水の丘交通公園

鉄道メインの乗り物図鑑です。
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タビノワ:がんだむ!(静岡と関西を巡る旅・初日)

2010-11-30 17:23:49 | レポート:タビノワ
東京→東海道本線→熱海→東海道本線→東静岡…静岡ホビーフェア
…長沼→静岡鉄道静岡清水線→日吉町…ホテル…日吉町→静岡鉄道静岡清水線
→長沼…静岡ホビーフェア…東静岡→東海道本線→静岡…新静岡
→静岡鉄道静岡清水線→新清水→静岡鉄道静岡清水線→日吉町…ホテル

夜勤を終えて、職場から直接、都バスで東京駅に出る。
今回は初日が静岡泊で勿体ので敢えて新幹線ではなく在来線経由を選択した。
なので、乗る列車が決まっておらず、きっぷはみどりの窓口で当日購入。
八重洲中央口のJR東海の窓口で掛川までの普通乗車券と東京~熱海間の
グリーン券を買った。

乗車した列車は東京駅11時3分発の熱海行きの普通列車である。
車両はE231系電車。211系に乗りたかったが、まぁ仕方ない。
東海道線のグリーン車は全車ダブルデッカー構造だが、荷物があるので通路が狭く
荷物置場もないダブルデッカー部分はやめて、平屋席に座る。
台車の上なので少し揺れるが、ちょっとした個室のような空間で落ち着けるのがいい。
発車の少し前に、グリーンアテンダントがやってきたので、検札をしてもらった。

11時丁度の特急「スーパービュー踊り子」を見送ったあと、発車した。
車窓と車両はいつも通りなので真新しいところは何もない。
ただ、いつもよりも乗る距離が長距離という点だけが違っている。
このまま熱海まで何事もないだろうと、横浜を過ぎたあたりで昼飯の駅弁を食べ、
一眠りしようとしたあたりで異変が起きた。

茅ヶ崎に近付いたあたりで急に列車の速度が落ちて、停車してしまった。
すぐに車内放送がかかる。

「お客様にご案内いたします。茅ヶ崎~平塚間で線路に人が立ち入ったため、現在、
列車を止めて安全確認中です。お急ぎのところ・・・略)」

この列車の1本前は「スーパービュー踊り子」だったな・・・そういうことか!
結局、20分ほど停車して運行再開。立ち入ったと思われる踏切の辺りに救急隊やら
何やらがいたが、下手人がどれかはわからなかった。
わかったら旅費の何割かを返してもらいたいものだ。

運転再開後は回復運転と停車時間の絞りで、熱海到着は10分程度になったが、
乗り継ぐ予定だった熱海12時57分発の静岡行きには乗れなかった。
熱海では伊豆急行線の伊豆急下田行きが、この列車のために発車待ち。
車両は8000系のローズガーデン色だった。
この編成、4年前に寝台特急「富士・はやぶさ」の車内から見かけたなぁ。


○伊豆急行8000系。

さて、接続が1本後の沼津行きになったので、こいつで途中の三島で降りて、
三島から静岡方面への普通に乗り換えるか、更に1本後の島田行きに乗るかで
迷っていたら、沼津行きが定時の13時12分になっても入ってこない。
さっきの線路立ち入りの影響で特急「踊り子」が遅れたせいで上り東京方面の
修善寺編成が三島で抑止を喰らい、それを後続で走る熱海行きに直撃ということの
ようだ。
13時15分頃、踊り子の上り修善寺編成の185系×5連がのっそり到着。
しばらくして、伊豆急からの上り下田編成×10連が到着して連結作業。
13時23~4分になってようやく、折り返しの沼津行き211系×3連が到着した。
先行きはわからないが、JR東日本側の下り列車がホイホイやってくるところを
見ると、回復は早いと見て、この沼津行きは見送り、後続の島田行きを待つこと
にする。
この沼津行きは折り返しも特急「踊り子」に邪魔をされ、下り伊豆急下田方面と
修善寺方面の両方が出て行った13時半少し前に発車していった。

それから程なくして、定時なら13時半丁度発の島田行きが入ってきた。
車両は313系+211系の6連。熱海駅到着が13時35分ごろで、折り返しは13時38分ごろ
だったと思う。


○遅れて入ってきた島田行きの普通列車。車両はJR東海313系電車。
 この列車を待っている間、カメラを持っていたせいか、やたら列車の行き先や
 乗り換え方法を聞かれまくった。

