虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

継次処理能力が優れている子、同時処理能力が優れている子 3

2013-12-09 20:26:12 | 教育論 読者の方からのQ&A

継次処理能力が優れている子も同時処理能力が優れている子も

まじめさとか真剣さといった点では、どちらも同じように

与えられた課題に

自分の力でがんばって取り組んでいます。

 

しかし大人から見た印象としては、

最初はできない状態からコツコツ努力してできるようになっていく子と

最初からできるにはできるけれど、ミスが多くて雑な子では、

明らかに後者の分が悪いのです。

 

最初はできない状態からコツコツ努力してできるようになっていく子への

教育法は、学校をはじめ、様々な教育機関で

行われている上、親にも理解しやすいものです。

 継次処理能力が優れている子がだんだんとできるようになっていくどの過程も、

まじめに努力しながら伸びていく姿として、好意的に受け取られがちです。

 

しかし、全体から細部に向かって理解していく子、

スタートからゴールに向かって一気に飛んでいくけれど、

答えが出た時点では、まだ中間地点の細かい確認作業が済んでいないような子に対して、

適切な指導がなされることはほとんどありません。

「わかっているのに、ていねいに見ていない(だからミスが多い)」

「できるのに怠けている」

「答えだけ書いて、途中の式を書かない」

「真面目にやる気がない」と叱られるだけです。

 

そんな風に、同時処理能力が優れている子たちには、学校のような集団の場で

自分に合わない方法で教えられるだけでなく、

それなりにがんばって結果を出しても、注意を受けるだけで、

ゴールに飛んだ後で、見落としていた細部を確認する方法や

ゴールから逆走して、各段階のつながりを理解していくような機会が

ほとんど与えられていません。

 

その理由は、同時処理的な認識の仕方について

良く知られていないということもあるでしょうし、

多くの人にとって、ゴールや進歩に向かって子どもを支援していくことには意欲的でも、

ゴールから、スタート地点に向けて、それまで来た道を振り返って、確認していく形での支援に

魅力を感じないからなのかもしれません。

 

次回に続きます。

 

 

 

 


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