4歳のお兄ちゃんのAくんと2歳の弟のBくんのレッスンで。
Aくんは教室に来る度に『ステラテゴ』というボードゲームをやりたがります。
『ストラテゴ』は、軍人将棋の一種で、コマの力が数字の大小なのと
進み方がシンプルで遊びやすいためか、年齢を問わず人気があります。
2年前のユースホステルで遊んで以来、『ストラテゴ』は
Aくんの一番のお気に入りです。まだ勝つために戦略を練るような
本格的な遊び方ではないけれど、たくさんあるコマを自分で並べて、勝負に熱中しています。
Aくんはゲームが大好きで、お家でも動物将棋など
さまざまなゲームで遊び込んでいるそうです。
この日は、本当は弟のBくんのレッスン日。
ですから、先に『Erster Obstgarten』という
カラスが果物を食べにくる幼児向けのゲームをしました。
その後でAくんの『ステラテゴ』に付き合わされていたBくんは、
たくさんのコマを盤に並べて、コマ同士を何度か戦わせるところまでは
がんばっていたのですが……まだまだ試合を続けたいAくんを振り切って
カラスのゲームのところに飛んでいきました。
見ると、自分でていねいに果物をセッティングしていました。
AくんもBくんも、興味を持ったものに
真剣に関わる熱心さが育っています。
ゲームの前に、紅茶の葉で竜巻を作ったり
ところてんを作ったり、
かんきつ類の汁にリトマス紙をつけてみたりする
簡単な実験遊びをしたのですが、ひとつひとつの作業に
夢中になって取り組むBくんの姿が印象的でした。
こうした熱心さは、前回の記事で書いたように
今、夢中になっている「基礎的なこと」でじっくり遊び込むことと、
遊びに熱中するなかで「基礎的なこと」と「基礎的なこと」をつなぐ力を養うことで
身についてくるものです。
また、時間や環境の使い方に、子どもの意思や活かされるほど自由があることと、
身近な大人が、少しだけ手間をかけて子どもがやりたがることにつきあってあげることが大事だと思います。