ここから東静岡まで向かう。熱海発車の時点では前の列車と間隔が詰まっていた
ため左程混まなかったが、沼津から前の列車に積み残されたのか、それなりの
乗車があった。
現在、東海道線の熱海~豊橋間ではロングシートの車両しか走っていないが、
こうした混雑時にはロングシートが威力を発揮する。
18きっぷ利用者や一部の趣味者からはとかく非難されがちだが、313系の
ロングシートは掛け心地も悪くなく(東京~熱海間のE231、E217のカチコチな
ロングシートと比べたら天と地の差)、ドア周りの広さも十分で理想的だと思う。
そもそも日本国内を在来線だけで長距離旅行する旅行者がどのくらいいるのか、
というのを考えれば、当然の結果といえる車内である。

東静岡に到着し、途中下車の手続きをして改札を出て、来年3月まで開催の
静岡ホビーフェスタの会場に向かう。
会場の目印は昨年、お台場で展示された実物大のガンダム(RX-78-2/初代ガンダム)像
である。
入場自体は無料だが、ミュージアムやショップは有料である。


○実物大ガンダム像。天気がよければ画面左側に富士山が見える。

休日ではあったが、15時近くで人もやや引けていて見やすかった。
とりあえず、ホビーミュージアムに入る。入館料600円。
館内では日本の模型史を見たり、各模型雑誌で発表された
プロのモデラーさんの作例やジオラマ、各メーカーの新商品や限定品、
実物大コアファイター(初代ガンダムの腹部に内蔵されるコクピット兼用の
小型戦闘機。後のガンダム作品でも類似機が登場している)などの展示を
見ることができる。
ミュージアムの展示品とショップを見て回り、外に出てガンダムの周りで撮影。
小腹が空いたので、屋台の富士宮焼そばを頂く。
ステージではブラスバンドの演奏をやっていた。こういうイベントということもあり、
選曲がややマニアックで、「機動戦士ガンダム」OPテーマ「翔べ!ガンダム」や
「けいおん!!(TBS系で放送された深夜アニメ。かきふらい原作の4コマ漫画
「けいおん!」のアニメ化作品の第2期)」のOPテーマ「Utauyo!!MIRACLE」など
アニメソングばかりだった。
他の展示なども軽く見て、静岡鉄道の長沼駅へ。

ホテルが静岡鉄道日吉町駅からすぐということなので、敢えて静岡鉄道に乗る。
ホビーフェスタの会場からは、大通りを渡り、回転寿司店の横の細道を入って
突き当りを右に曲がると長沼駅に着く。
この駅の駅前にはバンダイのガンプラ工場がある。
ちなみにここ一帯はガンプラ30周年記念作品「模型戦士ビギニングガンダム」の
第1話(Aパーツ)で主人公たちが戦闘を繰り広げた舞台でもある。

さて、静岡鉄道は地方私鉄でも珍しい全線複線・日中6分、ラッシュ時5分間隔運転、
膳駅自動改札設置及びICカード対応済みの首都圏の大手私鉄もビックリな運転本数と
設備を誇る路線である。
昭和30年代には自前で電車を製造することもあったという、ひじょうに意欲的な
社風の会社である。
どうも駿河~東海にかけての人間は物造りがお好きのようだ。
車両は1000系に統一されているが、様々なラッピングで沿線の目を楽しませてくれる。
長沼で軽く1枚スナップしてから、日吉町に向かう。


○長沼駅に入る1000系電車。この編成はラッピングを外したもので
 スカートを装着している以外、原型に近い格好になっている。

日吉町に到着し、ホテルに向かう。踏切を渡ってすぐのクリーニング店の隣だった。
今日の宿は「ホテルドルフ静岡」である。
チェックインをして部屋に荷物を置いて少し休む。
それにしても、このホテル、部屋は少し狭いが、サービスは抜群すぎる。
翌朝は車を駅まで出してくれる上、今夜は1時間飲み放題のウェルカムドリンクと
フード(時間でメニューが変わる。早い者勝ちの食べ放題)付という、恐らく
今まで泊まったホテルの中でコストパフォーマンスに優れるものといえるだろう。
エレベーター内のポスターを見たらホビーフェスタ会場からの送迎も可能だった
ようである。

一休みして、日吉町から長沼に向かい、再びホビーフェスタの会場へ。
丁度日が落ちてライトアップが始まっていた。今回は動力系のメンテの関係で
擬音や首の可動、胸などからの排気の演出はなかったが、かえって全体の形が
じっくり見えていい。


○闇夜に浮かぶガンダム。

こちらも入場締め切り前まで撮影して、今度はJRで静岡に向かう。
これは乗車券を東静岡途中下車にしているためで、翌朝の手間を考えると、
静岡途中下車の判を押してもらわなければならないためだ。
この頃には乱れていたダイヤも復旧していたようで定時に列車が入線して来た。
車両は313系。席は確保できなかったが1駅なので立ちん坊で十分だった。
夜の静岡運転所を見ながら、ふとJR東日本の183系が来ているのを見つけた。
「ムーンライトながら」の絡みだろうか?

