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「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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JCO臨界被曝事故数百人死亡虚偽情報は論外。放射性物質の内部被曝と放射線の外部被曝の違いは基本です。

2013-04-20 04:13:20 | 福島第一原発と放射能

【5/5(日)木下黄太講演+対話集会 IN松山】開催決定

『放射能被曝の真実と原発の再稼働問題』 

(開場13:30 開始14:00 終了予定16:00)

松山市男女共同参画推進センター 5F 大会議室(松山市三番町6丁目4番地20)

申込⇒http://kokucheese.com/event/index/86703/ 

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「(JCO臨界被曝事故)この事故で被爆してその後10年間で亡くなった人数は、数百名になってます」

こういう記述が、あるブログからの発信で、きのうツイッター上にこの情報が拡散して目を疑いました。こんな基本的に事実が明らかになっていることについて、虚偽の情報が平気で流れていくことに、僕はびっくりします。

これは、こうした情報を精査しない、彼方達の問題でもあります。

僕は、東海村のJCO臨界被曝事故には発生二時間後から現地に入り、二週間現地にいました。そのときの被曝が原因で、数百人が死んでいる状況があれば、もういろんな裁判や反対運動で話が何か出ます。僕は聞いたことがありません。当時、数週間単位で、いつづけた記者は殆どいません。僕はいましたから、WBCも受けて、当時の自分の被曝線量も知っています。政府推計が0.2ミリシーベルト程度。阪南中央病院などの反対側の推定でもその五倍、1ミリシーベルト程度です。

今回の福島の事故とまったく比較になりません。遥かに少ないです。

しかもあの時は放射性物質の放出はほぼありません。臨界がおき、放射線が出ただけです。放射線の外部被ばくは距離に関係します。中性子線が出ていたという危険はありましたが、それでも至近距離で、長時間照射を受けた人に大きな危険があるだけで、そうした人はごく少数です。

JCO事故の時に、周辺の民間人で発生源の転換試験棟に至近距離だったのは、大泉昭一さんご夫妻です。2011年に逝去されました。奥様は御存命です。JCOの転換試験棟は、構内の他の建物から離れていて、大泉さんの家が塀を挟んで反対側。実は、距離的には近かったのです。むしろ構内のほかの建物は、試験棟から遠いのです。大泉さんのご家族は健康被害を訴えていて、裁判で認められてはいませんが、健康被害としてカウントすべきと僕も思います。

仮に、大泉氏の逝去や、当時転換試験棟に近づいた処理チームの中で、この10年間の死亡があり得ても、最大数十人と思います(最大推定です。多分もっともっと少ない)。これを全て原発由来の死と無理やり定義づけても、それが限界です。JCOの当時東海村事業所にいたのはまず百人程度です。消防、警察、報道陣併せて数百人もいるかいないかです。このほとんどの人間は、大泉さんの建物よりも、転換試験棟から距離がある場所にいました。つまり、大泉さんよりも被曝は少ないです。この臨界では、発生直後が最も線量が高く、二時間後までが一定量、その後24時間でほぼ収まりました。

夕刻までに、政府が判断のない状態で、村上村長の判断で数キロ圏の村民が避難しています。ですから、相当な外部線量被曝をした村民の存在はかなりないのです(一般の村民では、大泉さんご家族が最も被曝しています)。

これは、当時ある大学教授が尿検査で、DNAの破壊程度を調べましたが、村民はほとんど平常値とおなじでした。

しかし、転換試験棟内で作業していた、大内さんや篠原さんは放射線で相当な外部被曝をされて、その後亡くなりました。もう一人の作業員の方は、扉一枚向こう側におられたのですが、被曝は相当したものの(彼の被ばく量が三番目です)、御存命の筈です。

しかもこの事故は、放射性物質が、事故の性格上、皆無とまでは言いませんが、殆ど出ていません。放射性物質の放出がほぼなかった事故で、放射線が原因で数百人死んでいることはありえません。一定の近い距離にいたのが、そもそもどんなに多くカウントしても数百人が最大数。数百人が死んでいるのが事実なら、この全員が死んでいることになります。しかし、そんな話は全く聞きません。あきらかに、嘘話です。まず、僕も死んでいる中にいないとなりませんし、僕が知っている数多くの人が死んでいないとなりませんが、死んでいません。

