水の丘交通公園

鉄道メインの乗り物図鑑です。
※禁無断転載!使用に際してはコメント欄にて
用途を申告してください。

今日の1枚:都営10ー300形と京王9000系

2010-08-31 18:03:10 | 今日の1枚
今月も終わりですね。暑さは続くようですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、最近、めっきり遠出してないですね。
出掛けたと言えば、中央線快速を立川まで寝過ごして乗りに行った
多摩都市モノレール、サハ8564と都営新宿線の10ー300形の10連車目当てに
京王線笹塚駅に通ったくらい。

というわけで、来月久々に出掛けてきます。
行き先は青森と函館。津軽鉄道、弘南鉄道、十和田観光電鉄と
特急「つがる」、快速「リゾートしらかみ」を楽しみ、青函連絡船を偲ぶ旅に
しようと思ってます。
特急「つがる」は12月の東北新幹線新青森開業で廃止が確定。
「リゾートしらかみ」も最初に投入された「青池」編成が新型ハイブリッド車に
置き換え予定。
弘南鉄道も元東急6000系がいる大鰐線の廃止が検討されるなど
今のうちに見ておかないといけない場所が多くて。

とりあえず、明日、夜勤明けでどこか行こうかな~。

阪急電鉄 3300系電車

2010-08-29 14:52:04 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
京都線・千里線と大阪市営地下鉄堺筋線の直通運転開始に伴い登場した車両である。
昭和42年~44年までに120両、昭和54年に中間車6両が製造され、全部で126両が
製造された。
製造メーカーはナニワ工機である。
編成の組み方は現行のものだけで14パターンもあるので割愛するが、
構成形式は以下の通りとなる。

3300形:大阪側に運転室のある制御電動車。一部は中間化されている。
 他の電動車とユニットを組む。

3400形:京都側に運転室のある制御電動車。3300形とユニットを組む。
 ほぼ全て中間化されている。

3800形:中間電動車。3300形とユニットを組む。

3350形:京都側に運転室のある制御車。一部中間化されている。

3850形:中間付随車。製造当初からの付随車。

3950形:中間付随車で車体が5300系並になった増備車。

車体は普通鋼鉄製で同時期に製造された5000系のものに準拠しているが、
寸法を「民営鉄道標準車体」に批准させた関係で神宝線よりも車体の幅が
大きくなってしまい、入線できない。
正面デザインは2000系以降のものに向かって左側の窓上に小型の行き先表示器を
設置したもので、現在の能勢電鉄の1500系や1700系電車のような顔付きであった。
行き先表示は字幕式である。
なお、この行き先表示は各駅停車でのみ使用され、優等列車で使用される際には
旧来通りの円形札を正面に掲出する方式であった。

車内はオールロングシートでこれまでの車両との差は少ない。
冷房は当初は装備されず、ファンデリアを設置した。
窓は一段下降窓でドアは片側3箇所、全て両引き戸である。

主制御装置は抵抗制御でブレーキは発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキである。
台車はダイレクトマウント式の空気バネ台車で阪急では初めて空気バネ台車を
標準装備とした。
駆動方式は中空軸平行カルダン方式である。
地下区間での故障車の推進運転が可能なように1編成あたりの電動車の比率を
高めた分、モーター1基あたりの出力を抑えている。
定格速度も京都線の車両としては低めだが、制御器の弱め界磁制御領域を大きくとったため、
高速運転も可能である。

堺筋線との直通の詳細が確定前であったため、とりあえず、本線向けに投入された。
大阪万博への観客輸送の関係もあって、製造が急がれ、昭和44年までに120両が
投入された。

昭和54年には堺筋線直通列車で5両で使用されていたものを6両編成化するため、
付随車の3950形が追加で製造された。
車体は当時製造されていた5300系に準じたものとなり、当初から冷房装置の搭載を
考慮した設計となった。
既に通勤形電車の冷房化が開始されていた中、大阪市が車両の冷房化に消極的だったため、
本形式の冷房化改造は遅れた。
このため、敢えて3950形は冷房無しで製造されている。

冷房化は昭和56年より開始され、同時に先頭に出ている車両の正面への標識灯増設と
行き先表示機の増設、側面への行き先表示の追加などの改造が行われ、
ほぼ現在の姿になった。
この時、編成の中間に入っていた先頭車の大半が運転室が撤去された。
長く堺筋線直通列車と本線の普通列車に6連で使用されてきたが、平成元年に堺筋線
直通列車の8連化が実施されたため、本形式も一部が8連になった。
この8連化で久々に急行運用に就くようになったほか、特急の増発でロングシート車が
使用される特急にも使用されるようになった。
平成15年から2300系の7両編成車の置き換えのため、本形式から組み換えで7両編成が
登場している。