静岡に着いて、しばらく撮影タイム。211系や313系ばっかりだが、時折、373系の
特急もやってくるし、通過する貨物も見られる。



○静岡駅で撮影した313系(上)と373系。373系は字幕を替えている途中で
 若干ずれたが偶然にも今は亡き「東海」を表示したところで撮影できた。


○静岡駅駅舎。

改札で途中下車の印を押してもらい、静岡鉄道の新静岡駅へ向かう。
ここの駅前は道路を渡るのに地下道しかなく、少し不便である。
新静岡駅は「新静岡センター」と呼ばれる駅ビルに入っていたが、
同施設が取り壊されたため、新駅舎完成までは少しだけ裏道に入った
仮駅舎になっている。

そのままホテルに帰るのも芸がないので新清水まで行って折り返すことにする。
車両はLuLuCa号だった。
新清水で駅構内のファミマで飲み物を買って、日吉町に戻った。


○静岡鉄道1000系「LuLuCa」広告車。新清水駅にて。

お知らせとご案内:ただいま戻りました。

2010-11-27 22:52:04 | お知らせとご案内
ただいま戻りました。流石に疲れましたわ。
今日は「ひかり」のグリーン車でも結構混んでましたよ。
いつもは、ひっそり静かで快適なんですけどね。300系といえども。
窓框に置いてたPSPのケースが何もしないのにひっくり返ったのには驚きましたが。

タビノワで旅行の詳細をお話したいと思いますのでしばらくお待ちください。
今回は色々、あり過ぎだわ・・・。

今日の1枚:近畿日本鉄道1028系

2010-11-27 21:00:00 | 今日の1枚
最早、外見だけで形式を特定するのが難しすぎる近鉄の1028系です。
これですらバリエーションの一つでしかない。
恐らく時間つぶしをするなら、ここ(尼崎センタープール前)か、森小路、新今宮、
十三でしょうな。
この記事の更新10分後に東京に着く予定です。300系か・・・。
自販機無いし、飲み物は多めに買っておこう・・・。

今日の1枚:聖地巡礼!!

2010-11-25 21:00:00 | 今日の1枚
写真は今年の6月にいった豊郷小学校旧校舎群ですな。
修学院駅周辺が上記の校舎と共に、あるアニメの舞台になってるんですよ。
しょ・・・職場の後輩に頼まれて仕方なく行くんだからねっ!

どうでもいい話。この駅の一つ隣りの一乗寺周辺は京都市内きってのラーメン街。
でも「カレーのちライス」とはこれ如何に?

近江鉄道、また乗りたいなぁ~。

追伸:写真わすれてました。すいませんでした。

お知らせとご案内:明日から出かけてきます

2010-11-22 23:00:00 | お知らせとご案内
予定する行き先は以下の通りになります。

初日
東京→東海道線→熱海→東海道線→東静岡・・・ガンダム見学・・・東静岡→静岡・・・泊
※:静岡鉄道で清水に出ることを検討中。

二日目
静岡→東海道線→掛川→天竜浜名湖鉄道→新所原→東海道線→豊橋・・・小休止
・・・豊橋→名鉄名古屋線→名鉄名古屋/近鉄名古屋→近鉄アーバンライナー→大阪難波
・・・泊

三日目
京橋→京阪本線→出町柳→叡山電鉄→修学院→叡山電鉄→鞍馬寺→叡山電鉄→出町柳
→京阪三条/三条京阪→京都市営地下鉄東西線・京阪京津線→浜大津・・・石山坂本線撮影
・・・浜大津→京阪京津線→御陵→京都市営地下鉄東西線→六地蔵→JR奈良線→
木幡・・・徒歩・・・京阪木幡→京阪宇治線→京阪宇治・・・以下はフリー。

四日目
京橋→京阪中之島線→中之島・・・徒歩・・・福島(阪神)→阪神本線→阪神三宮
→神戸市営バス→摩耶ケーブル下/摩耶ケーブル→摩耶ケーブル→虹の駅
→摩耶ロープウェイ→星の駅→六甲摩耶スカイシャトルバス→六甲ケーブル山上
→六甲ケーブル→六甲ケーブル山下→神戸市営バス→阪急六甲→阪急神戸線・・・以下はフリー。

