虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

言葉のない5歳の男の子  2

2012-11-04 08:55:12 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

言葉のない5歳の男の子 1

の続きです。

 

前回の記事で次のようなことを書きました。

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★くんは機能の面で言葉を発することが難しい子ですが、

だからといって話しかける以外の言葉の発達を促す働きかけを

何もしないことは、

問題があるように感じました。

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★くんは自閉傾向はない子のようです。


ただ次のような自閉傾向のある子たちに似た特徴を持っています。


「興味があることや好きなことには非常に高い集中力と長い時間関わる力があるけれど、

関心が薄いと靴を履いたり脱いだりするといったごく易しい動作も

声をかけてもなかなか通じないところ。」

 

「観察力が高く、目で考える子。

視覚的な記憶力が良いところ。」

 

★くんはそのように自閉傾向のある子たちに似ているところもあるけれど、

自閉傾向のある子たちが苦手とする面に得意も持っています。

次のようなことです。

 

「人真似が上手で、お手本を見せると、即座に真似してみようとするところ」

 

「人と関わることが好きで、身振りなどを使って

人と思いを伝えあうことができること」

 

好奇心の強さにしても

ひとつの活動にしっかり関わることができることにしても、

★くんは論理的に考えていく力を伸ばすための素地を持っていることがわかります。

 

けれども、言葉がしゃべれないために

そうした能力を洗練させていく道が絶たれているのです。

 

そこでわたしは、次のような課題を提案し、★くんの学習をサポートしていくことにしました。

 

「★くんに文字を教えて

言葉を発しなくても会話することができるようにすること」

 

「絵カードを使って、選ぶことで言いたいことを伝えることができるようにすること。

絵カードでなら、二語文、三語文が扱えるようにすること」

 

「これなあに?とたずねるような、言葉を知りたいという

好奇心を養っていく」

 

「工作、ブロック製作、科学実験、ピタゴラスイッチ遊び、ごっこ遊び」の活動の中で、

自分で考え、今より複雑な内容を伝えたいという気持ちを育てる。

真似る力を向上させる」

次回に続きます。

 

 

 


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