中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
paraparaart.com ArtDirector

クリントン米国務長官に「日本防衛のために何が最も効果的な方法か」の試案はない

2010-03-31 | 政治・経済を考える

米国務長官、現行案最善と力説 首相さらに厳しい局面

【ワシントン、ガティノー(カナダ東部)共同】米国防総省は30日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設協議に関し、関係自治体だけでなく連立政権内の合意が必要との考えを表明した。社民、国民新両党は政府が検討する沖縄・勝連半島沖の人工島案に反対を申し入れ。地元同意の見通しもない。5月決着に政権の命運を懸ける鳩山由紀夫首相はさらに厳しい局面に立たされた。岡田克也外相は対米交渉について「非常に困難な道」との認識を示した。クリントン米国務長官は主要国(G8)外相会合閉幕を受けたカナダ・ガティノーでの共同記者会見で「日本政府が(新移設案を)提案してくれば、検討の用意はできている」と表明。ただ「現行計画が望ましいとの立場を保持している。日本防衛のために何が最も効果的な方法かに関する米国としての見解だ」と述べ、沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設案が最善との立場をあらためて力説した。岡田氏は、記者団に「米国と交渉は可能だと思うが、結果は予断を許さない。国内(での調整)も同じだ。非常に困難な道だが、5月末までに結論を出さないといけない」と語った。

近頃の民主党に『怪訝材料』が多く見られるようになってきました、どしたものか。「徒労」と「溜息」が、わたしの周辺にも蔓延しはじめた。亀井さんの独断先行(逆行)とも思える言動と、鳩山由紀夫首相の即座追認の不可解、岡田克也外相の戸惑いとアメリカ首脳対応(外交)の無反応など、理解するのに時間を要する。「選挙対策(小沢一郎さんの意思)」が優先するのであれば、もはや『政策判断』の体裁すら整っていません、本末転倒(国民無視)です。クリントン米国務長官に「日本防衛のために何が最も効果的な方法か」の試案はないと思います、「できれば現状維持」が本音です。日本は、明確な意思(提案)を持って交渉すればいいものと思います。

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河村たかしさんの言動は注視するに値する

2010-03-28 | 政治・経済を考える

河村市長-議会リコールで街頭演説、署名集めに協力求める 

名古屋市の河村たかし市長が27日、同市の中心部で街頭演説に立ち、対立が深刻化している市議会の解散請求(リコール)に必要な署名集めへの協力を求めた。河村市長は午後3時半すぎ、中区の三越名古屋栄店前に自転車で登場。「暴走する議会を解散するため、署名集めに立ち上がってちょー」と声を張り上げた。河村市長の支援団体は、署名を集める協力者が5000人に達したら署名活動を始める方針。支援者が足を止めた買い物客らにチラシを配った。演説を聞いていた中区の女性会社員(31)は「年収が800万円でもいい、という人に政治をしてほしい」と協力に前向き。遠巻きに見ていた男性は「議会の悪口ばかり言うのは、聞いてて気持ちのいいものじゃないですね」と話していた。(中日新聞)

わたしは、河村たかし市長の「試行錯誤」に注視しているひとりです、既にフアンかもしれない。地方自治のあり方のひとつが、この人と名古屋市の行く末にあると見ている。名古屋市議員には、手当てを含めて2400万円の収入があるといわれる。議員としての勤務実態がわからないので、多いとも少ないともいえませんが、年収が800万円ぐらいになれば「政治理念の高い人」がなることが予想される。議員職がボランティアに近い『役割』ものであれば、利権を代表する人が居座ることもなくなる。地方自治が中央政権の末端組織に甘んじている限り、自立した構想を立てることもなく、個性ある発展も望むべくこともない。これからは、地方色の濃いデッサン(地場産業・地理的特色・生活環境からの発想)がなくてはいけません。そう意味でも河村たかしさんの言動は、注視するに値するのです。

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仏像に見られる写実性とは

2010-03-25 | 美術を考える

仏像に見られる写実性とは

法隆寺に、少し異様な仏像があります。聖徳太子ゆかりの法隆寺ですが、ここには魅力的な仏像が多い。謎を秘めた仏像も多いのですが、この仏像も例外ではありません。鎌倉時代に造られたものらしいのですが、この表情といいその姿かたちにも不明(説明できないこと)な点が多く見られます。たしかに、技法から見て鎌倉時代に造られたものと考えるのは妥当なことと思います。ただ、わたしの関心事は既にそこにはありません。ドナテッロの「マグダラのマリア」に見られる感覚と同様の『不思議な感触』が、この仏像にも明白にあるのです。この仏像にも、優れた表現者としての「的確な眼」と、容易に様式をも超えてしまう『写実・感性』が認められるのです。このことは案外重要なことで、芸術の軸を成すといっても過言ではないのです。

