今日は大手町の旅行代理店に行った帰りに古本屋巡りをしてきました。
神田(実際は神保町)の古本屋街は自転車で20分ぐらい。かなり近いんですね。
どうしても欲しい本があって。
それが『ルワンダ中央銀行総裁日記』(服部正也著 中公新書)です。
以前先輩に薦められ、図書館で借りて読んだのですが、自分のが欲しいと思って。
でも残念ながら絶版なんです。
アマゾンで買おうかと思っていたのですが、
その前に探してみようと古本屋街へ足を運んだのでした。
古本屋巡りは入学以来2年半ぶり。
前回は小林秀雄全集を探して並びの本屋を一つ一つ聞いて回り、
ようやく発見してかの田村書店で購入したのでした。
前回は「小林秀雄全集ありますか?」と聞けばよかったものの
今回は(あまりメジャーじゃないため)そうもいかない。
そもそも「中公新書」自体、古本屋には置いてないんです。
(岩波は文庫も新書もいっぱいあるんですがね・・・)
田村書店(一番品揃えがよく、安いお店)でも「中公新書はないんですよ」と軽くあしらわれる始末。
厳しすぎるぅ。
まあ、あるはずないよなあ、
そもそも中公新書のカバーってどんなだっけと思いつつ、
神田古書センターの表にさらしてある古本の山を、見ていたら
ルワンダ・・・
ん
もしや?
そうです。あったんです。
値段は100円。しかも初版らしい。
これは運命か!
とにかく、トーキョーってなんでもあるなあ、と満足して帰ったのでした。
なんでこの本が欲しかったかというと、こういう風になりたいと思ったから。
この人を目標にしようかと思ったんです。
この本の著者、故・服部正也氏は1918年生まれ。
東大法学部卒で、戦後日本銀行に入り、47歳でルワンダに中央銀行総裁として出向、
自ら経済政策を作成し、5年でルワンダの経済復興を成し遂げたというすごい方。
その後はIMF(国際通貨基金)に出向し、最後は日本人としてはじめて世界銀行の副総裁になった人です。
経歴や実績も素晴らしいのですが、僕が憧れるのはそこではなくて。
人間性というか、考え方というか・・・生き方が「立派」なんです。
人間として憧れる、そんな存在。
素晴らしさは語りつくせませんが、
「自分のアタマで物事を徹底的に考える姿勢」、
「問題を話し合いで解決する論理力」
そして「行動力」。
当時最貧国であったルワンダには旧宗主国ベルギーなど他国から様々な人間がやってきています。
彼らは口では「ルワンダのため」と言い、一見その通りのような行動をしながら、結局は自分の利益のために行動しています。
それが結果的にルワンダの経済を歪め、復興を妨げている一因となっている場合が多々あるのです。
それを服部氏はすべて見抜いてしまう。
でも一瞬で見抜くのではなくて「どこか腑に落ちない」と思ったら徹底的に考える。
その姿勢が素晴らしい。
例えば商業銀行(当時ルワンダ唯一の民間銀行。ベルギー人が顧問をやっていた)の取引と通貨の相場が不自然なことに気づいたときのこと。
「五月のある日、私は不思議なことに気がついた。・・・つまり供給が増えているのに価格が上がっているのである。私は一生懸命その理由を考えた。・・・おかしなことがあるものだと二日考えた結果・・・むしろ相場を定期的に引き上げることが銀行にとって確実に利益になるのだ、ということに気がついた。私は腹が立った。畜生、通貨を玩具にして独占的利益を挙げていやがる。利益のために一国経済のもとである通貨価値を意識的に減価させていることは許せない気がした。しかしそれにもまして腹が立ったのは、今までこれがわからなかった自分の頭の鈍さ加減であった。」(87-88ページ)
その後、すぐに服部氏は商業銀行に連絡を入れ、指導をします。
すぐさまベルギー人の専務が文句を言ってくるのですが、
正当な論理で言い込めてしまうのです。
それがあまりにもかっこいい。笑
「正義は勝つ」のかもしれないけど、彼ほど「正義」を振りかざせる人はいないんじゃないでしょうか。
その後も彼は政策立案に当たってルワンダの商人に聞いたり、銀行員に聞いたりとすべて自分の目で見て考え、確かめていきます。
そして結論を見つけ、「ルワンダ人のためにはどうすればいいのか」を考え、それを自ら実行するのです。
・・・そんな服部氏に憧れて。
将来について、一年前からいろいろと悩んでいたのですが、ここで落ち着くような気がします。
こうなるためなら一生かけてもいいのではないかと。
「ヤリタイコト」って何だろう。いろいろと考えたこの1年。
日本に生まれたこと、この大学にいること・・・
ヤリタイコト探しに当たって自分というものをいろいろ考えていましたが、
結局はロジックというよりは、職業と人間性への「憧れ」に落ち着いたようです。
何で服部さんみたいになりたいの?
