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映画・リスボンに誘われて

2014年09月14日 | 映画(海外)

 

原題 Night Train to Lisbon
2012年 ドイツ、スイス、ポルトガル

 

原作 パスカル・メルシェ「リスボンへの夜行列車」

 

哲学的でなかなかに手ごわい原作をどのように映像化したのか
楽しみにしていました

 

スイス・ベルンの高校教師、ライムント・グレゴリウス(ジェレミー・アイアンズ)
雨の朝、出勤途中に橋から川に飛び込もうとしている若い女性を助ける
赤いコートを残して立ち去る女性
コートのポケットには一冊の本とリスボン行夜行列車の切符があった
本の頁を捲るうち、そこに書かれてある言葉が自分の考えそのものであることに驚くライムント
本が売られた古本屋を訪ね、著者、アマデウ・デ・プラド(ジャック・ヒューストン)がリスボン出身であることを聞く
女性にコートと持ち物を返さなければならない、という常識からリスボン行夜行列車が出発する駅に向かうライムント
彼女の姿は見えない
列車は動き始める
混乱するライムントは思わず列車に飛び乗ってしまう
校長からの電話も無視して夢中になって本を読み続けるのだった

 

 

リスボンでまず訪ねたのはアマデウの実家
そこに暮らしていたのはアマデウの妹・アドリアーナ(シャーロット・ランプリング)
兄の本業は医師で、本は100冊しか出版していないと語るがアマデウの所在についてははぐらかす
老家政婦が、こっそり彼に教えてくれた墓地に向かうと、そこにはアマデウの墓があった
1974年死去
1974年は軍によってクーデターが起こり、後にカーネーション革命と呼ばれた政変のあった年だった

 

アマデウの足跡を辿りながら街を歩いていて自転車とぶつかり壊れてしまった眼鏡を作りなおしてくれた眼科医のマリアナ(マルティナ・ゲデック)は、アマデウを知るという伯父ジョアン(トム・コートネイ)を紹介してくれる
ジョアンから聞いたアマデウを埋葬したというバルトロメウ神父(クリストファー・リー)を訪ねると、高校時代のアマデウの教師でもあった神父は、彼がいかに魅力的な若者であったかを語る

 

いよいよドラマは本格的に動きはじめます

 

現在に過去がフラッシュバックされる形で描かれる1970年代前半のリスボン
革命から40年が過ぎた現在に比して、革命時代の若き日の医師・アマデウ、革命の闘士・ジョアン、ジョルジェ(アウグスト・ディール)、エステファイニア(メラニー・ロラン)との間の友情や恋、苦悩や裏切りはまさに動乱の時代

苦すぎる青春の日々でした

 

あの時代の辛く悲しい体験を心の奥底に仕舞い込んで暮らしている年老いたアドリアーナ、ジョアン、ジョルジェ(ブルーノ・ガンツ)、エステファイニア(レナ・オリン)たちと出会うことで自らの人生を見直すライムント
偶然というにはあまりにも重大な意味を持つ見知らぬ女性(彼女が誰であったかは驚きでした!)との出会いからリスボンへとやってきたライムントでしたが、そこは彼にとってまさに宿命の場所だったのです

マリアナとの出会いもね♪

 

 

ヨーロッパのスターキャストで作られた落ち着いた大人の映画です

 

 

 

全編英語だったのが残念
原作ではライムントが「言葉の金細工師」を読むため、リスボンでの生活のためにポルトガル語を学ぶのですが、全て英語では皆言葉が通じてしまいますよねぇ
本だけはポルトガル語で書かれていたようですが、ライムントはポルトガル語も理解できる設定で、普通にスラスラと読めてしまったのかな
原作からは、この一冊の本を我が物としたい、アマデウの人生を辿るためにリスボンで暮らす人々と直接会話をしなければ、という彼の情熱がひしひしと伝わってきたのでした

あと、チェスのシーン
映画冒頭、朝食の湯が沸くまでの間一人でチェス板に向かうライムント
彼の生活にチェスが欠かせないことがわかります
リスボンでは年老いたジョルジェとのチェス対戦と会話を通して、ジョルジェはライムントに心を開き、ライムントもまた自らを深く内省するのです
ここもあっさり無視されていました

もう一点、ライムントは放り投げてきたベルンの住まいの郵便物等の管理を生徒の一人−女生徒−に頼みます
きちんと仕事を処理し助けてくれる女生徒
映画には、生徒たちとは一年だけの付き合いだから深く関わらない、という台詞がありますが、原作では本人が思っているのとは違い、生徒たちは突然全てを投げ捨てて夜行列車に飛び乗った彼を評価し、また気にかけてくれていたのです

 

 

映画の後なら少々難解だった原作も読みやすいかもしれません

お薦めします

 

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2 コメント

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英語 (たんぽぽ)
2014-09-26 21:00:29
こにさん、こんばんは。
原作も読まれたのですで。なるほど、やはり原作を読んでいると映画の見方も深まるのだなあ・・・と納得しました。
実のところ、ライムントがポルトガルへ行っても全くスラスラと言葉が通じるので、ヨーロッパに住む人はそんなもの???などと思ってしまっていました。
そんなわけありませんよね。
実は本を読むのも、言葉の壁があって大変だったわけなのですね。
原作を読みたくなってしまいましたが、昨今、ゆっくり読書の時間が取れなくて、我ながらろくな本を読んでいないなあ・・・と感じています。
たんぽぽさん (こに)
2014-09-29 14:58:31
原作、お薦めです!
ある程度人間関係とか背景がわかっている分、読みやすいのではないかと思います。
陸続きで列車で外国に行ける感覚を味わってみたいものです。
国境を越えると言語も文化も違う。
不思議な感じがしますね〜。

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