8両編成のものには一部であるがリニューアル改造を同年より開始している。
内容はドアを窓が縦に長いものに交換、冷房装置の交換、LEDスクロール式旅客案内装置の
ドア両脇への設置、ドアチャイムの設置、化粧板を色の濃いマホガニー調のものに交換、
標識灯のLED化などである。

現在は8両編成×12本と7両編成×4本に使用休止中の車両が2両で最も古い車両で
製造後40年以上を経過している現在でも廃車が発生せず、京都線最大勢力を誇る。
8両編成のうち3本は2両+6両に分割可能で6両側を混雑時の嵐山線に入線させることも
可能である。
特急運用は最高運転速度が115km/hに引き上げられた関係で入らなくなったが、京都本線の
準急や各駅停車、堺筋線直通列車で引き続き使用されている。


○十三で顔を並べる3300系。現在でも京都線の主力車。この写真はやや古いもので
 京都線に「急行」は平成22年現在存在しない。


○リニューアル改造を受けた編成。標識灯と冷房装置に特徴がある。

相模鉄道 10000系電車

2010-08-28 21:58:46 | 電車図鑑・私鉄電車(関東)
老朽化の進んだ新6000系や7000系、機器の特殊な2100系や5000系の置き換えのために
導入された車両である。
平成13年~18年にかけて10両編成×3本=30両と8両編成×5本=40両の計8編成70両が
製造された。
製造メーカーは東急車輛とJR東日本新津車両製作所で、新津では初めての外注車となった。
編成の組み方は横浜側から順に以下の通りである。

・10両編成
クハ10700+モハ10200+モハ10100+サハ10600+モハ10300+サハ10600+サハ10600+※
※+モハ10200+モハ10100+クハ10500

・8両編成
クハ10700+モハ10200+モハ10100+サハ10600+サハ10600+モハ10200+モハ10100+クハ10500

電動車はモハ10100、モハ10200、モハ10300でモハ10100とモハ10200は互いにユニットを
組み、モハ10300はユニットを組まない単独電動車で10両編成にのみ連結される。
なお、10400番台は欠番である。

車体は相鉄で初めてのオールステンレス製で大手私鉄の電車として初めてJR東日本の
E231系準拠の設計を採り入れた。
大手私鉄では基本的にオーダーメードの車両を導入することが常識であったが、
本形式ではE231系という大グループと共通設計の車体や機器などを採用することで
大幅な製造コストのダウンを図るだけでなく、共通部品の量産化による部品ストックの
確保、部品そのものの値下げなどメンテナンスコストのダウンも実現した。
これらの取り組みは製造元の東急車輛の斡旋もあって、東急5000系シリーズや都営地下鉄
10-300形、南海電鉄8000系などに波及していった。

正面は非貫通で曲線状のFRP製のカバーを装着することで独自性をアピールしている。
帯色は先頭側面から幕板にかけてがピッコリグリーン、ドアの下部にラインを合わせて
サフランイエローの細帯がはいるものであったが平成19年までにグリーンの部分を
相鉄ブルー、イエローの部分を相鉄オレンジに変更している。
行き先表示は正面と側面にあり、いずれもLED方式である。

車内はロングシートでE231系そのものの蹴り込み板がない片持ち式のバケットシートを
採用している。
モケットの色は赤紫で座り心地は硬い。
内装材は初期の車両ではFRP形成物を多用していたが、韓国で発生した地下鉄放火事件を
受けて空調の吹き出し口などに金属パーツを使うようになり、後期の車両では
FRP製の部品を使用していた内装材はアルミ合金に切り替えられた。
側面窓は一部固定の一段下降式で相鉄伝統のパワーウインドウは廃止された。
ドアは片側4箇所で全て両引き戸である。
各ドアの上にはLEDスクロール式の旅客案内装置とドアチャイムが設置されている。

