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映画・母の身終い

2013年12月29日 | 映画(海外)

 

2012年 フランス
原題 Quelques heures de printemps

 

 

48歳の息子・アラン(ヴァンサン・ランドン)
その母イヴェット(エレーヌ・ヴァンサン)

年老いた母親は脳腫瘍に冒され死期が間近い
トラック運転手だったアランは金欲しさから麻薬運搬に手を貸し服役
出所後住むところも仕事もないアランは母の元に身を寄せる

 

おそらく、かなり以前から母と子の間には根深い確執があったのでしょう
二人の噛み合わない歯車
さしたる会話もなく、たまに言葉を交わしても言い争いになるばかり

 

ある日、居間の引き出しの中にある書類を目にして愕然とするアラン
それはある協会からの文書で『スイスの施設で尊厳死』といった内容に母のサインがあった
病気が進行し、自分が保てなくなる前に自分らしい人生の終え方を望んでいる母
それを知ったアランの心は激しく揺り動かされる

 

母の決意が固いことを知ったアランは一緒に買い物をしたり台所の後片付けをしたり
やっと向き合うことができた母を無言でいたわる
しかし、ついに母が旅立つ日がやってきた…

 

 

映画の主題は
フランスでは認められていない幇助自殺についての問題ではなく
親子の間にある修復出来難い溝を、母の決意の日を前にいかに埋めることが出来るか、という問いかけです

 

 

二人はこのまま永遠の別れの時を迎えることになるのか
いったどうなるのだろう
とても不安で落ち着かない展開に苦しくなりました
しかし、最後の最後に真実の声を吐露することが出来た二人
一気に肩の力が抜けました

 

 

 

うまくいかない人生にいらだち母に八つ当たりしながらも再出発を模索する中年男性の哀愁
心の奥にある母への愛情を寡黙に体現しているヴァンサン・ランドン

 

気難しい夫に仕えた忍耐の日々にも、家事を完璧にこなしてきた神経質な老女
長年にわたる息子への苛立ちや諦めを滲ませる何気ない仕草や、隣家の男性との別れ際にみせる女性らしさをさり気無く演じるエレーヌ・ヴァンサン

 

さりげなく描かれる日常
原題を直訳すれば『春の数時間』
雲雀の鳴き声、まだ浅い緑の中
この二人の演技力あっての映画でした

 

 

 

 

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2 コメント

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母と息子 (rose_chocolat)
2013-12-30 14:22:51
今でこそマザコンなんて言葉もありますが、反対に、この映画のように難しいケースも増えてる様に思います。
お互い思いやっているはずなのに、空回りばかり。どこからどう糸口を見つければいいのかわからない。
それでもいざという時はやはり情が出るんだと思いました。

>『春の数時間』
これも考えてみれば残酷なタイトルだと思うんですよね。
rose_chocolatさん (こに)
2014-01-03 11:57:42
お返事が年を跨いでしまいすみません。

親子関係
濃密すぎるのも希薄すぎるのもいけないのでしょうが、そうそう上手くいきませんよね。
大人になりきっていない大人が増えてきたのかな。
それが自分を苦しめているのですけどねぇ。
原題の意味を考えるに邦題はキレイ過ぎ、日本人好みですね。

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