飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
古代から近代へと時空を越えた旅をします。
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万葉アルバム(関東):群馬、伊香保 伊香保ろの・・・伊香保神社

2011年10月03日 | 万葉アルバム(関東)

伊香保ろの 夜左可(やさか)の井手(ゐで)に 立つ虹(のじ)の
顕(あらは)ろまでも さ寝をさ寝てば
    =巻14-3414 作者未詳=


 伊香保の高い井堰の上に現れる虹がはっきりと見えるように、人目につくまで一緒に寝ていられたらなぁ。という意味。
かなり露骨でエロっぽい歌であるが、民謡的で素朴さが感じられる。

「伊香保(いかほ)ろ」は群馬県の榛名山周辺をさす。「夜左可(やさか)」は地名であろうが、所在不明。「井手(ゐで)」は水をせき止める設備。「虹(のじ)」はニジの上代東国方言。

この万葉歌は伊香保に3基も建っている。(水沢観音駐車場、水沢観音植物園、伊香保神社)水沢2基は万葉仮名、伊香保神社は楷書表記である。

この万葉歌碑は伊香保神社に建っているものである。
このような男女の愛情表現の歌の碑がこの神社にあるのは、なんだか腑に落ちないが、子宝の神を祭っているのだから、良しとしたい。

伊香保神社は伊香保温泉の石段街の最上部に鎮座しており、温泉と子宝の神を祭っている。富岡の貫前神社、赤城の赤城神社とともに上野国三之宮とされる由緒ある神社である。境内は思ったより狭く、本殿や拝殿は簡素な佇まいになっている。