主制御装置はIGBT式のVVVFインバータ制御装置でブレーキは回生ブレーキ併用
電気指令ブレーキである。
IGBT式のVVVFインバータ制御は相鉄で初めての採用で回生ブレーキは10705編成から
停車直前まで回生ブレーキを使用可能な全電気ブレーキ対応である(初期車も改造済み)。
ブレーキには非常連結用の電磁直通ブレーキ対応の読み替え装置も有する。
駆動方式はTD平行カルダン駆動方式で相鉄で長らく採用され続けてきた直角カルダン
駆動からの脱却を図った。
台車は空気バネ式ボルスタレス台車で相鉄独自の形式を持つもののE231系と共通の
ものである。
なお、オリジナルのE231系では電動車の比率を10両編成中4両で運用可能であるが、
在来車並の加速性能を確保するためと、走行性能を10両編成と8両編成で揃えるため、
10両編成には単独の電動車であるモハ10300を連結し、10両中半分の5両が電動車という
編成を組んでいる。
運転台は左手操作式のワンハンドルマスコンでTIMS(列車情報管理システム)を
相鉄で初めて搭載している。
この装置は車両のあらゆる情報のほか、車内の混雑状況に応じた空調制御までできる
大規模コンピューターで、機器本体は先頭車床下に搭載され、モニタリング装置が
運転台にある。
また、運転台には保安装置としてEB装置という運転士が何らかの異常で1分以上、
機器の操作をしないと警告を発し、それにも従わないと自動的に非常ブレーキがかかる
装置を搭載している。
信号系の保安装置は相鉄式のATSを搭載しているが、JRとの直通計画があるため、
JR方式のATSへの交換が開始されている。

本形式は最初の2本が10両で、その後は平成16年まで8両編成が増備されている。
翌17年度には製造はなく、平成18年に事故廃車となった8000系10両編成の補充のため、
久々の10両編成が1本製造された。
以降はJR東日本E233系をベースにした11000系に切り替えられた。
現在、10両編成は本線の急行やいずみ野線の快速、8両編成は本線やいずみ野線の
普通列車を中心に運用されている。

阪神電気鉄道 9300系電車

2010-08-26 21:50:54 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
平成10年より運行を開始した阪神梅田から神戸高速鉄道を介し、山陽電鉄姫路までを結ぶ
直通特急に使用される車両の接客設備向上のために登場した車両である。
平成13年~15年の間に6両編成×3本=18両が製造された。
製造メーカーは武庫川車両工業で本形式の最終編成は同社が最後に製造した車両となった。

編成の組み方は阪神梅田側から順に以下の通りである。

9500(奇数)+9300(奇)+9400(奇)+9400(偶数)+9300(偶)+9500(偶)

梅田側と元町側で3両ずつのユニットを背中合わせに連結したもので、
梅田側3両が奇数車のみで、元町側3両が偶数車のみで構成される。
6両編成のうち両端の先頭車はモーター無し、中間車は全てモーター付である。

車体は普通鋼鉄製で9000系で採用されたステンレス車体については採用しなかった。
これは9000系が、あくまで阪神大震災からの復興のための車両であり、当時の阪神としては
鋼鉄製車両の方が主流であるという判断からである。
基本デザインは8000系後期型と同じだが、前面部分を3つ折れとし、標識灯周りをさらに
三角状に切り落としたスピード感を強調したものとなった。

塗装は上半分がプレスト・オレンジ、下半分がホワイトに近いグレーで
窓枠をブラックとしたものを新規に採用した。
プレストとは楽譜記号で「極めて速く演奏せよ」を意味するプレスト(Presto)から
とったものである。
しかし、色の組み合わせが阪神タイガースの長年の仇敵、読売巨人軍を思い起こさせる
ものとしてファンのみならず、株主総会で問題になるほどの物議を醸した。
なお、ファンの一部からは皮肉をこめて「ジャビット(読売巨人軍のマスコットキャラ)
カラー」と呼ばれることもある。
行き先表示と種別表示はしょうめんとそくめんにあり、どちらも字幕式である。

車内は先頭車両がオールロングシート、中間車は車端部がロングシート、各扉間が
転換クロスシート(扉付近固定)のセミクロスシートとなっている。
阪神の電車でクロスシートを採用したのは阪神の急行用電車、すなわち赤胴車の
嚆矢となった3011形電車以来、46年ぶりのことである。

この3011形は昭和29年に登場し、阪神で最初にカルダン駆動を本格採用した
2ドア・クロスシート(車端部はロングシート)車であった。
曲面を強調したスタイルに当時流行の湘南フェイス、車端部の窓を曲面ガラスにする
などの高級感溢れる車両で、阪神間ノンストップの特急に使用された。
昭和35年のダイヤ改正で特急が途中の駅に停まるようになると次第に混雑に
対応できなくなり、昭和39年に正面の貫通化とロングシート化、3561・3061形への
形式変更、昭和44年には3ドア化と、それに伴う側面部の改修がされた上、
編成も組み替えたという経緯があり、これがトラウマとなって阪神ではクロスシート車が
長い間、姿を消すことになった。