そもそも、放射性物質が拡散している話と、外部線量のみの話は根幹から違います。外部線量のみで死ぬのは、余程近距離で、高線量被曝した場合のみですし、一定期間低線量で浴び続けた場合に、その後どうなってくるのかと言うことです。今回の話は、どちらでもありません。放射線が出ていたのは一日で終わっているし、高線量は殆ど転換試験棟の建物内までです。そのうち三人のうち、1人が生きていらっしゃることを考えると何百人も死んでいることはありえません。

大内さんや篠原さんのそうした高線量被曝のやけど写真(極めて厳しい写真)を掲示して、「日立の人間が数百人死んだんだと言っている」というような虚偽話を拡散しているのは、相当悪質です。

このブログの筆者と、ずいぶん前に、一度電話で話したことがありますが、その時の話の感触と他の記事内容から、情報源として、僕には何の信頼感もありません。これを丸呑みして信じるのか???と思います。むしろ信じるネット読者の問題が大きいです。

これを信じた彼方達は、二年間、何にもきちんと勉強していない人が多数と実感しました。

恥ずかしいです。放射性物質と放射線の違い、頼むから、基本的な本でもよいから、もう一度確認して下さい。

JCOの事故は、頼むから、インターネットで基本的な検索くらいして、最低限の事実関係位、確認して下さい。

少し考えたら、違うと分かる話をこんなに簡単に騙されるのは恥ずかしいです。

「数百人は大袈裟かもしれませんが嘘の話ではない様な気がしますが…どうなんでしょうか?」こんなニュアンスが返ってきていて、僕の中では失望が深まります。頼むから、少しは考えて下さい。

本当に考えるのを、思考するのを止めている人が多い。それじゃ、ダメです。

こんなのでは、売名や違う目的での虚偽情報に、簡単にやられますよ。もう二年も経過しているのに。

頼むから、考えてくれ。頼むから。

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【5/3(祝)木下黄太講演会 IN徳島】 

 

『マスコミが報道できない西日本の真実』 

5/3(祝・金)  14:00~16:00(開場13:30)

とくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)4F会議室2

徳島市徳島町城内2番地1

申込→http://kokucheese.com/event/index/86370/

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「関東・南東北の被曝エリア(東京全域を含む大半のエリア)にいる皆さんは、放射性物質の少ないエリア、できれば愛知県から西のエリアに、移住するべきです。妊婦、子供、未成年、妊娠可能な女性は優先して移住すべきです。他の皆さんも極力移住してください。被曝から二年経過しています。初期被曝は深刻で、慢性被曝の影響でさらに蓄積します。食物、飲料のみならず、吸気による被曝は深刻です。回避する方法は限定的です。あなたやあなたの家族の命と健康が何よりも大切です。一刻も早く移住してください。」    

 健康被害相談などもまずはメールでお話し下さい。⇒  

  nagaikenji20070927@yahoo.co.jp(コピーして貼り付けて下さい)

 講演など、何か業務的な依頼をされたい方も原則このメール⇒電話でお話しする順番です。 

  事故発生当時の行動記録や数値データなどを細かく教えてください。問い合わせの内容も書いてください。 健康被害の状態を皆で共有化し、事態の推移をあきらかにしていく作業が最も必要です。

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17 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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視聴者はメディア・リテラシーを磨くべき (三四郎)
2013-04-20 05:32:31
政府やメディアが「放射能」「放射性物質」という言葉を使わず「放射線」という言葉ばかりを使いまくるので、福島在住の子どもでさえ「放射線が気になる」と言い、モニタリングの「今日の放射線量」ばかり気にする視聴者が多数いるような現状があるのも事実です。

どうやら一部のメディアの洗脳を受け続けている視聴者は「放射能」を何か「紫外線」か「レントゲン線」のように勘違いしている人(もしくは「電磁波」)が多いのではないかとすら懸念されます。

この言葉のトリックが「震災瓦礫の広域処理」をもくろんだ当事者らに利用されてきました。

しかし今福一原発から漏洩し、広域拡散しつづけているのは「放射線」ではなく「放射性物質」です。この基本的な違いすらも覆い隠す日本のメディアの洗脳というものは、いったいどこまで影響力を与えているのか、と同時に、少しでも調べればそのトリックがわかるように、視聴者側が徹底的に自らのメディア・リテラシーを磨くことが、今緊急に求められているはずです。
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電磁波攻撃?(核賛美推進派の秘密兵器ですか?) (徒然熊)
2013-04-20 09:05:19
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2013/04/post-2da4.html

