虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

(虹色教室で)2歳代で身につけてもらいたいと考えていること 1

2012-05-18 12:57:32 | 教育論 読者の方からのQ&A

今日は2歳9カ月の★くんと☆くんのレッスンでした。

虹色教室では、ベビーレッスンに通ってもらっている子らに、

2歳の間に「こういうことができるようになってほしいな」と思っている課題がいくつかあります。

★くんも☆くんも、どの課題もしっかりこなせるようになって

すっかりお兄ちゃん。

★くん、☆くんのお母さんも、子どもたちの成長ぶりに思わず目を細めていました。

 

それではわたしが2歳代で身につけてもらいたいと考えている課題はどのようなものか

紹介しますね。

 

① まずひとつめは、「○○で遊びたい」「こういうことがしたい」と自分で言えることです。

 

これは「何がしたいか自分で言いなさい」「決めなさい」と問い詰めるような接し方をしていても、

言えるようにはなりません。

また、大人が「こんなことしてごらん」「こうしてごらん」と指示して

子どもを動かしてばかりいても身につきません。

 

「こんなことがしたいな」という子どもの思いに実現の有無はとにかく

しっかり耳を傾けてあげて、

幼い子の発言もひとりの人間の意見としてきちんと取りあげてあげていると

自信を持って、「~したい」「~で遊びたい」と言えるようになります。

 

飽き飽きするような受動的な遊びではなく、自分から働きかけて

全身を使って遊びこむことができるような魅力的な遊びの体験も大事です。

 

それまで楽しかった遊びのレパートリーが少なければ、「~こういうことがしたいよ!」という

言葉は生まれてきませんから。

 

外向的な子も内向的な子も、自分の思いを自由にどんどん表現して、

それをしっかり受け止めてもらったという体験の蓄積から、

「あんなことも、こんなこともしてみたい」という意欲が生じてくるものです。

 

 子どもはやりたいことのレパートリーがたくさんあると幸福そのもので、

自信に充ち溢れてきます。

 

 

② ふたつ目の課題は「ぼくにやらせて!」「自分でする~」という言葉がさまざまな場面で出てくるかです。

 

上手にできるかとか、正しくできるかなんて気にもとめずに、

「自分がしたことは全てすばらしい!」という自信満々な態度がこの時期に身に着くと、

後々、他の子や大人の方法からよりすばらしくする方法を学びとろうとする姿勢につながります。

 

子どもをコントロールしないで自由にやらせつつ、

危険がないように見守りつつ、

同時にその時期に子どもが

非常に敏感になっている発達の課題に気づいて、ひとつの技能を洗練させていく過程を

ていねいにサポートしてあげます。

つまり、「自由」にさせつつ、しっかり「サポート」するのです。

 

③ もの作りに親しんで、買わなくても作ればおもちゃが手に入るというイメージを持っているかも大事にしています。

 

3歳の後半くらいになると、お店で目にするもの目にするもの買ってもらいたがるようになる子がいるのですが、

幼い頃からモノを作って遊ぶイメージに慣れていると、

「買いたい、買いたい」と衝動が高まる時に、「作ればいいか」と納得したり、

お友だちと物の取り合いになった時に、「作るからいいよ」と創造的に解決できるようになったりします。

④ お友だちに作り方を教えてあげる、相談しあって同じものを作ることができなど、

友だちとの関わり方のイメージの豊かさも大事にしています。

 

お友だちに対して「作り方を教える」ということができると、

自分の能力に対する自信を高めつつ、お友だちと仲良くするのが上手になってきます。

作り方を教えるといってもそんなたいしたものではなく、

今日来ていた★くんでしたら、「駅の作り方を教えてあげる」と言って、

ブロックの塊をボードに置くだけの作品を披露して、

心から満足そうでした。

教わった☆くんも、★くんのすることに興味が高まって、ふたりで

消防車を作りたいだの、トーマスの○○を作りたいだの、パトカー作ればいいだの、

救急車を作るだの言って盛り上がっていました。

④「○○だからかな?」と原因について考える、「こうすればいいんじゃない?」と自分のアイデアが言えること。

 

⑤好きな遊びには、夢中になって遊びこむことができること。

 

⑥見立てたり想像力を使うことを楽しめること。

 

 

3歳の子が、ここで取りあげている2歳代で身につけてもらいたい能力が身についていないからといって

それほど気にすることはありません。

でも、身近にいる大人の言動や態度は

微調整した方がいいかもしれません。

 

たとえば、夢中になって遊びこむことができない原因は、

子どもの側にあるのではなくて、

たいてい環境や大人の関わり方にあるからです。

 

「ぼくにやらせて!」「自分でする~」という言葉が出てきにくい子にしても、

原因は子どもにあるのではなく、

大人のさせたいように「ここがちがう」「こうしてああして」と必要以上に口出しているからだったり、

子どもがやりたがるときに、つきあってあげることが少ないからだったり

するからです。

 

次回に続きます。


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