5日目
フリー・・・新大阪→東海道新幹線「ひかり」528号→東京

という訳で、仕事の関係も含め、恐らく11月30日まで更新できなくなると思います。
気まぐれに既存の写真を適当に出していくつもりですが・・・。
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国鉄 キハ54系気動車

2010-11-21 21:44:04 | 電車図鑑・国鉄型一般用車両
国鉄の分割民営化後の経営困難が予測された北海道と四国向けに、
経営基盤整備と、将来の車両の置き換えコストを削減するために導入した車両である。
四国向けに0番台12両、北海道向けに500番台29両が製造された。
製造メーカーは新潟鉄工所と富士重工である。
1両で運転可能な両運転台車両であるため、編成は組まない。
民営化後は0番台がJR四国、500番台はJR北海道に引き継がれた。

車体はオールステンレス製で過酷な使用環境にも耐えられるように設計されている。
一方で車体を裾絞りの無い箱型とし、塗装も簡略化でき、フリーメンテナンスも
実現している。
正面は貫通型で縁にFRPのカバーを設置してアクセントとしている。
500番台の正面下部にはスノープロウとスカートが設置されている。
行き先・種別表示は字幕式で正面向かって右側にあり、0番台では行き先、
500番台は種別を表示する。
側面部には表示機は無いが、行き先札を掲出する。

車内は0番台がオールロングシート、500番台がセミクロスシート、もしくは
オールクロスシートである。
0番台はドアとドアの間いっぱいのロングシートで3~5人分ごとに肘掛を兼ねて
仕切りを設けた。
500番台501~526号がドア付近をロングシート、ヘッドレストを独立型とした
ボックスシートで、527~529号はオール転換クロスシート(0系新幹線の廃車
発生品)である。
セミクロス車、クロス車とも座席の交換や改良が行われ、クロスシートの部分が
転換クロス、若しくはリクライニングシート(集団見合い式・固定)になっている。
なお、これら座席改良車は座席と窓の位置があっていない。
トイレは0番台が未設置で、500番台は和式のものが設置されていたが、
後に洋式化されている。
ドアは片側2箇所で0番台がバスの部品を用いた2枚折り戸、500番台が片引き戸である。
500番台は酷寒地での運用である為、デッキ付であり、仕切りは展望性を配慮して
ガラス付となった。
また、500番台のドアはボタン操作による開閉が可能な半自動ドアである。
側面窓は0番台が2段窓、500番台が一段上昇窓で防寒のため2重窓となっている。

機関はDMF-13HS型直列6気筒・直噴式・ターボチャージャー付きディーゼルエンジンで
0番台、500番台とも2基装備している。
変速機は液体変速式で、廃車になった車両のものをオーバーホールして
リサイクルしたものである。
ただし、エンジン出力の向上に伴い、クラッチ周りの強化を実施している。
台車は軸箱支持をウィングバネ方式としたコイルバネ台車で、こちらも廃車車両の
再用品である。
500番台の一部では乗り心地向上とバネの凍結防止の為、
軸箱支持をモノリンク式とした空気バネ式ボルスタレス台車に交換している
ものがある。
ブレーキは空気自動式ブレーキで在来車と同じである。
この他、運転台機器など流用できる機器については可能な限り、在来車のものを
用いてコストダウンを図っている。
運転室はワンマン運転に対応するため、半室構造であるが、運賃箱を展開すると
全室化できる。

配置は0番台が松山運転所と高知運転所で土讃線、予土線、予讃線(宇和島~松山)、
内子線で運行されている。
これはJR四国のほぼ西半分に当たり、ひじょうに広範囲である。
同コンセプトのキハ32形と共にトイレはないものの長距離運用に就くことも
少なくない(JR四国では駅の便所を使うように案内される)。

500番台は当初、苗穂運転所や函館運転所にも配置されたが、現在は旭川運転所
・宗谷北線営業所、釧路運輸車両所・花咲線運輸営業所である。
運用線区は宗谷本線、留萌本線、花咲線、根室本線、石北本線、函館本線(滝川
~旭川)でJR北海道の中でも特に気象条件の厳しい地域が多く、長距離運用も多い。
石北本線では特別快速「きたみ」(旭川~北見間)にも使われる。
平成12年までは急行「礼文」(旭川~稚内間)でも使用され、527~529号車が専属的に
運用されたが、同列車の廃止に伴い、該当の3両も一般車と混用されるようになった。
平成19年に事故で520号車が廃車されている。
本区分では既述の通り、車内の改装が幾度も行われており、その全容を掴むのは
難しい状態である(JR北海道のほかの形式にもいえる話であるが)。