 木下さんは、上記の方をご存知ですか?
今回の原発事故と例の震災瓦礫広域焼却処理に、かなり突っ込んだ記事を元に本を出版されようとしいている方なのですが、特殊な機械を使用した「電磁波攻撃」?
(この手の人身攻撃は状況証拠が残りにくいそうです。つまり暗殺用には持ってこいという訳)
を受けて、現在執筆活動を中断させられているとの事・・・。

 なんだか、SF漫画の様な話ですが、この方のメルアドに事の真相を問い合わせた所、本当に電磁波による見えない攻撃を受けているとの返信をいただきました!
 この方は元北海道新聞の記者だった様で、必死に集めた状況証拠を今後、警察署に提出されるそうです。
 「刃物」や「銃」による攻撃ではないので、ハッキリと目に見える傷害を負う訳ではありませんが、(この特殊な電磁波を受けると)「頭が熱くなり、集中力が低下して、呼吸も苦しくなる」・・・そうです。

 良心的なジャーナリストをこの様な卑劣な手で闇に葬ろうとする者どもは、現実に存在する様なので、用心しなければなりませんね!
 
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Unknown (九州です)
2013-04-20 09:59:33
昨日はホームセンターに行き、肥料など産地見ましたが、岩手、静岡もしくは国産表示のみでした。
苗は九州産があります。
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精神疾患 (木下黄太)
2013-04-20 13:05:53
電磁波攻撃をうけているとおっしゃる場合は、まず精神疾患を疑うべきです。
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Unknown (Unknown)
2013-04-20 17:27:51
木下さんへの誹謗中傷は無視です! 命の危険があるのに自分で考える力の無い人間こそ、精神が既に十分病んでいると思います。そんな人間が大多数で本当に信じられない現実です。 よく精神科医が精神病患者を診ていておかしくなる、ってお話がありますけど、こういうヤカラは木下さんの話の本意など、はなから聴く気が全く無く、(本当の事を知りたくないという人間のサガかも知れませんが)ただ単に、木下さんを潰す?事が目的ですから、彼らとは議論が成立するはずがありません。言葉を使う事に自信があるからこそ、そういう頭のおかしい人間の罠に泥沼にはまってしまい、思いの他、健全な心を消耗してしまうのです。まともに対処しようとすればするほど、本筋から話はずれてしまい、まるでアリ地獄の様にはまってしまうと思います。ですから、こういった変な人間には一切関わらないで、ひたすら無視すること、が鉄則だと思います。誰もがそのうち健康被害に悩まされる事になるような絶望的な日本なんですから。むしろ放射性物質による脳の障害が深刻化してゆき、木下さんに突っかかる哀れな人間がこれから増えて行くかもしれませんね。病は気からです、どうか、ご自愛ください。心から応援してます。
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わざとデマを流しているのでは? (ぽこぽこ太郎)
2013-04-20 17:47:11
もしかすると、次のような流れをつくるために、わざとデマを流しているのではないかと思うのです。

(1).「JCO臨界被曝事故で沢山の人が死んでいるらしいよ」
(2).「東海村の事故で沢山の人が死んでるなら、福島もやばいよね」
(3).「JCO臨界被曝事故で死んでいるという話『デマ』なんだって」
(4)-【注意!!】(今年末頃~来年中)実際に福島で健康被害が拡大する
(5).「福島で健康被害があるという噂あるけど、またきっと『デマ』だよね、東海村のデマと一緒で」(思考停止状態)

誰かが、このような情報を撹乱させるために仕組んだ可能性があります。これから益々、同様に情報を混乱させるような情報が増えてくるのではないかと思います。
原発事故がら2年以上経った今でも内部被曝と外部被爆の違いの認識すら低いのが、いまの日本の現状のようです。

ネットの情報は、はやいかもしれませんが細切れになっている場合が多いので、やはり自分で本を読んで調べることは大切だと、私も思っていります。
ただ地元の図書館でも、くだらない新刊本には「予約待ち」が10人以上になっているのに対して、肥田舜太郎さんの『内部被曝の脅威』や、高木仁三郎さんの『食卓にあがった放射能』(旧題『食卓にあがった死の灰』)のような、いまこそ読むべき本が、本棚の片隅で読み手がないまま埃をかぶっているのが現実です。
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Unknown (yaeko)
2013-04-20 17:53:54
3,11後すぐに宇治へきて何ヶ所かのホームセンターを見て歩いたら置いてある土、肥料が宮城、栃木産がほとんどでかろうじて岡山産の土と腐葉土がありましたが値段はどちらも若干たかめで今もそれは変りません狭い日本で汚染を完全に避けることは無理なんだとつくづく感じました。あなた任せではなく自分で作ることを真剣に考える時期に来ているいるんだと思いました
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恐怖の洗脳プログラム プロジェクトK (Unknown)
2013-04-20 18:08:34
プロジェクトK (wikiより
特定非営利活動法人プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)とは、日本の特定非 営利活動法人(NPO法人)。霞ヶ関の構造改革を目指す国家公務員を中心に結成され た団体。2003年9月に最初の会合を開き、2005年12月に自らの提案する改革案を ...