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ドナテッロの「マグダラのマリア」の陰影に漂う微妙な感性

2010-03-25 | 美術を考える

ドナテッロの「マグダラのマリア」の陰影に漂う微妙な感性

この彫刻は、一見「現代彫刻」のように見えます。表情は険しく、「老いの苦悩」すら見て取れる優れた彫刻には違いないが・・・。そう、イタリアルネサンスの名作のひとつ「マグダラのマリア」、ドナテッロの作品です。どの時代でもそうですが、写実を極めた芸術家特有の『的確な眼』の存在を感じます。この時代(イタリアルネサンス)には、言うまでもなく優れた芸術家(レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ラファエル等)がその実力を発揮しています。優れた作品には、時代を超越して存在する『魅力』が確かにあります。ドナテッロの「マグダラのマリア」にも、それがあります。それだけではありません、わたしが気にしているのは、表現者の感覚です。このような表現には、制作意図(理念)から離れていく感覚(感傷・ゆらぎ)というものが働くものです。並でない才能を持つ者だけに許された、『表現のきわどさ』をこの作品に、わたしは感ずるのです。「偉大な芸術家」と言う言葉以上の「よりどころ」というものがあるのかもしれません。陰影に漂う作者の微妙な感性が・・・「不思議な想い」に、わたしたちを導くのかもしれません。

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「沖縄県民の気持ち」を優先することが「日米同盟」を結果強固にするようにも

2010-03-25 | 美術を考える

「普天間」新提案に否定的=14年期限へ早期解決を-米軍司令官

 【ワシントン時事】ウィラード米太平洋軍司令官は24日、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題に関し「沖縄駐留海兵隊の所要を満たす代替施設を求めている」と述べた上で、「現行計画は今なお最善の選択肢だ」と断言、日本側が検討中の新たな移設案に否定的な考えを示した。2014年の完了期限に触れ、「解決が急がれている」とも指摘した。連邦議会内で記者団の質問に答えた。ウィラード司令官はまた、同日の下院歳出委員会小委員会に提出した書面で、在日米軍再編の進ちょく状況について「大多数の案件は順調だが、例外は普天間移設だ」と強調。その上で「海兵隊の航空機動力を沖縄に維持すると決めた普天間移設は、沖縄の海兵隊8000人のグアム移転を可能にする重要な要素だ」として、移設の行き詰まりはグアム移転に影響を及ぼすとの認識を示した。(jijicom)

  前政権にしても新政権にしても、これほどに苦慮している理由は明白です。「沖縄県民の気持ち」と「日米同盟維持」との狭間に、すべての課題があるからに他ならない。これを理解すべきは、わたしはアメリカにあると思います。日本の戦後政治をふりかえれば、日本の果たしてきた「役割」はアメリカの想定以上の水準(評価)だったと思います。それ故に、これからのアメリカと日本の相互の役割を考えるならば、「沖縄駐留海兵隊」を含め「沖縄への基地依存」のあり方の見直しが不可欠のようにも思えます。アメリカの「世界戦略」がどうであれ、わたしたちはアジアの中の「日本」を優先して考えるのは自然なことだと思います。周辺に脅威が存在するのも事実です、だからといってアメリカに依存しすぎるのも問題が残ります。世界の情勢が大きく変わらないのであれば、当面「沖縄県民の気持ち」を優先することが「日米同盟」を結果強固にするようにも思えるのです。ここは、小沢さんの政治力に期待したいものです。

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米グーグル中国本土から撤退 ネット検閲をめぐる中国政府との交渉が決裂