○500番台車。帯色は赤に白の細帯。筆者はまだ見ただけで乗ったことがない。


○0番台の運転台。500番台もほぼ同じ。近代的な外観に比して古典的な機器が並ぶ。


○0番台の車内。正に「ロングシート」。筆者は本形式で予土線を乗り通したが、
 宇和島に着く頃にはさすがに疲れた。
 宇和島から松山に出たがその際に利用した特急「宇和海」をグリーン車にしたのは
 いうまでもない(※バースデーきっぷ利用のためできたことである)。

広島電鉄 3700形電車

2010-11-20 23:30:30 | 電車図鑑・路面電車
市内線~宮島線直通列車の増発と車両の体質改善のために登場した車両である。
昭和59年~昭和62年まで3体連接車×5本が製造された。
製造メーカーはアルナ工機である。
編成の組み方は広島駅前から順に以下の通りである。

3700形A号車-3700形C号車-3700形B号車

車番は3両通しで付けられており、表記を3701編成で当てはめると「3701A-3701C-3701B」
となる。

車体は普通鋼鉄製で昭和55年に導入された3500形「ぐりーんらいなー」のものをベースに
しながら、正面の絞りや屋根の形状などに曲面がついて、やや柔らかなデザインと
なっている。
正面は非貫通1枚窓で左右の絞りに縦長の窓を設置している。
ヘッドライトとテールライトは長方形のケースに縦列で左右下部に設置されている。
塗装はアイボリーに窓周りと車体裾周りがグリーンとなる。
行き先表示は正面と側面にあり、いずれも字幕式で3701~3703号車と3704・3705号車で側面方向幕の設置位置が異なる。
また、3701号車とそれ以降で車番表記の文字の大きさが異なる。

車内はオールロングシートでホワイト系の化粧板にオレンジ色、
もしくはワインレッドのモケットの座席という構成である。
ドアは左右非対称配置で進行方向左側A号車から順に2箇所、1箇所、1箇所で
C号車が両引き戸、他が片引き戸である。
側面窓は2段窓で車掌が乗務する部分については引き違い窓になっている。

主制御方式は抵抗制御、ブレーキは電気指令式空気ブレーキを採用した。
台車は軸箱支持を緩衝ゴムとしたインダイレクトマウント式金属バネ台車で
モーターの駆動方式は平行カルダン駆動方式である。
これら主制御装置やブレーキ、駆動装置などについては電機子チョッパ制御、
回生ブレーキ付き電気指令ブレーキ、インフレーム式台車と直角カルダン駆動という
最新技術の塊であったが故にトラブルの多かった3500形の運用実績から見直され、
少々古くても十分通用する性能を持つ程度に信頼性の高いものに戻された。
運転台は両手操作式1軸ワンハンドルマスコンで、これについては3500形から
そのまま引き継がれた。
集電装置はZパンタでA号車とB号車にそれぞれ搭載されている。
空調の制御装置は3701~3703号がA・B号車運転台側天井に、3704・3705号車がC号車に
それぞれ設置されている。

登場時は全車が荒手車庫に配置され、市内線・宮島線直通列車に充当された。
新型連接車による市内直結、高頻度運転の直通列車は好評を博し、平行する国鉄(当時)
山陽本線から旅客を大きく奪った。
当時の国鉄では大阪や東京といった大都市を除けば、これら大都市に向かうための
長距離列車を中心としたダイヤ構成であり、フリークエント式のダイヤ構成とはなって
いなかった。
国鉄では昭和57年より広島でもフリークエント式ダイヤの試行を行っていたが、
本形式の登場以降、広電との平行区間への駅の増設や列車本数の増発などの対応に
民営化後も追われることになる。
また、広島電鉄では昭和40年代のモータリザーベーションで経営危機に陥っていたが、
本形式をはじめとする「ぐりーんらいなー」シリーズの成功により、経営の立て直しに
成功した。
平成19年ごろまで全車荒手車庫所属だったが、3701・3702号車が千田車庫に移籍し、
上記の宮島線直通列車のほか、1号線(広島駅~市役所・紙屋町~広島港(宇品)間)でも
運行されている。
ラッシュ時には白島線以外のほぼ全線で運用に就いている。


○広島港(宇品)電停に停車中に3701号車。
 タイトル写真の3702号車より車番が小さい。