『東大人気教授が教える思考体力を鍛える』(西成活裕 あさ出版)を読んで、
とても共感しました。
幼児や小学生といっしょに過ごしている時、
私がいつも、著書で取り上げられている思考体力と呼ばれるものを
使う場面がたくさん生まれるように気を配っているのです。
それがしっかり鍛えられるための
遊びや体験の質にも工夫をこらすようにしています。
これまで、私はそれらをこの本とは別の言葉で捉えて意識していたのですが、
「自己駆動力」「多段思考力」「疑い力」「大局力」「場合分け力」
「ジャンプ力」という言葉でそれを見直してみるのも面白いなと感じ安した。
著者の西成活裕氏がおっしゃる「思考体力」とは
次の6つの力です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1 行動を促すエンジン部分 「自己駆動力」
2 思考の段階を上り続ける 「多段思考力」
3 立ち止り、思考のループを回し続ける 「疑い力」
4 時間と空間を見渡す 「大局力」
5 選択に迷ったら 「場合分け力」
6 これ以上勧めないときこそ 「ジャンプ力」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
虹色教室でのレッスンでは、私は幼児が算数の世界を体感して学べるように
環境を整えています。
でもメインの活動は、工作だったり、
ごっこ遊びだったり、ゲームだったりするので、
それがどのように学習に結びつくのか、ピンとこないかもしれません。
親御さんたちの中には、そうした遊び中心のレッスンの合間に
手や小物を使って計算を学んだり、小学校受験問題を考えたりする時間が学習時間で、
それ以外は休憩時間のように感じている方もいるかもしれません。
でも、幼児にとっては、どちらかというとその逆で、
休憩時間のように見える活動でしっかり学んで、
学習時間のように見える活動で軽い柔軟体操をして頭をほぐしているとも
言えるのです。
といっても、ただ勝手に遊ばせるのではなく、
西成活裕氏がおっしゃる6つの「思考体力」がしっかり育つような
豊かな遊び方ができるように、
子どもを育んでいくことが大切だと感じています。
幼児期に安易に教えてできるようにしてしまうと、
考え抜く力が極端に弱いまま
みんなよりできるからと適当に学ぶ習慣がついてしまうことがあります。
ただ事前に教わって「できる」かどうかよりも、
地頭力と呼ばれるような
考えるベースとなる思考の体力のようなものこそ、
幼児期や小学生の時期に育てておかなくてはならないものなのです。
考えることを途中であきらめずに、
大きな視野に立ったり、
段階に分けて工夫して解いたり、
場合に分けて考えたりできるようになるには
どのような体験が大切なのでしょう?
どうしてもできない窮地に陥った時こそ
全力でそれを乗り越えていく力を発揮させるには、
どのように接していけばいいのでしょう?
そこで、遊びながら「思考体力」と呼ばれるようなものを身につけていくための
関わり方のコツについて
これから書いていくことにしますね。