虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

お正月の読書三昧(興味が一巡してスタート地点に……) 4

2012-01-04 18:25:26 | 日々思うこと 雑感

アメリカに発つ日が近づくまで

自閉症の子のための幼稚園を見学させていただく予定はありませんでした。

 

あちらでのスケジュールもすでに組んでいただいていて、それらをどれも楽しみにもしていました。

でもその一方で、わたしがアメリカでもっとも知りたいと感じていたのは

あちらの特別支援教育の実状でもありました。

 

日本では自閉症の子への療育法を子どもの状態や個性に合わせて

適度に組み合わせて利用するということは、タブー視されています。

ある方法を支持する専門家の方法に従うなら、

それ以外の方法は試すことすら非難されるようなところがあるのです。

また、食事療法とか、整体とか、母子関係を良くする試みといった

根本的な自閉症の原因とのつながりがない方法は、

たとえその子の状態がそれによってある部分でよくなる可能性があっても、

「間違った治療法」として最初から否定されているようなところがあります。

アメリカでは、「自閉症の療育にはこの方法が正しいから他の方法は間違っている」とする

排他的な考えはなくて、

自然なアプローチと構造化された行動療法や教育プログラムを

組み合わせて使っていると聞いていたので、ぜひ自分の目で確かめてみたいと思っていたのです。

 

現実にシアトルで自閉症の子のための療育施設をたずねてみると、

それぞれの子どもの必要にあわせてあらゆる方法が取り入れられていて、

食事療法や整体や

定型発達の子との交流でコミュニケーションを学ばせるといった方法まで

取り入れて療育が行われていてびっくりしました。

そこで行われていたプログラムは、

単に自閉症の子の認知の力を伸ばしてできることを増やしたり、身辺自立をし、

他人に迷惑をかけないようになることを

目指しているのではなくて、

人と関わり、コミュニケーションし、考え、行動し、人生を楽しむための

さまざまな技能を育むことを目指しているの

が伝わってきました。

センターで会った自閉症の子どもたちは

どの子も幸福そうな笑顔を浮かべて、人への信頼感を態度で

表していたのです。

 

話の後先が逆になりましたが、

最初は予定していなかった自閉症の子の幼稚園の見学ですが、

飛行機のチケットを取る段階で、

当初の滞在予定が一日ずれることになったことと、

旅行間際になってAさんが偶然知り合う機会があった専門家の先生が、

そのセンターと関わりがあって、

その先生の紹介ということでスムーズに見学を許していただいたのです。

おまけにわざわざセンター長さんが、施設内を案内してくださって、

ていねいに説明してくださいました。

もうひとつの偶然は、そのセンター長さんは子ども時代、日本に住んでいたことがあって、

大阪にも訪れたことがあったということです。

 

 

 


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