虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

性格タイプ、ラーニングスタイルに配慮した勉強 1   (ふたりの1年生)

2011-08-26 03:24:15 | 子どもの個性と学習タイプ

先日のユースホステルのレッスンには小学1年生の女の子がふたり参加していました。

どちらも自立心の強い人と関わるのが上手な子で、「表現・実行型」の学習スタイルだと

1~2学年上のレベルの問題も楽しそうに解く姿がありました。

『ぴぐまりおん』の2~3年生の問題をもとに

折り紙などを使って簡単な手作り教具を作りながら学ぶときに、

この子たちの能力が自然な形で発揮できていました。

問題を絵にしてみる、教具を手作りしてみる、自分たちでゲームの進行を仕切りながら頭を使っていく、

生活のさまざまな場面で準備をしたり問題を解決したりするとき

ふたりともいきいきとしていました。

今後の学習でも、図形の問題はもちろん分数や割合や割算の筆算を学ぶようなときにも、

学校の宿題やワークの穴埋めをしていくような学習だけでなく、

自分で表現したり、それを使って友だちとゲームをしたりして、能動的に関わるスタイルも取り入れると伸びるように感じました。

 

この1年生の女の子ふたりは

ユースホステルで初めて顔を合わせたのですが

たちまち意気投合して、ずっといっしょに行動していました。

といっても、性格タイプは正反対で、ひとりの子(☆ちゃん)は感覚が優れている内向的な子で、

もうひとりの子(★ちゃん)は直観が優れている外向的な子のようでした。

 

☆ちゃんは夏休みに映画村やらキッズプラザなどのさまざまな施設に遊びに行ったようでしたが

「どこが一番おもしろかったの?」とたずねると、

「下水道館」というマニアックな答えが返ってきました。また一番ゆっくり眺めていて感動した場所が

「国立民族学博物館」と、1年生の女の子とすると、「えっ?ほんと?」という問い返したくなるような答えなのです。

☆ちゃんは好みが変わっているわけでも、大人の注意を引こうとしてこんなことを言っているわけでもありません。

☆ちゃんは感覚が優れている子特有の非常に微細な感触や素材感や色のパターンや色合いや形や音の違いを 

五感で感じ取っていくことが大好きな子でした。

性格分析の本で、「感覚が優れている方はお金の無駄使いなどをまずしない」と読んだことがありますが、

感覚が優れている☆ちゃんもいろんな場面で、そうした自分に必要な量に対する敏感さを発揮していました。

食事の際にも、「最初にどれくらい食べることができそうか考えて、自分の皿の中をピッタリその日食べれる分量にしてから

残さず食べきる」ということをしていました。

☆ちゃんは勉強の場面でも、物と物の差異を比べながら解く問題や

表や線分図から差異の部分に着目して解いていく問題が得意で、先の学年の難しい問題も

ワクワクしている様子で解いていました。

☆ちゃんが特に集中して夢中になって解いていたのは、

「4人で せいくらべを しました。だいすけくんはごろうくんより たかく、

さとるくんより ひくいです。さとるくんより たかいのは ひろしくんだけです。

せいの たかい じゅんに 名まえを かきなさい。」

という問題と、

「こうえんにいる 女の子のうち、犬を かっている人が 7人、ねこをかっている 人が 8人 いました。

どちらも かっている 人は 5人 いるそうです。

どちらも かっていない人はいません。ではこうえんにいる女の子はみんなで なん人ですか。」

という問題でした。

分類整理しながら差異に注目して解く時や、差異を比べつつデーターを読み取る時には

高い能力を見せていた☆ちゃんですが、

「どのように解いたらいいのかわからない問題に対して全体像を把握して

だいたいのあたりをつけて解いていく」という直観が優れていると思われる★ちゃんが喜んで解いていた問題では

最初の取りかかりで苦戦した上、細部に注目するあまり全体のバランスが悪い解き方になっていました。

次回に続きます。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2011-08-26 15:04:10
奈緒美先生 こんにちは 夏のレッスンお疲れ様でした~

「どう解いたらいいのか分からない問題にたいして全体像を把握して解く、、、、」というのと「細部に注目するするあまり全体のバランスが悪い。。」というのの全体像からの解き方と細部を注目した解き方がいったいどんな解き方なのか 教えてほしいです!!
私も最近 子供と勉強しているのですが直感が働かないばかりか あーでもないこーでもないと毎回苦戦します。
こうした問題を楽しく解けるようになりたいのですがやっぱり量を解けばいいわけではないですよね 数学的感性がないとダメですね。。。。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。