平成10年に運行を開始した直通特急では山陽電鉄側が3ドア・クロスシートの5000系を
充当しており、阪神側では、当初、かなり困惑したというが、利用客の混乱は少なく、
むしろ全区間で約100km近く、所要時間も最速で1時間35分(平均1時間42分)で
並行するJR神戸線の新快速も3ドアクロスシートと、むしろクロスシートが無い事の方が
問題となってしまった。
このため、本形式よりクロスシートを復活させることになった。
中間車だけの採用とされたのは主要駅(梅田、三宮、元町、新開地、山陽姫路など)の
改札口が先頭に集中しているためである。
側面窓は一段下降式、ドアは片側3箇所で全て両引き戸である。
旅客案内装置はマップ式とLEDスクロール式を一体としたものを山側に2箇所、海側に1箇所の
ドアの上に配置している。
また、各ドアには開閉チャイムを設置している。

主制御装置はVVVFインバータ制御で阪神では初めてIGBT方式のものを採用した。
ブレーキは回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキである。
台車は空気バネ式ボルスタレス台車でモーターの駆動方式はTD式平行カルダン駆動である。
パンタグラフは下枠交差式で9400形の梅田側に設置している。
先頭車の連結器は阪神伝統のバンドン式、中間車の9400形同士の連結部分には
編成を3両ずつに分けられるように廻り子式密着連結器、他は半永久連結器を
採用している。
9500形偶数車には山陽電鉄線内での以上に備え、アダプターを搭載している。

本形式は山陽直通特急のほか、特急、急行など優等列車で8000系などと共に
運用されている。
本形式の導入で3000系電車(昭和38年に登場した7801・7901形電車の初期車を昭和59年に
改造して界磁チョッパ制御に改造したもの)が全車廃車となった。
3本を投入した時点で老朽車の置き換えが一段落し、近鉄線との直通計画が
具体化してきたため、本形式の増備は、これで終了となった。
平成19年より阪神なんば線と近鉄線の直通開始に伴い、先頭車の連結器をバンドン式から
廻り子式密着連結器に交換した。
ただし、本形式による近鉄線直通は行われておらず、目下、阪神本線系統の優等列車を
中心に使用されている。

東京都交通局 10-300形・10-300R形電車

2010-08-23 20:24:12 | 電車図鑑・地下鉄
都営新宿線開業以来の車両である10-000形電車の置き換えと同線のATCデジタル化に
対応するために登場した車両である。
平成16年~18年にかけて108両(全車新車の10-300形が8連×12本=96/中間車が
10-000形から流用したものである10-300R形の先頭車12両)が製造されたが、
平成22年になり、10両編成化のため、車両の増備が再開されている。
製造メーカーは東急車輛とJR東日本新津車両工場で編成の組み方は本八幡側から
以下の通りである。

・8連車
10-300+10-301+10-302+10-305+10-306+10-307+10-308+10-309

・10連車
10-300+10-301+10-302+10-303+10-304+10-305+10-306+10-307+10-308+10-309

8連車は全車新車のものは編成中5両が電動車(10-306形が付随車)、R形は中間車全てが
電動車である。
10連車は8連車の10-305形を10-304形に改番し、新造した10-303形(付随車)、
10-305形(電動車)を組み込んだものである。

車体はオールステンレス製でJR東日本のE231系などに範をとった標準型車体を
採用しており、設計コストの低減を図っている。
また、R形は置き換え対象の10-000形初期編成のうち、8連化のために導入した
中間車(10-007形&10-008形)を、小改造の上で組成している。
正面はFRPのカバーが装着され、向かって左側に貫通扉を設置している。
ヘッドライトは正面中央上部に角型のものを2つ、標識灯は台形状のものを左右下部に
設置している。
正面下部にはスカートが設置されている。
塗装はされておらず、正面と側面にグリーンと濃いブルーの帯が巻かれている。
なお、10-300形と10-300R形で帯の入れ方が異なり、10-300R形では中間車に合わせて
側面の帯が細くなっている。
行き先表示は正面と側面にあり、どちらも3色LED式である。
なお、通常型とR形で書体が違う。

車内はロングシートで先頭車と10-301形、10-308形に車椅子スペースを設置している。
ドア付近と座席の仕切り板はFRPではなく鉄板とされ、窓枠、空調の吹き出し口などに
金属製のパーツを使うなど、火災に配慮したものとしている。
ドア上にはLEDスクロール式の旅客案内装置と開閉チャイムを設置している。
開閉チャイムの音は通常型とR形で異なる。

主制御装置は通常型がIGBT式のVVVFインバータ制御、R形は電機子チョッパ制御で、
ブレーキは双方とも回生ブレーキ併用電気指令ブレーキである。
台車はモノリンク軸箱支持式のボルスタレス台車で、R形の中間車はダイレクト
マウント式の空気バネ台車である。
駆動方式は通常型がTD平行カルダン駆動、R形がWN駆動を採用している。
運転台はワンハンドル式で通常型とR形では車両情報管理装置などに違いが見られる。