・・・世界のためとか、人類のためと言うよりは、かっこいいから。のような気がする。笑
とりあえず、相手を知り、まねることからスタートです。
まず学問。服部氏は法学部卒ですが、経済の知識は凄い。
本書もある程度マクロ経済の知識がないと読めないので、今はわからないところだらけ。
まずは基礎的な経済学を勉強しないと。
次に語学。服部氏は最低限、日英仏は話せるようです。(現地の人の言葉を聞いて政策を作っているんだから凄い)
とりあえず今年は英中。韓国語もやりたい。
そして精神。立派なのはここなんですが、おそらく「日本人」的な考え方なのではないかと思い、とりあえず『武士道』を読んでいます。
『論語』も読む予定。
あと経歴。服部氏は日本銀行の外国局で18年勤めたあと65年にルワンダに渡っています。
当時の日銀はまさに復興の最中。ここで経済の知識を叩き込まれたのでしょう。
状況は違えど、できれば同じ職場で働きたい。
プラスアルファとして文化。日本の文化について何一つ知らないんですもん。
茶道を習おうと模索中。
ということで、まあ、ヤリタイコトらしきものはおかげさまで一応定まったわけです。
このブログの雰囲気も今後少しは明るくなるのではないでしょうか。笑
うし、がんばるぞい。
神田(実際は神保町)の古本屋街は自転車で20分ぐらい。かなり近いんですね。
どうしても欲しい本があって。
それが『ルワンダ中央銀行総裁日記』(服部正也著 中公新書)です。
以前先輩に薦められ、図書館で借りて読んだのですが、自分のが欲しいと思って。
でも残念ながら絶版なんです。
アマゾンで買おうかと思っていたのですが、
その前に探してみようと古本屋街へ足を運んだのでした。
古本屋巡りは入学以来2年半ぶり。
前回は小林秀雄全集を探して並びの本屋を一つ一つ聞いて回り、
ようやく発見してかの田村書店で購入したのでした。
前回は「小林秀雄全集ありますか?」と聞けばよかったものの
今回は(あまりメジャーじゃないため)そうもいかない。
そもそも「中公新書」自体、古本屋には置いてないんです。
(岩波は文庫も新書もいっぱいあるんですがね・・・)
田村書店(一番品揃えがよく、安いお店)でも「中公新書はないんですよ」と軽くあしらわれる始末。
厳しすぎるぅ。
まあ、あるはずないよなあ、
そもそも中公新書のカバーってどんなだっけと思いつつ、
神田古書センターの表にさらしてある古本の山を、見ていたら
ルワンダ・・・
ん
もしや?
そうです。あったんです。
値段は100円。しかも初版らしい。
これは運命か!