宮崎、日南市長選挙の真実を調べるうちに見つけました

この新人君が、このプロジェクトの参加者であり、
佐賀武雄市長の樋渡、その他何人もこのプロジェクト
への参加者が、選挙で不可解な大勝をしていることを。

マスゴミ、犬〇Kによる宣伝番組、
市民派であるかのような嘘報道。みな同じです。
そして、地元では橋下のような独裁独断の市民無視の
補助金や地方の財産を食い荒らす政策。

初めに変だと思ったのは、投票率。
衆院選と同じく、午後3時ごろまで低い投票率。
それが、間際になって60%台に
新人候補の不可解な急な得票の伸び。

当選時のマスゴミ・ネットでの嘘報道。
地盤のない新人が無党派の支持を集め当選!!」
「自民大敗!!」の大合唱に非常に驚いた。

投票したはずの無党派層は、誰も投票していないし、
選挙前に見たこともない。
みな結果に首をかしげる状態。

現市長は無党派、
地元企業の支援さえ受けない人で、原発絶対反対。
利権や補助金からの脱出を訴えてる。
本当に無所属で利権からもっとも遠い人で、市政は
上向いて来ているところだった。
原発避難者の会も支持を表明していた。


対する新人君は、
自民や維新系の議員、有力者の手厚い支援を受け、
選挙戦は、企業経営者や地元有力者へのあいさつ回り、県職だった時のコネで、各種会議で講演・演説。
従来型自民の選挙活動で、組織票のみの人。
野田ブーよろしく辻立ちしたが、現役有権者に公に
意見を表明したことはない。(多くは顔も知らなかった
わずかに有力者に集めてもらった老人に講演しただけ
(質問を受け付けるような対話はなし。)

原発容認派であることは、一切表明していない。
政策についての説明が一切ないまま(選挙後も沈黙)、
選挙後、メールやブログで尋ねたが、返事なし。
すべてブラックボックス状態。すごく怖いです。

正反対の報道に
福島からの避難者の方は相当傷ついたとおもいます。

とにかく、このプロジェクトKの参加者は、
市民の方を全く見ていない。だから市民に説明もなし
嘘の売りこみで当選し、勝手な市政をする。
それを悪いことと思わなくなっているのです。

総務省・内閣府が始めたこのプロジェクトは、
これから本当の大人になっていく若者に、
エリート意識を植え付け、霞が関と若者だけが偉いと、
誤った思想を植え付け、地元の大人達をバカにし大人
の意見を無視する様に洗脳していきます。

そして、独善的になり、孤立する彼らはますます洗脳
されていきます。国が関係しているので、テレビを使った
持ち上げ、対立候補への妨害もマスコミぐるみでやってきます。(新聞社が現市長事務所の連絡先も教えない。
このプロジェクトは恐ろしいものです。
地元愛のある若者を利権大好き、嘘つきの地元を
破壊する者に変えてしまうのです。

次回実際の手口を書こうとおもいます。
(崎田 恭平のブログでその卑劣な課程が見れます
 見るの大変ですが、私は目がはなせなくなりました。
 あまりに酷いです。
返信する
微妙な?・・・ (徒然熊)
2013-04-20 19:10:56
 う~ん、警察に証拠を提出しに行かれた・・・と本人は言ってるので、事件として認められた場合jは・・・という感じでしょうか。
今後も行方を見ていこうと思います。
返信する
蓮舫が子供を海外に (nan)
2013-04-20 19:22:03
蓮舫 @renho_sha 4月13日
「たくさんの友人に見送られ、娘は自分の決めた道への第一歩を、成田空港から歩き出しました。豪州へ。
親は何時も心配しかできない。でも、変わらないのは、子どもの歩く道に光があるように、との想い。娘に幸あれ、との祈り。」                


福島の郡山では白血病で女子中学生が亡くなり、10人が甲状腺がん。

どう思っているのか。
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