登場時は京王線直通の急行や快速などでも運行されたが、後にこれらが10両編成の
運用に変えられると、線内運用と清算運転で京王相模原線の区間列車に
使用されることが多くなった。
10-300R形は予定通りの方法で8連化すると編成が不足してしまうため、
暫定的に先頭車だけを組み替えて運用した。
その後、ATCの更新完了と通常型の増備が進み、車両に余裕ができたため、
正規の編成を組むようになった。
平成22年春のダイヤ改正から日中の相模原線列車の10連化のため、京王線での運用機会が
更に減ってしまい、今度は土日に競馬場線で使われるようになった。
平成22年夏から10連が登場した。計画では今年度中に4本が10連となる予定である。


○車内。ミントグリーンの化粧板が特徴。


○10-300R形。先頭だけが新車で中間車は10-000形。
 遠目でもパンタがひし形である事でそれとわかる。


○10-300R形先頭車と2両目の連結部近影。



○R形(上)と通常型(下)の外観。側面の帯の入れ方が異なる。
 ちなみにR形は6本ある。


○10連化された編成。


○10連を表すマークを先頭車貫通扉に貼り付けている。

伊予鉄道 800系電車

2010-08-22 23:55:31 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
旧型車両の置き換えのため、京王帝都電鉄(→京王電鉄。以下、京王)より
2010系電車を譲り受けたものである。

まず、京王2010系電車について簡単に解説する。
同形式は昭和34年~37年にかけてデハ2010形とデハ2060形で構成される2両編成×16本
=32両が製造された。
メーカーは東急車輛、日本車輛、日立製作所である。
車体は昭和34年に登場した2000系に準じた正面非貫通・2枚窓・半流線型の湘南スタイルの
もので、塗装はグリーン一色だったが、昭和38年~44年までは製造中で数の少なかった
5000系担当の特急運用の補充として一部の編成で同形式と同じアイボリーにエンジの
細帯という塗装になっていたこともある。
主制御装置は抵抗制御で2000系は全車電動車による加速を重視した設計だったのに対し、
本形式では付随車をつなぐことを前提とした経済性重視の設計に変更された。
ブレーキは発電ブレーキ併用の空気自動ブレーキだったが、ATSを搭載した際に
発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキに改造されている。
当初、デハ2010形とデハ2060形の双方に制御器を搭載していたが、架線電圧を600Vから
1500Vに昇圧した際にデハ2060の方の制御器が外されている。
中間車は2500系と呼ばれる主に戦前製の電車を中間付随車に改造したものを
連結していたが、後に車体を新造したり、編成の長編成化で先頭に出なくなった
デハの一部を改造したものに変えられ(サハ2550形)、外観が整えられている。
5000系の冷房化の進展と6000系の増備により昭和59年に全車引退した。

伊予鉄道ではこれらのうち、デハ2010形、サハ2550形、デハ2060形を其々6両ずつ、
計18両(3連×6本=18両)を譲り受けた。
改造は京王重機が担当し、同社で初めての地方私鉄向け改造車となった。
編成の組み方は高浜側から順に以下の通りである。

モハ810(←デハ2010)-サハ850(サハ2550)-モハ820(デハ2060)

入線に当たって車体については塗装をクリームに窓周りとドアより下をオレンジという
ものに変更した程度で大きな変更はなかった。
車内についても同様でロングシートのままである。
足回りについては軌道の幅が京王線(1372㎜)と伊予鉄(1067mm)で異なるため、同時期に
廃車された井の頭線の1000系電車(初代。2010系の井の頭線バージョン)の台車に
交換された他、架線電圧が750Vに下がったため、モハ820への制御装置設置(廃車された
デハ2010のものを流用)、台車とモーターの交換、発電ブレーキの使用停止などを
実施している(発電ブレーキは当初使用したものの使用時の衝動が大きいためカット
された)。
昭和60年~昭和62年に冷房装置を搭載し、伊予鉄の郊外電車で初めての冷房車となった。
電源はサハ850形に大容量の静止型インバータを搭載した。

平成5年~6年にかけて運用の効率化を図るため、サハ850形の先頭車化が行われた。
これはサハ850形の高浜側連結面に新造した先頭部分(元京王5000系と似た形のもの)を
接合するもので、これによりサハ850形は全車がクハ850形になった。
同時にモハ810形の連結部の狭小化と簡易ドア設置が行われている。
編成の組み方は以下の通りになった。

