要ないくつかのことが身についていないのがわかります。

上手に「考える」ことができるようになるには、
その前にできるようになっておくといいステップがあります。

ひとつは、上手に「見る」ことです。

よく見る
ていねいに見る
よく似ているものを思い浮かべたり、違いを考えながら見る
見て不思議に気づく
見て好奇心が刺激され、調べたいと思う
動きのあるものを見る
考えながら見る
人の表情をよく見る 目を見る

というように「見る」ことを極めていけば、必ず「よく考える」ことにつながっていきます。

1歳代の子とお散歩に行くと、歩く先々で「じっくり見る」と面白いものにぶつかります。
小学校の校庭をのぞくのも好きですし、水たまり、花のおしべめしべ、
ポストの投入口の中、ありの行列、はとたちの日向ぼっこ、
日光が当たっている部分と影になっているところ、
お風呂屋さんのえんとつなどなど……きりがありません。
幼い子ほど、そうしたものに感動し、よりていねいにじっくり見ようとします。
葉っぱに毛虫がいれば、何度でも何度でも見たがります。

合理的に効率的に目的地に直行!
ではなく、歩いて、子どものペースでさまざまなものを見て、
見たときの思いや発見を話し合って共感しあうことが、
「見る」能力を高めて、
「考える」力のベースになります。

幼児にしても、小学生にしても、「よく考えない」ということの裏に、
「よく見ていない」ということがあります。
算数の問題も、国語の問題も
「よく見る」だけで解けるものは多いのです。

でもいったん「見ない」癖がついてしまった子には、
どうすればいいのでしょう?

子どもがぼんやりしているように見えるとき、「ぼんやりしている」と思うのでなくて、「何を見ているのかな?」と視線の先を見ると、
何かに気を取られていることがよくあります。
そうした子どもが見ているものについて、いっしょにおしゃべりして
楽しむようにすると、見方が変わってきます。
また、「よく見ない」子には、忙しく動き回るという子もいます。
外で、子どもが発見したものを報告してもらって「すごいね~!どこどこ?」と感動していると、
さらに面白いものを見つけようとするはずですよ。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
本当にそうですね。 (Akemi)
2010-04-27 08:36:36
>合理的に効率的に目的地に直行!
ではなく、歩いて、子どものペースでさまざまなものを見て、見たときの思いや発見を話し合って共感しあうことが、「見る」能力を高めて、「考える」力のベースになります。

共感します。今は、どこへ行くにも車です。(田舎や郊外の方が顕著)散歩のための散歩、なんて、子連れでもあまり機会がなくなりました。
娘と園に行くとき、車をやめて自転車に、さらに徒歩にすると、会話がぐっと増えます。まわりの自然をじっくり見ることもできます。
行き交う人との会話もできます。いいことだらけです。

こういう、一見「むだ、非効率的」と思われることが、実は力になっていたりするんですね。

いつも気付かせてくれてありがとうございます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。