【180ページ】「彼らの抵抗も増大し」、つまり労働者の抵抗力も増大し、「それにともないこの抵抗を押さえ込もうとする資本家の圧力も必然的に増大する」
働いている労働者の数が増えれば増えるほど、労働者がまとまりやすくなる。まとまって団結するってことは、労働組合をつくるってことだ。
みんなで労働組合をつくって、「給料上げろ、労働条件よくしろ」と、だんだん言いやすくなる。それだけ抵抗が増大する。そうなると資本家は資本家で、それを押さえ込もうと必死になるっていうことだ。
【190ページ】 機械がないころ、重い荷物を運んだりするには、ものすごく強い力が必要だ。大人の男にしかできない労働が多かった。機械が導入されて、ベルトコンベヤーで運ばれてくるものに部品をつけるぐらいだったら、大人の男じゃなくたって、できるでしょう。力があまりない女性だって、あるいは、8歳から10歳くらいの子どもだって働けるようになるじゃないか。
つまりこうやって機械が導入されると、女性や児童が働かされるようになったということです。
[ken] 180ページの事例をあげれば、1973春闘と1974春闘の妥結額をピークに、経営側の危機意識から資本家の一致団結した圧力が強まり、その後の低成長時代を背景に労働側の「冬の時代」を迎えることになりました。
(年)賃上げ率 妥結額(円) 完全失業率 実質賃金上昇率
1973 20.1% 15,159 1.3% 8.7%
1974 32.9% 28,981 1.4% 2.2%
思い返せば、1973~1974年当時、私は都内で大学生活を過ごしていましたが、連日マスコミをにぎわし、果敢に闘っている人たちへ声援を送っていた記憶があります。労働側の必死さが経営側の必死さに勝っていた時代があったのですね。2017年現在は、4年連続の官製春闘と呼ばれるように、安倍首相(政府)の必死さが経営側を説き伏せる環境にありますが、そろそろ労働側の必死さの見せ時だと思いますし、とくに非正規労働者の条件向上は待ったなしですね。また、190ページの記述については労働力不足が現実となり、「総活躍社会」の美名の下に女性を労働力市場に駆り出す動きが強まっていますね。(つづく)