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京阪電気鉄道 7000系電車

2010-12-12 20:56:09 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
鴨東線(三条~出町柳間)開業用の増備車両として登場したものである。
平成元年(昭和64年)~平成5年にかけて7両編成×4本=28両が製造された。
製造メーカーは川崎重工である。
なお、7000系として製造されたのは25両で残りの3両は6000系VVVF制御試作車の
6014+6514+6114(昭和63年製造)を編入したものである。
編成の組み方と構成形式は、京都方面から以下の通り。

7000形+7500形+7600形+7100(7150番台)形+7600(7650番台)形+7500(7550番台)形※
※+7000(7050)形

電動車は7000形、7100形50番台、7000形50番台で残りは付随車である。
7600形と7100形は、各々の連結面に簡易運転台を設置しており、工場での
検査時などは3両と4両に分割できる。
補助電源装置(静止型インバータ)は7500形と7600形50番台に、空気圧縮機は
7000形、7600形、7000形50番台にそれぞれ装置されている。

車体はアルミ製で基本デザインは6000系のものを踏襲している。
正面は左半分を貫通扉としたスタイルを引き続き採用し、印象もそれほど
変わらないが、6000系は窓の部分が傾斜しているのに対し、
本形式は乗務員室のスペース拡大のため、垂直になっている。
また、車番や社章がステンレス製になり、無塗装化が図られている。
塗装は従来の京阪の通勤電車色の上半分がグリーン、下半分がダークグリーンの
ツートンカラーである。
京阪では沿線のイベントなどに合わせてラッピング電車を走らせることがあるが、
本形式はそれに使用される機会が多く、全ての編成で1度は経験している。
行き先表示と種別表示は正面と側面にあり、いずれも字幕式である。

車内は6000系に準じたオールロングシートで、シートモケットの色はダークグリーンで
あった。
座席仕切りの形状が6000系から変更された他、車端部と座席仕切りにもモケットが
貼られている。
側面窓は一段下降式で、ドアは片側3箇所、全て両引き戸である。

主制御装置はGTO方式のVVVFインバータ制御で、京阪の通勤形電車で、量産車に
採用したのは初めてである。
ブレーキは回生ブレーキ付き電気指令式空気ブレーキである。
台車はダイレクトマウント式空気バネ台車で軸ばね支持方式は電動車がモノリンク式、
付随車がSUミンデン方式となっている。
電動機出力は1個当たり200kwで当時のVVVF制御車の中では最大出力を誇った。
この出力を活かし、編成中の電動車を7両編成中3両に減らすことが出来た。
運転台はツーハンドル式である。

登場時は第1、2編成が7600形を組み込まない6両編成、第3編成が7600形、
7100形(7150番台)、7600形(7650番台)を組み込まない4両編成であった。
第1・2編成は京阪本線、第3編成は宇治線などの支線で運用された。
なお、第2編成組み込みの7552号車(京都側から6両目に連結)は車内の製造プレートが
「川崎重工・昭和64年」となっている(車外設置のものは「平成元年」)。
第3編成は7153号+7653号を組み込んで平成3年に6両編成化され、翌年には7601~
7603号車が新造され、全車が7両編成になった。
平成5年に編成中の制御方式を統一するため、6000系のVVVFインバータ制御装置
試作車である6014+6614+6114を7004+7504+7104に改番の上、編入して残り4両を
追加新造して第4編成が登場している。
一方の6000系14編成にも、この3両の穴埋めのため、本形式と同じ車体に
6000系の機器を取り付けた2代目を製造している。

平成14年に連結部への転落防止用の外幌が設置された他、平成17年~20年にかけて
バリアフリー対応改造工事が行われた。
主な内容はドアチャイム設置(開閉サイン及び停車中の誘導サインも鳴動可能)、
ドア上への旅客案内装置設置(LEDスクロール式。左右交互配置)、
車椅子スペース設置と通話式非常通報装置設置、座席モケット張り替え(グリーン→
紺色)などである。
平成21年からは中之島線開通を契機に導入された新塗装への変更が開始された他、
防護無線機と無線式列車番号設定機、GPS式運転状況記録装置設置などの改造も
開始されている。

運用は第3編成が、かつて宇治線で運用されていた以外、京阪本線・中之島線での
運行が中心である。
7両編成なので特急や快速急行には就かない(特急が7連だった時は就いていた)が、
区間急行、準急、普通列車を中心に運用される。


○車内。バリアフリー対応化後のもの。後継の7200系や10000系と同等のものに
 なっている。


○新塗装車の7002編成(左)とラッピング車の7001編成(右)。
 現在、通勤型の8両編成が日中に出町柳まで顔を出す機会が減っており、
 7両編成の本形式がラッピング車にされることが多い。
 旧塗装はタイトル写真参照。なお、この7003編成では車体ナンバーや
 旧社章のステッカー化が実施されている。


○手前の3両が元6000系第14編成だった7004編成。反対側は普通の7000系の
 車体を有する。窓枠の構造の差から側面からでも判別しやすい。


○逆に7000系並の車体を持つ現在の6000系第14編成。今年新塗装化されたばかり。


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