走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

言語と文化

2016年11月14日 | 英語上達法
昨日までのシリーズもののおまけ。

両親ともに移民者で英語は第二言語で、なんとか会話ができるくらいのレベルだ。重大な判断をするために、聞き違いや思い込みは絶対避けたいと思った。

彼女の病態が悪化している根拠となった言動の1つとしてケアマネが、、、

彼女が自分の赤ちゃんの事を自分に似ていて ugly (アグリー: 醜い)と言った事をあげていた。

彼女は美人ではない。一重で団子鼻でぽっちゃり型だ。豊かな国で育たなかった彼女は化粧や着飾る事も知らない。

赤ちゃんはかわいい。世界中ほとんどの人が無条件で赤ちゃんはかわいいと思う。私もそう思う。一般的にかわいい。しかしまじまじと見たらブサイクな赤ちゃんだっている。それは事実だ。口には出さない。心の中で思う時はある。読者の方もそうではありませんか?

雪の降る日に生まれた私の姉は白い肌でそれはそれは美しい赤ちゃんだったそうだ。それに比べ私は生まれた時は毛むくじゃらで褐色の肌で猿が生まれてきたかと思った、と両親に言われた事がある。姉に比べ私はかわいい赤ちゃんではなかったと。

カナダで中華を食べに行った時にアジア系の店員さんに何人なの?と聞かれ日本人だと答えたら、顔をまじまじと見られ、「嘘でしょ、日本人はもっと肌がきれいだもの」と言われた。こう言う失礼極まりない事を客に向かって平気で言える国民性だってあるのだ。

家族によく言われる。私は馬鹿正直でお世辞を知らないと。真実ほど辛いものはないのにそれを包み隠さず言う、と。そう、私は単刀直入。お世辞もできないし、嘘をつくと吐きそうになる。だから家族はよっぽど自信がない限り私に髪型や服装について意見を求めてこないようになった。

何が言いたいかというと、アジア人は思った事を口にしてしまう人が多いが、白人は世渡り上手というか言って良い事と悪い事がはっきりしていて、悪い事を避けるためには平気で嘘をつく人が多い、印象が私にはあるのだ。

それに知っている単語数が限られている人にとってUglyと言う意味の重さもカナダ人と同じなのかどうかも疑いたくなる。

だから彼女が赤ちゃんの事を醜いといった事は私にとって重要ではなかった。それにこのケアマネ以前にはこんな事もあった

言語と文化や習慣は強く強く繋がっている。当たり前の尺度は自分の標準で決められてしまう事が殆どだ。北米では絶対、赤ちゃんの事を醜いとは言わない。心の中で思っていてもだ。郷に入れば郷に従え。御門違いの濡れ衣を被らないためにはそういう事の認識も必要だと、、、偏見丸出しの余談でした。



生後2日目。猿じゃないぞ、と子供ながらに思ったものだ。

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