とにかく、トーキョーってなんでもあるなあ、と満足して帰ったのでした。
なんでこの本が欲しかったかというと、こういう風になりたいと思ったから。
この人を目標にしようかと思ったんです。
この本の著者、故・服部正也氏は1918年生まれ。
東大法学部卒で、戦後日本銀行に入り、47歳でルワンダに中央銀行総裁として出向、
自ら経済政策を作成し、5年でルワンダの経済復興を成し遂げたというすごい方。
その後はIMF(国際通貨基金)に出向し、最後は日本人としてはじめて世界銀行の副総裁になった人です。
経歴や実績も素晴らしいのですが、僕が憧れるのはそこではなくて。
人間性というか、考え方というか・・・生き方が「立派」なんです。
人間として憧れる、そんな存在。
素晴らしさは語りつくせませんが、
「自分のアタマで物事を徹底的に考える姿勢」、
「問題を話し合いで解決する論理力」
そして「行動力」。
当時最貧国であったルワンダには旧宗主国ベルギーなど他国から様々な人間がやってきています。
彼らは口では「ルワンダのため」と言い、一見その通りのような行動をしながら、結局は自分の利益のために行動しています。
それが結果的にルワンダの経済を歪め、復興を妨げている一因となっている場合が多々あるのです。
それを服部氏はすべて見抜いてしまう。
でも一瞬で見抜くのではなくて「どこか腑に落ちない」と思ったら徹底的に考える。
その姿勢が素晴らしい。
例えば商業銀行(当時ルワンダ唯一の民間銀行。ベルギー人が顧問をやっていた)の取引と通貨の相場が不自然なことに気づいたときのこと。
「五月のある日、私は不思議なことに気がついた。・・・つまり供給が増えているのに価格が上がっているのである。私は一生懸命その理由を考えた。・・・おかしなことがあるものだと二日考えた結果・・・むしろ相場を定期的に引き上げることが銀行にとって確実に利益になるのだ、ということに気がついた。私は腹が立った。畜生、通貨を玩具にして独占的利益を挙げていやがる。利益のために一国経済のもとである通貨価値を意識的に減価させていることは許せない気がした。しかしそれにもまして腹が立ったのは、今までこれがわからなかった自分の頭の鈍さ加減であった。」(87-88ページ)
その後、すぐに服部氏は商業銀行に連絡を入れ、指導をします。
すぐさまベルギー人の専務が文句を言ってくるのですが、
正当な論理で言い込めてしまうのです。
それがあまりにもかっこいい。笑
「正義は勝つ」のかもしれないけど、彼ほど「正義」を振りかざせる人はいないんじゃないでしょうか。
その後も彼は政策立案に当たってルワンダの商人に聞いたり、銀行員に聞いたりとすべて自分の目で見て考え、確かめていきます。
そして結論を見つけ、「ルワンダ人のためにはどうすればいいのか」を考え、それを自ら実行するのです。
・・・そんな服部氏に憧れて。
将来について、一年前からいろいろと悩んでいたのですが、ここで落ち着くような気がします。
こうなるためなら一生かけてもいいのではないかと。
「ヤリタイコト」って何だろう。いろいろと考えたこの1年。
日本に生まれたこと、この大学にいること・・・
ヤリタイコト探しに当たって自分というものをいろいろ考えていましたが、
結局はロジックというよりは、職業と人間性への「憧れ」に落ち着いたようです。
何で服部さんみたいになりたいの?
・・・世界のためとか、人類のためと言うよりは、かっこいいから。のような気がする。笑
とりあえず、相手を知り、まねることからスタートです。
まず学問。服部氏は法学部卒ですが、経済の知識は凄い。
本書もある程度マクロ経済の知識がないと読めないので、今はわからないところだらけ。
まずは基礎的な経済学を勉強しないと。
次に語学。服部氏は最低限、日英仏は話せるようです。(現地の人の言葉を聞いて政策を作っているんだから凄い)
とりあえず今年は英中。韓国語もやりたい。
そして精神。立派なのはここなんですが、おそらく「日本人」的な考え方なのではないかと思い、とりあえず『武士道』を読んでいます。
『論語』も読む予定。
あと経歴。服部氏は日本銀行の外国局で18年勤めたあと65年にルワンダに渡っています。
当時の日銀はまさに復興の最中。ここで経済の知識を叩き込まれたのでしょう。
状況は違えど、できれば同じ職場で働きたい。
プラスアルファとして文化。日本の文化について何一つ知らないんですもん。
茶道を習おうと模索中。
ということで、まあ、ヤリタイコトらしきものはおかげさまで一応定まったわけです。
このブログの雰囲気も今後少しは明るくなるのではないでしょうか。笑
うし、がんばるぞい。
>・・・世界のためとか、人類のためと言うよりは、かっこいいから。のような気がする。笑
そうそう,俺がずっと伝えたかったのはこんな感覚よ.
ばりばりの社会学畑出身でこういうことを言うものなんですが,所詮世の中なんてロジックで説明なんてきませんから,最後は「想い」です.利己的だろうがなんだろうが.
どんな環境におかれても,想いを大事に根性を持っていけば,やりがいだって見つかるもんだし,自分の味方も見つかるし,不思議なことに人生なんとかなるもんです.それをやってのける人のことを「優秀な人」というのだなぁ,と,社会にでてつくづくそう思っています.
とにかく,ファイトだぞー.まぁ,適度に気を抜きつつ.