2010-03-23 | 文化を考える

米グーグル中国本土から撤退 香港経由に

【ニューヨーク共同】米インターネット検索大手グーグルは22日、中国本土を拠点に展開してきた中国語のネット検索サービスから撤退し、検閲のないサービスを香港経由で開始したと発表した。ネット検閲をめぐる中国政府との交渉が決裂したためだ。グーグルは声明で、中国本土のサイトの利用者は自動的に香港のサイトに転送されると説明、中国政府が「われわれの決定を尊重するように望む」とした。新華社電によると、中国政府当局者は23日、検閲のない香港のサイトに転送するグーグルの方針について「完全に誤っている」と反発。今後、中国政府が香港のグーグルへのアクセスを遮断するなど、強制的に事業撤退を迫る可能性もある。米ホワイトハウスは「グーグルと中国政府が、中国での検索事業継続に道を開く合意に達しなかったことに失望している」とする声明を出した。グーグルは北京など中国本土を拠点とする検索サービスは停止するが、研究開発や広告などの販売活動は継続する。(中日新聞)

グーグルは、ネット検閲をめぐる中国政府との交渉が決裂し、中国語のネット検索サービスから撤退する。「検閲」しなければならない事情があることは理解できなくもないのですが、何か釈然としないものが残ります。あらゆる情報が国境を越えて出入りすることによる功罪は、わたしたちが想像する以上に大きいのかもしれません。急速な変化を、中国政府は望んでいないのかもしれません。しかしながら、こういった情報通信が、目に見えるインフラ整備以上に生活文化を豊かにするのも事実です。グーグルはその大手ですし、完全には「排除」できないことも、中国政府には充分にわかっているものと思います。できれば、一定の方向を見定めて「自由な通信が可能な社会」を構築してほしい、推移を世界が注視している(見守っている)のです。

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「石川コンテンツマーケット2010」(その3)

2010-03-22 | 金沢を歩く
「石川コンテンツマーケット2010」(その3)
 
メディアラグの藤井雅俊さんドワンゴの帽田基資さんエイベックスの穀田正仁さんのセミナーもありました。映像と音楽制作現場の状況に見られる課題と可能性を、それぞれの思いを重ねて語っていました。若い制作者には、貴重な一日になったかもしれない。
 
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「石川コンテンツマーケット2010」(その2)

2010-03-21 | 金沢を歩く
「石川コンテンツマーケット2010」(その2)
 
この会場では、漫画家の永井豪さんと土山しげるさんのトークショーがありました。いずれも石川県と関わり深い人たちですので、地元の話題には事欠かない、そして会場には笑いが絶えない、次第に食談へと変わるのもこの時期ならでは・・・楽しめました。
 
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「石川コンテンツマーケット2010」を観る(その1)

2010-03-21 | 金沢を歩く

「石川コンテンツマーケット2010」を観る(その1)

石川県庁近くのホールで開催されている「石川コンテンツマーケット2010」を、観てきました。今月は、これまでに美術系の大学の「卒展」会場を訪れる機会が多く、主にIT関連の作品を観てきました。アニメーションからゲーム・ネットコンテンツまで、この分野の裾野はずいぶん広くなってきました。そして締めくくりが、この会場です。この会場には、IT企業を中心に大学・専門学校そして若い作家にいたるまで、それこそ多岐にわたる作品やレポートが並んでいます。わたしは「映像の未来はどうなるのか」や「仮想空間」「疑似体験」にも興味があり、ここにはそれを満たすだけの「予感」があります。特に「3DCG」の果たす役割と進化に・・・期待と同時に不安を覚えることが・・・逆説的な意味合いでの「心理的不安定さ」を感ずるのです。わたしたちは視覚的な表現媒介(絵画・写真・映像など)を通して、様々な情感や理念(物語)を伝えてきました。これからはもしかすると、(想定を超えた)「精神の領域」に深く入り込む映像時代が来るのかもしれない。

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寺山修司著「赤糸で縫いとじられた物語」から

2010-03-20 | 本の紹介

寺山修司著「赤糸で縫いとじられた物語」から

寺山修司が好きで、多くの本を読んできました。「赤糸で縫いとじられた物語」をこのブログで紹介するのは2度目になると思いますが、その短編の中から「イエスタデイ」を少し紹介します。小さな島に住む少年、鳥と会話ができる少年のお話です。少年には恋人いて、「あ」で始まり「い」で終わる短い歌を聴かせてくれます。少年と少女と小鳥の楽しい日々は、永くは続きませんでした。ある日、少女が島を去ることになります。事件は、そんなときに起こるのです。寺山修司のつくる物語はどれも視覚的で、わたしには映画を見たときのように、瞼の裏に残るのです。

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