モハ810+クハ850-モハ820

これにより、ラッシュ時3連、閑散時2連の組み換えが容易に行えるようになり、
特に平日朝のラッシュ明けにはモハ810が単独で走る姿を目にするようになった。
また同時期に現行のクリームにオレンジの帯という現在の塗装に改められている。

元京王5000系の700系と共に伊予鉄郊外電車の主力の一端を務めたが、老朽化が
進んだため、3000系電車(元京王3000系)との置き換えが平成21年より開始された。
この置き換えでクハ850-モハ820の2本=4両は銚子電気鉄道へ再譲渡され、同社の2000形電車
(デハ2000+クハ2500)として平成22年夏より運行を開始している。
残りの編成は平成22年7月25日をもって運用を離脱した。


○増設された運転台側(クハ850形-モハ820形)。


○1両で古町車庫に留置されるモハ810形。
 隣は700系(元京王5000系)のモハ710形。(敷地外の側道から撮影)


○車内。いかにも昭和の雰囲気を感じさせるものである。


○運転台。これはクハ850が中間車として使用されている状態で撮影。

今日の1枚:東京都交通局 10-300形電車

2010-08-21 22:30:00 | 今日の1枚
鉄道雑誌目当てに神保町に行った帰りに久々に利用した都営新宿線。
なかなか車両が面白い事になっているようです。
10-000形は初期車や試作車が引退したものの、その分、後期型の設計変更車に
当たる率が上がってるし、10-300形も10両編成が登場して、
目が離せなくなってきました。
当公園ではどちらも紹介済みですが、そろそろ内容を改めたいので、
少し笹塚に通うことになりそうです。

JR北海道 キハ141系気動車

2010-08-20 21:15:37 | 電車図鑑・JR新系列一般用車両
沿線の開発が進み、輸送力の増強が急務だった札沼線(学園都市線)向けに投入された
車両である。
平成2年~7年にかけて44両が余剰となっていたオハフ51形客車から改造された。
改造を実施したのはJR北海道苗穂工場、釧路運輸車両所、五稜郭車両所である。

構成形式は以下の通りである。

キハ141形(14両)
・札幌側に運転台を持つ先頭車。トイレ付き。台車は廃車発生品。
キハ142形(15両)
・石狩当別側に運転台を持つ先頭車。トイレ無し。台車は廃車発生品。
キハ143形(11両)
・キハ141・142形の強化型。台車を含めた足回りが新品になった。
 100番台と150番台があり前者がトイレ無し、後者がトイレ付き。
 後述のキサハ144を挟む場合は100番台が石狩当別側、150番台が札幌側になる。
キサハ144形(4両)
・動力を持たない中間車。全て100番台で1両だけトイレ付きのまま改造され、
 これは150番台となったが、後に撤去されて100番台に編入された。

車体は鋼鉄製で車掌室の構体を生かしながら片側の前面に、当時の地方非電化路線向けに
製造されていた気動車と同等のものを取り付け、連結側にあった、もう一方の
車掌室やテールランプなどを撤去している。
キサハ144形では両端の車掌室を撤去してフリースペースとした。
正面は増・解結に対応するため、貫通型である。
塗装はライトグレーにコーポレートカラーのライトグリーンの帯とラベンダー色の
細帯が入るものである。
行き先表示は正面が字幕式、側面は札を差し込む「サボ」である。

車内はセミクロスシートであるが、混雑が激しい区間である為、ロングシートを延長し、
クロスシート部分も片側を1人掛け(2人向き合わせのボックス)にするなどの対策が
施されている。
窓は一段上昇式で通常の窓の内側にもう1枚窓がある2重窓となっている。
ドアは片側2箇所でステップ・デッキ付きの片引き戸となっている。
キハ141・キハ142形の一部とキハ143形、キサハ144形の全車はデッキがないため、
ドアにボタン操作式の半自動開閉機能を設置している。
トイレは種車のままの和式便所である。

機関はキハ141・142形がDMF13HS型ディーゼルエンジン(直列6気筒/250PS/2000rpm)を
1基装備し、キハ143形では強化型のN-DMF13HZD(450PS/2000rpm)1基装備する。
ブレーキは空気自動ブレーキで他の車両からの流用品である。
台車はキハ141・142形とキサハ144形は廃車されたキハ56系からの流用品である
ウイングバネ式コイルバネ台車を採用した。
キハ143形では機関の強化に合わせ、新造のボルスタレス台車(空気バネ)に
変更されている。

