飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
古代から近代へと時空を越えた旅をします。
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万葉アルバム(中部):高岡、二上山

2009年05月05日 | 万葉アルバム(中部)

玉くしげニ上山(ふたがみやま)に鳴く鳥の
声の恋しき時は来にけり
   =巻17-3987 大伴家持=


二上山に鳴く鶯の声が恋しくてならない時が、とうとう今年もやってきた、という意味。

二上山は越中国庁があった付近の小高い山で高岡市内から望むことができる。
「玉くしげ」は二上山にかかる枕詞。

大伴家持は29歳で越中守として単身赴任する。
一年後の30歳の時に、越中の二上山に春が近づくのを見ると、
なつかしい故郷大和から望んだ大和の二上山を思い出し、
置いてきた妻大嬢を恋しく思って歌ったのであろう。