後篇あい・みゆき著「祖谷渓挽歌~時の流れに」関連事項10年5月7日(金曜)後篇・
植草一秀の『知られざる真実』
マスコミの伝えない政治・社会・株式の真実・真相・深層を植草一秀が斬る
« 地元住民基地拒絶は海外移設決着への一里塚 | トップページ
2010年5月 6日 (木)
普天間問題核心は抑止力ではなく交渉力にあり
1853年と54年に黒船で幕末日本に来航したマシュー・ガルブレイス・ペリー提督。ペリー提督は米国東インド艦隊総司令官で艦隊の軍事力を背景に徳川幕府に日本開国を要求した。
『ペリー提督日本遠征日記』に以下の記述がある。
「何があってもがんばりとおすことがいちばんの上策と思えた。くみしやすいと侮られるより、融通のきかない頑固者を演じるほうがよい。向こうがどんな印象を抱くかによって、あるていど交渉の行方は決まるのだ。今後の成り行きを見れば、私の考えが正しかったことがわかるにちがいない。」
米国は麻生政権と合意を成立させたことを盾にとって、「融通のきかない頑固者」を演じている。
辺野古の海岸滑走路建設から一文たりとも値引きは認めない構えなのだ。
百戦錬磨の米国と交渉するのであるから、日本サイドには綿密な計算、高度の交渉力、迅速な対応が不可欠である。
中期的に駐留米軍を日本が認めたまま進むのか。駐留なき安全保障体制を構築するのか。極めて重要な問題が存在する。
普天間基地移設問題を米軍駐留問題と直結させることを、優れた戦術と思わないが、鳩山総理は普天間基地移設問題に関連して「最低でも県外」の方針を明示した。
普天間問題を契機に駐留米軍問題を考察するなら、日本の主権者である地域住民の生の声を最大限に尊重するアプローチを採用するべきである。
米国は米軍駐留について、地元住民の賛同を必要とすることを明示している。この点について言えば、麻生政権時代と現時点では状況が大きく変化した。
辺野古地区を地域内に持つ沖縄県名護市長選で、海上のみならず陸上部を含めて基地新設を断固拒否することを公約に掲げた市長が誕生したのである。
鳩山政権が民意を尊重するのなら、名護市長選で示された民意を尊重しないわけにはいかない。
極東の安全を確保するために、沖縄に海兵隊が駐留することが重要な「抑止力」になることが強調されるが、「抑止力」は絶対の存在ではない。あくまでも「相対的」なものである。(以下略・植草氏の本文をどうぞ)
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植草一秀の『知られざる真実』
マスコミの伝えない政治・社会・株式の真実・真相・深層を植草一秀が斬る
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2010年5月 6日 (木)
普天間問題核心は抑止力ではなく交渉力にあり
1853年と54年に黒船で幕末日本に来航したマシュー・ガルブレイス・ペリー提督。ペリー提督は米国東インド艦隊総司令官で艦隊の軍事力を背景に徳川幕府に日本開国を要求した。
『ペリー提督日本遠征日記』に以下の記述がある。
「何があってもがんばりとおすことがいちばんの上策と思えた。くみしやすいと侮られるより、融通のきかない頑固者を演じるほうがよい。向こうがどんな印象を抱くかによって、あるていど交渉の行方は決まるのだ。今後の成り行きを見れば、私の考えが正しかったことがわかるにちがいない。」
米国は麻生政権と合意を成立させたことを盾にとって、「融通のきかない頑固者」を演じている。
辺野古の海岸滑走路建設から一文たりとも値引きは認めない構えなのだ。
百戦錬磨の米国と交渉するのであるから、日本サイドには綿密な計算、高度の交渉力、迅速な対応が不可欠である。
中期的に駐留米軍を日本が認めたまま進むのか。駐留なき安全保障体制を構築するのか。極めて重要な問題が存在する。
普天間基地移設問題を米軍駐留問題と直結させることを、優れた戦術と思わないが、鳩山総理は普天間基地移設問題に関連して「最低でも県外」の方針を明示した。
普天間問題を契機に駐留米軍問題を考察するなら、日本の主権者である地域住民の生の声を最大限に尊重するアプローチを採用するべきである。
米国は米軍駐留について、地元住民の賛同を必要とすることを明示している。この点について言えば、麻生政権時代と現時点では状況が大きく変化した。
辺野古地区を地域内に持つ沖縄県名護市長選で、海上のみならず陸上部を含めて基地新設を断固拒否することを公約に掲げた市長が誕生したのである。
鳩山政権が民意を尊重するのなら、名護市長選で示された民意を尊重しないわけにはいかない。
極東の安全を確保するために、沖縄に海兵隊が駐留することが重要な「抑止力」になることが強調されるが、「抑止力」は絶対の存在ではない。あくまでも「相対的」なものである。(以下略・植草氏の本文をどうぞ)
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