当初、全車が非冷房のままであったが、平成7年~8年にかけてキハ143形とキサハ144形を
対象に冷房化改造が実施された。
また、キハ141-12+キハ142-12はナハ29000形「バーベキューカー」専用の牽引車に
されており、塗装をブラウン系のものに塗り替えている。
平成17年に最初に改造され、試験的な要素が強かったキハ141-1+キハ142-1が
廃車されたが、他は全車健在で札沼線札幌~北海道医療大学間で運用される。
日中は単独の3連や2連を見ることもできるが、ラッシュ時にはキハ40系などと連結して
運用される。
キハ141・142形は冷房装置を搭載していないため、原則として夏場は朝夕の混雑時を
除いて動く機会は少ない。
なお、札沼線は現在、電化工事を実施しており、電化後の本形式の処遇は不明である。


○キサハ144形。写真のキサハ144-104は冷房が搭載されるまで、トイレ付であり、
 当初はキサハ144-151を名乗っていた。
 トイレがあったのは向かって左側のドアと窓の間の部分である。


○キハ143形の車内。

国鉄 ED70形電気機関車

2010-08-19 22:56:46 | 保存車・博物館
北陸本線田村~敦賀間の交流電化完成に伴い、製造された交流区間専用(60kHz用)の
電気機関車である。
昭和32年と34年に合わせて19両が製造された。
製造メーカーは三菱電機・新三菱重工業である。

車体は普通鋼鉄製で同時期に製造されたディーゼル機関車のDF50形によく似たスタイルを
しているが、前面窓に冬季のツララによる窓破損を防止するための庇が付けられている。
前面部分は貫通型であったが、冬季の保温上の問題から溶接・封鎖されている。
側面は機関室への明り取りの窓が3つと放熱板が8枚ある。
塗装はややピンクがかった赤色で下部に白線が入る。

機器は水冷式イグナイトロン水銀整流器と低圧タップを併用して直流モーターを
駆動させる、低圧タップ切り換え制御方式を採用した。
これは仙山線で試運転中だったED45形(後にED91形)1号機のものを増強したものである。
このイグナイトロン整流器は振動に弱く、重量も嵩むものであり、
車体の軽量化や台車を新性能電車(101系、113系など)と同等のコイルバネを
組み合わせたウイングバネ台車にする、モーターを振動から守るため、
クイル式駆動装置(モーターを弾性支持された台車枠に取り付けて、同じく台車枠に対して
位置を固定された中空軸に嵌めた大歯車をモーターの小歯車で駆動させる方式。
車軸と大歯車の間の振動による位置の変位にはスパイダーと呼ばれるアームで対応する)
を採用するなどの措置がとられている。
ブレーキは空気自動ブレーキである。

本形式はED45形1号機をベースに初めて量産化された交流電気機関車であるが、
この量産化、営業投入も実験的要素が濃いものであった。
このためか、当初は雪の多い北陸本線に投入されたのにも関わらず、
客車への暖房供給装置を装備していなかった(すぐに電気暖房装置を装備)。
最後に製造された19号機では、先に製造された18機の運用実績から、
さらに改良が進められ、東北地方でも運用が可能なように50kHz/60kHz両用になったほか、
車体の寸法も変更されている。

運用区域は19号機が試験のために東北本線で使用された以外は、終始、北陸本線で
運行された。
後継のEF70形、ED74形の登場で旅客運用から荷物運用に使われるようになっていった。
昭和49年に北陸地方と関西地方を短絡する北陸本線のバイパス線である湖西線が
直流電化で開業することが決まり、北陸本線では交流と直流のどちらでも走れる
EF81形の大量投入が行われた。
これらの投入で、本形式は昭和50年に全機引退となった。

引退後は1号機が敦賀第2機関区にて保存されたが、後に北陸本線長浜駅近くの
長浜鉄道スクエアに移転し、D51形蒸気機関車793号機と共に展示されている。


○運転台。保存にあたり、計器保護のためのプロテクターが着けられている。
 電気機関車の場合、右手がマスコン、左手がブレーキとなる。


○運転室から見た機関室。施錠されているため、中には入れない。
 なお、本形式が最初に活躍した田村~敦賀間は田村~長浜間が平成3年に、
 長浜~敦賀間が平成18年に直流化された。
 

近畿日本鉄道 1220系電車

2010-08-17 23:18:14 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
近鉄で初めてのVVVFインバータ制御車で試作車だった1421系電車の量産型として製造された
車両である。
近鉄らしく機器や仕様の差から形式が細分化されており、2両編成が1220系(3本)、
1230系(2本)、1233系(15本)、1240系(1本)、1249系(3本)、1252系(13本)、1253系(6本)、
1254系(1本)、1259系(6本)、4両・6両編成が1021系(4連×5本)、1026系(4連×5本&6連×4本)
となる。
メーカーは近畿車輛で、これらは「近鉄新標準車体(アルミ製)」に日立製のVVVFインバータ
制御器を搭載したグループである。

