息子 「潜在的な部分で、無駄に殺意や怒りが吐き出されているって状態は、
今の表面的な平和がちょっと崩れただけで、
いつ海外で起こっているストライキのようなものが日本中で頻発するようになったって
おかしくないってことだと思う。
戦ってはいけない、平和でなければいけないって、論理とか法律とか、メディアの力で
押さえつけるだけじゃ、これからはダメなんだろうな。
経済的な発展が遅れている国に比べたら、日本は自由で豊かで恵まれた国だよ。
職業選択や生き方は自由だし、遊技場にしても、
買って楽しめるものにしてもたっぷりあるにもかかわらず、
幸福度指数が低くて、心を病んだり、生きることに疲れていく人が多いよね。
それって、もっと国が豊かになってお金の悩みがなくなったら
解決するほど単純な問題じゃないと思う。
日本の経済を潤してくれるような成功者が出てくるとか、
新技術が発見されて経済が好転するといった商業主義にのっとっものじゃ
解決しないってこと。
オーバーなようだけど、革命というか……社会全体のシステムを一新するような
革新的な解決が必要なんじゃないかな?
お金では得しなくても、精神的によくなるシステム作りというか。」
母 「経済的な豊かさ以外に、どうな解決法があると思うの?」
息子 「今、何が苦しいのか、何が社会を暗くしているのかというと、
一番にあるのは、仕事の問題なんだと思うよ。
豊かなはずの日本なのに、正当に働けば働いただけの見返りがあるわけじゃない。
物作りに関わる仕事なら、実際に物を作っている側、汗水流して働いている側が
低い賃金で過剰に働かされて、
作らせている側、ある意味、本当に必要ではない仕事に従事している側がたくさん儲かる仕組みに
なっているよね。
いろんな場所でそうしたことが言われているし、怒りを駆り立てているけれど、
でも、社会の仕組みが複雑すぎて、
いったい何をどう変えたら個人個人にとってよくなるのか、
わかりにくい。
それで、問題を糾弾して騒いだり、本質的な問題からずれた敵を
攻撃するだけで終わりがちなんだと思う」