虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

考える方法 と 行き詰った時の解決法 5

2015-03-16 22:11:31 | 通常レッスン

考える方法 と 行き詰った時の解決法 1

考える方法 と 行き詰った時の解決法 2

考える方法 と 行き詰った時の解決法 3

考える方法 と 行き詰った時の解決法 4

シリーズもののように、

子どもたち(大人も少し)の「考える方法と行き詰った時の解決法」を目にしたら

書く予定の記事です。

 

教室の椅子をいくつか買い足しました。これまでの椅子は最大20㎏までしか

座れない赤ちゃん用の椅子だったのですが、今度の椅子は50㎏までOK。

これで親御さんたちにも椅子を薦めることができる~と喜んでいたら、

50㎏というのがビミョーなラインらしく、この椅子ネタで毎度のように

「キャーどうしよう、大丈夫かな、危ないわ!」とアラウンドフィフテイーをめぐる

騒ぎが巻き起こっています。

わたしもしっかり危険ゾーンに入っていますが、便利に使わせてもらっています。

 

この椅子、100円ショップで200円で購入したもの。購入した翌日から

1、2歳の子らから小学校高学年の子まで、興味しんしんに、折りたたんだり開いたり、

折りたたんだり開いたりを繰り返しています。

そんなにこの仕組みが面白いのなら……と、

簡単にこの椅子を再現する作り方を考えてみました。

細長い紙を切って折って、ふたをつけるだけでできあがり。

 

折りたたみ椅子の作り方を説明すると、

さっそく作り始めた年少(もうすぐ年中)のAくん。

ふたを作る時に四角い枠を紙にあてて、「これくらいかな」と思うところに

えんぴつで線を入れて切りました。が、枠にかぶせてみると小さかった模様。

 

すると、Aくんは残った紙を細く切って、小さかったふたに継ぎ足し始めました。

これはナイスアイデア。

後からお母さんに聞いたところ、AくんにとってこれはAくんの十八番の工作技で、

工作する時はいつも、「最初にアバウトに形を切りとって、小さい時には、

細い紙で少しずつ周囲を継ぎ足していく」のだとか。

見栄えはちょっと悪くなるかもしれまぜんが、微調節が可能になるよい方法ですね。

 

 Aくんの考える方法は、「まずざっくりと試してみて、様子を見ながら

少しずつ理想形に近づけていく」というというもの。

Aくんは誰かが遊んでいるおもちゃを自分もやりたくなった時、

傍らから、何ひとつ見落とさないほどの

真剣なまなざしでじっと見続けます。また、一度、何かに取り組み出したら、

「ああ、満足した」とため息がでるくらいまで、とことんやりぬきます。

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こちらは年長のBくん(といっても、この日が卒園式)の

レーシングカーのレース場です。

教室に着くなり、「先生、大きい段ボールない?」と言い続けていたので、

ようやくそこそこのサイズの段ボールを見つけてきて、苦言をひとつ。

「作るのはいいけどあんまり大きいものを作ると、持って帰るのが大変だから、

教室に置いてってよ」と。

 

すると、Bくん。「いいの、いいの、大丈夫」。

「そりゃ、Bくんはいいよ。でもBくんが抱えて持って帰る役をしたとしても、

こんな大きいものを持って帰ったら家がいっぱいになっちゃうよ」と言うと、

Bくんは自信満々の笑みを浮かべて、

「大丈夫だったら~!それはちゃんと考えてますから。

折りたためるようにしてあるんだから、大丈夫。小さくなるように、

ちゃんと考えてるんだから」とのこと。

 

スタート地点のゴムに太目の髪ゴムを使うことで、

レース場のゴールまで一気に車を走らせることに成功したBくん。

うれしくって笑いがとまらない様子でした。

結局、お母さんの前でも「いかにコンパクトに折りたためるか」を実演してみせて、

満面の笑みを浮かべて、畳んでも十分かさばる荷物を「お持ち帰り」しました。

 

人とコミュニケーションを取るのがとても得意なBくん。

Bくんがものを考える時は、「相手をどう説得するか」という面も考慮されています。

説得する時には、相手の出してくる否定的な考えをいかにくつがえすかや

問題の解決策をどう示すかも大事ですが、

自分がどのようにしたいか、どれほどそれを望んでいるかを本気でアピールすることも

重要なようです。

 


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