中丸美繪ブログ

「モーストリー・クラシック」で「鍵盤の血脈 井口基成」連載中。六年目。小澤征爾伝も脱稿間近。

エアガール

2021年03月17日 17時29分02秒 | 日記
『日本航空一期生」は広瀬すずちゃん主演「エアガール」の原案です。
敗戦後六年、ナショナルフラッグを誕生させた人々の、創業時代の苦難と喜びを、当時の関係者を取材して描きました。

この本を読んで感激してくれたのが、今回「エアガール」のプロデユーサーです。
テレビの現場も女性が多く進出しておりますね。

今回のエグゼキュティブプロデューサーは、「ドクターX」の女性敏腕プロデューサー。

この企画の発案者は、その下で働くいくぶん若い、将来を嘱望されるまたまた女性プロデューサーです。
彼女は、お父さんが医学研究者で、生まれがドイツだということ。
お年は聞いていませんけれど、幼年の頃、日本を感じされるものは「日本航空」の飛行機とか、ジャルの支店に掲げられた鶴丸しかなかった、というところから、円が360円の時代だったと思われます。

そんな彼女が、本書に感動してくれて、企画を持って来てから、三年以上が経つでしょうか。

私が執筆に費やしたのが五年、その前の構想段階を含めたら、ほぼ10年がかり・・・。

その間には、取材に協力してくださった方でお亡くなりになった方も。。。。

だって、敗戦後6年の時に、紳士淑女だった方々ですから、取材の段階でも70ー90歳。

今はない銀座にあった日航ホテルが、創業時の本社でした。数年前に取り壊されてしまいましたね。
元は時計屋だった三階建。
社長室は畳敷きでした。
チェックインもここ。その時スチュワーデスも一緒で、ここからまだ羽田エアベースと言われた東京飛行場までバスで行くのエス。スチュワーデスの前に、バスガールをしていたと言ってもいいですね。そして、ホテルから運ばれて来たサンドイッチやッコーヒーを持って、タラップを上って行く。
そういう風景を知っている方は、どれくらいいるでしょう。

そういう私も、小型機の最後の世代を知っているくらいです。

さて、
今回、広瀬すずちゃんが演じるスチュワーデスは、私が取材したスチュワーデスの一人ではなく、そのスチュワーデス一期生の集合体ともいうべき人物になっています。
恋愛を描くのには、ヒロインをフィクション化しないと、ですね。

様々な一期生がいましたよ。

英語に熱心、極めて堪能で、のちに語学学校を創立した或る一期生。
「エアガール」募集の締め切りギリギリに願書を出した一期生。
新橋の小料理屋出身だった方。
赤坂の置屋にいた方。
さらに、さらに・・・。

様々なところから、一期生は集まって来て、いや、集めてこられた方もいました。


そして、私が描きたかったのは、松木役で登場する吉岡秀隆さん演じる松尾靜磨なのでした。
彼が白州二郎と丁々発止のやり取りをして、日本の民間航空の明日を築いたのです。
まさに「民間航空の父」なのです。
白州次郎も、これまで讃えられて来た人物ですが、私の本には適役として描きました。

そして、当時の世論もマスコミも、初めての民間人閣僚たる白州の立場を擁護しませんでした。
日本が敗戦から立ち直るために、日本人としての矜持を持った国民がほとんどでした。
あの時、もし松尾さんが頑張らなかったら・・・・。

今の日本の空はどうなっていたでしょうか。

何しろ、航空禁止令・・・つまり戦時に暴れまわって敵国を恐れさせた零戦の末裔たちの国の飛行機野郎がいるのです。それを恐れたアメリカの政策・・・そんな中で、ナショナルフラッグを立ち上げた人々の苦難と喜びを描いた本は、そのままそのエスプリをドラマに移しました。

どうぞお楽しみに!!





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