編成の組み方は以下の通り。なお、大阪・名古屋線系統と京都・奈良線系統で
編成の向きが異なる。

1220系:モ1220+ク1320 1230系:モ1230+ク1330 1233系:モ1233+ク1333
1240系:モ1240+ク1240 1249系:モ1249+ク1349 1252系:モ1252+ク1352
1253系:モ1253+ク1353 1259系:モ1259+ク1259
1021系:モ1021+サ1171+モ1071+ク1121
1026系(4連):モ1026+サ1176+モ1076+ク1126
1026系(6連):モ1026+サ1176+モ1076+サ1196+モ1096+ク1126

車体は既述の通り、アルミ製で車体の下部分に裾絞りのあるものを採用した。
正面は貫通型で当時流行の額縁風のデザインをとり入れている。
塗装は現在のものに裾部分にも赤帯が入ったものであったが、後の簡略化で
現行のものになった。
乗務員室扉と、そのすぐ後の客用ドアの間にはVVVF車を示すロゴステッカーが
貼られている。
種別・行き先表示は正面と側面にあり、いずれも字幕式である。

車内はロングシートであるが、長距離運用に備え、やや深めのものを採用している。
しかし、トイレ付きの車両はない。
平成4年製造の1249系から車椅子スペースが運転室付近に設けられた。
ドアは片側4箇所、全て両引き戸で側窓は一段下降式である。

主制御装置は既述の通り、日立製のVVVFインバータ制御で素子はGTO方式のものである。
ブレーキは回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキである。
駆動装置はWN駆動方式を採用している。
台車や発電機などは1220系から細かい点で変更が随時行われている。
まず、1220系の機器や車体の仕様を標準軌道線全線で使用できるように改良したものが
1230系(平成元年春)である。
台車については近鉄伝統の円筒案内式軸箱支持のダイレクトマウント式空気バネ台車を
採用している。
1220系は在来品、1230系ではアーバンライナー用に開発された技術を採り入れたものを
採用している。
さらにこれを改良した台車で製造されたのが1233系(平成元年夏)である。
1249系(平成4年)では車椅子スペースの他、電源装置が電動発電機から静止型インバータに
変更された。
1252系からボルスタレス台車になり、ク1352形の基礎ブレーキが1軸1枚のディスク
ブレーキに変更され、1253系はこれを2枚に改良した。
1254系は1253系に滑走検知装置を設けたものであるが、これはこの1本のみで終わった。
その後、平成12年~13年にかけて名古屋線に所属する1230系列のうち9本を対象に
ワンマン化改造を実施し、このうち、1233系の1240編成と1253系の1259・1265~1269編成は
それぞれ1240系と1259系に改められた。
1020系は1230系の4連バージョンとして登場した。1026編成から1253系同様、
ボルスタレス台車になり、補助電源装置の引き通しに冗長性を持たせるなどの
改良がなされ、新規に1026系となっている。
4両編成のものは生駒線用のワンマン化改造を受けている(1026系1035編成を除く)。
平成14年に1030編成をバラして編成の組み換えを行い、中間車のサ1180とモ1080を
サ1196とモ1096に改番して1026編成を6連化した。
あまったモ1030とク1130は1252系の1277編成になった。
また、1252系の1271~1276の2連6本と1027~1029の6連3本は阪神なんば線直通仕様に
改造されている。
平成19年ごろから座席の張り替え、車内旅客案内装置取り付け(ワンマン化改造車や
阪神直通仕様は改造時に設置)、車椅子スペース設置、保安装置更新などの
更新改造も行われている。

本形式は汎用車として大阪線、名古屋線、京都・奈良線と系統の支線で運用されている。
1021系、1026系については京都・奈良線系統のみの所属で既述の阪神なんば線対応車は
直通運用を優先する関係で京都線には入らない。

現在までに廃車となった車両は存在しないが、大阪線に所属する1257編成は東青山駅構内で
脱線して電柱と激突、車体や機器を中破したため、現在使用休止中である。


○阪神なんば線直通仕様に改造された1271+1371。
 運転席窓下に蝶のマークのステッカーが貼られている。


○名古屋線所属車。名古屋線では、こうした優等列車の増結運用の他、
 単独で普通運用に入ることもある。


○京都線京都発天理線天理行き急行に使用される1027編成。
 阪神なんば線直通開業後は京都線や天理線に顔を出さなくなった。
 なお、この写真の時点で既に阪神なんば線直通対応改造は受けているが、
 直通車を表す蝶のマークは、まだ貼り付けられてない。