「旅の夜風」は、1938年(昭和13年)9月10日に、「悲しき子守唄」とのカップリングでコロムビアレコードから発売された。松竹映画「愛染かつら」の主題歌でもあり、当時としては80万枚を超す驚異的なヒットを飛ばした歌であった。
映画の中で、タイトルバックや、田中絹代演じるヒロインの高石かつ枝が新橋駅のプラットホームに駆けつけ、上原謙演じる恋人の津村浩三の後を追って京都へ行くも会うことが出来ずに、悄然と京都の町を歩くシーンなどで流された。
歌は霧島昇、ミス・コロムビア。なお、戦後に藤原良・高石かつ枝、神戸一郎・青山和子の各コンビでカバーされた。
「愛染かつら」という名前の由来は、長野県別所温泉の奥に北向観音という古刹があり、その境内に、愛染明王堂と並んでカツラの巨木が立っていて、川口松太郎は、別所温泉に逗留していたとき、この木を見て「愛染かつら」という言葉を思いつき、恋物語の想を得たとされている。
私は「旅の夜風」の冒頭の伴奏部分が大好きで、マーチ風の溌剌とした元気の良いところが、当時の世相を活気づかせるのに一役かっていたように思う。
(映画「愛染かつら」より、上原謙と田中絹代)
霧島昇、ミス・コロムビア 字幕歌詞付。
映画「愛染かつら」より
旅の夜風
作詞西條八十 作曲万城目正
1 花も嵐も踏み越えて
行くが男の生きる途(みち)
泣いてくれるな ほろほろ鳥よ
月の比叡(ひえい)を独(ひと)り行く
2 優しかの君ただ独り
発(た)たせまつりし旅の空
可愛い子供は女の生命(いのち)
なぜに淋しい子守唄
3 加茂の河原に秋長(た)けて
肌に夜風が沁みわたる
男柳がなに泣くものか
風に揺れるは影ばかり
4 愛の山河(やまかわ)雲幾重(くもいくえ)
心ごころを隔てても
待てば来る来る愛染かつら
やがて芽をふく春が来る
映画の中で、タイトルバックや、田中絹代演じるヒロインの高石かつ枝が新橋駅のプラットホームに駆けつけ、上原謙演じる恋人の津村浩三の後を追って京都へ行くも会うことが出来ずに、悄然と京都の町を歩くシーンなどで流された。
歌は霧島昇、ミス・コロムビア。なお、戦後に藤原良・高石かつ枝、神戸一郎・青山和子の各コンビでカバーされた。
「愛染かつら」という名前の由来は、長野県別所温泉の奥に北向観音という古刹があり、その境内に、愛染明王堂と並んでカツラの巨木が立っていて、川口松太郎は、別所温泉に逗留していたとき、この木を見て「愛染かつら」という言葉を思いつき、恋物語の想を得たとされている。
私は「旅の夜風」の冒頭の伴奏部分が大好きで、マーチ風の溌剌とした元気の良いところが、当時の世相を活気づかせるのに一役かっていたように思う。
(映画「愛染かつら」より、上原謙と田中絹代)
霧島昇、ミス・コロムビア 字幕歌詞付。
映画「愛染かつら」より
旅の夜風
作詞西條八十 作曲万城目正
1 花も嵐も踏み越えて
行くが男の生きる途(みち)
泣いてくれるな ほろほろ鳥よ
月の比叡(ひえい)を独(ひと)り行く
2 優しかの君ただ独り
発(た)たせまつりし旅の空
可愛い子供は女の生命(いのち)
なぜに淋しい子守唄
3 加茂の河原に秋長(た)けて
肌に夜風が沁みわたる
男柳がなに泣くものか
風に揺れるは影ばかり
4 愛の山河(やまかわ)雲幾重(くもいくえ)
心ごころを隔てても
待てば来る来る愛染かつら
やがて芽をふく春が来る