「「最先端似非(?)科学のリバネスって、隠蔽も素早いんだな!!」社長のブログ」の「風評被害とは(農水省への電凸レポート入り)」
「風評被害」の定義について、農水省に電話をして質問したところ、「(確定的な定義は定めていないものの) 科学的知見に基づかずに噂などが流れて、ものが売れなくなる状態のことです」という回答を得た、と書かれています。
上記定義によれば、「九州産の」農水産物が売れなくなる (価格が下がる) のは「風評被害」だが、「福島産や茨城産の」農水産物が売れなくなる (価格が下がる) のは「風評被害ではない」と考える余地が残ることになります。
なぜなら、上記ブログ主が書いているように、あるいは私が以前、「「風評被害」の定義」で述べたように、
いかに「安全な」レベルであるとはいえ、
放射性物質を含まないほうがいいに決まっている
からです。
そもそも、「安全な」レベルであるにもかかわらず、(売れなくなったり) 価格が下がれば「風評被害」だということになれば、たとえばクルマについても、
やはり、「科学的に安全」である以上「同じ価格で」売れなければ「風評被害」である、といわんばかりの風潮は「おかしい」と考えてよいのではないでしょうか。
いかに「科学的に安全」なレベルの放射性物質しか含まれていないとはいえ、含有する放射性物質の量が少ないほうが (もっと)「科学的に安全」である、と考えてよいはずです。
そもそも、日本は資本主義社会のはずです。価格は「市場」によって決定されるのが当然で、価格を「行政」が決定 (または操作) しようとすること自体、「おかしい」のではないかと思われてなりません。
なお、不動産の場合、「以前、その部屋で誰かが自殺していた」場合、(貸主・仲介業者には) その事実を告げる「告知義務」があると (一般に) 解されています。つまり、過去に誰かが自殺した部屋は「科学的に安全」だが、物件の人気・価格が下がるのは当然であって「風評被害」ではない、ということです。
あちこちで「風評被害」という言葉を聞くのだけれど、新聞とかで語られている「風評被害」と、僕が思っている風評被害がかけ離れている感じなので、まず、農水省に電話して風評被害の定義について聞いてみた。そのまとめ。
(中略)
最初に「風評被害の定義を教えてください」と質問したら早速モゴモゴ。「特に決めていないのだが、科学的知見に基づいていない流言飛語などがあるおかげでものが売れない状態が風評被害だ」というので、「朝日新聞に掲載された「千葉県産の魚が風評被害で売れない」という状態は風評被害ではないですよね、これは安全性が科学的知見によって証明されていないんですから」と突っ込んでみた。すると、「農水省はこの件については「風評被害」という言葉は使っていない」というので、「では、朝日新聞の記事は、朝日新聞が勝手に間違った言葉を使ったということですか」と聞くと、「私たちはそこまで関知していない」とのこと。続けて、「大臣も風評被害という言葉を使っているが、では、その定義はないということか」と聞くと、もごもごもごもご(笑)。その上で「総務課に聞いてくれ」とのことなので、わかりました、身分とお名前をお願いします、と聞いたら消費者の部屋の水産安全専門官だそうで。じゃぁ、総務課に聞くかなぁ、と思い、「念のため今の回答を文書でください。文責をはっきりさせたいので」と言ったら、他の部署に回された(笑)。文章にするのは嫌みたいです。
#僕が元役人だからって、役人が嫌がりそうなところをわざとついているなんてことはないですよ(笑)
次に回された先は総合食料局技術課というところ。消費者の部屋は酷い部屋だったけれど、こちらはちょっとマシな感じ。
それで、「風評被害という言葉の定義を教えてください」と質問したら、例によって「科学的知見に基づかずに噂などが流れて、ものが売れなくなる状態のことです」とのこと。なので、僕が「朝日新聞に千葉の魚が風評被害という言葉が載っていたけれど、これは風評被害じゃないですよね。だって、そもそも安全だってことがわからないんだし」と聞いたら、「そのあたりの受け取り方はそれぞれです」だって。おいおい、言葉はそれぞれなのかよ。朝日新聞が勝手に風評被害という言葉を使ったから仕方がないってか?
(中略)
そこで、別の方向から突っ込んでみた。「基準内であっても、気分で買いたくないというのは普通の話ですよね。例えば中国産の餃子やにんにくは国産に比較して安いわけで、それは「もしかしたら何か変なモノが入っているかも知れない」と思うからですよね。安全は確認されているけれど、安全な範囲でも、食品としての価値は異なるわけです。ということは放射能でも同じです。仮に基準値が5000ベクレルとして、九州産が0ベクレル、千葉産が2000ベクレルとして、両者は食品としては妥当だけれど、消費者が九州産を選ぶのは当たり前ではないですか?また、千葉産が売れ残ったとしても、それは風評被害とは言えないのではないですか?」と質問。「個人的にはそれは消費者判断だと思うが、省としては回答不能です」と言っている。「じゃぁ、千葉の魚がちょっとでも放射能に汚染されていれば、これが売れないのは風評被害ではないですよね?」とたたみかけたら、「個人としてはそう思う」とのこと。
「個人的には」という枕詞付きではあるけれど、一応自分の考えを提示したところは評価できる。おそらく、農水省からはこれ以上突っ込んでも有益な話は出てこないだろうと思ったので、電話を切った。
さて、結局のところ、「風評被害」という言葉に定義はないことがわかった。今後、賠償金の支払いなどで重要になってくると思うし、定義がないなら政治家も気安くこの言葉を使うなよ、と思う。何でもかんでも「風評被害」で片付けられて批判されてしまったら生活者だって迷惑だ(風評被害は、要は「生活者がバカなんだよ、ちゃんと勉強しろよ」という意味だからね)。
「風評被害」の定義について、農水省に電話をして質問したところ、「(確定的な定義は定めていないものの) 科学的知見に基づかずに噂などが流れて、ものが売れなくなる状態のことです」という回答を得た、と書かれています。
上記定義によれば、「九州産の」農水産物が売れなくなる (価格が下がる) のは「風評被害」だが、「福島産や茨城産の」農水産物が売れなくなる (価格が下がる) のは「風評被害ではない」と考える余地が残ることになります。
なぜなら、上記ブログ主が書いているように、あるいは私が以前、「「風評被害」の定義」で述べたように、
いかに「安全な」レベルであるとはいえ、
放射性物質を含まないほうがいいに決まっている
からです。
そもそも、「安全な」レベルであるにもかかわらず、(売れなくなったり) 価格が下がれば「風評被害」だということになれば、たとえばクルマについても、
「表面に多少、傷がついていても安全」なのに、クルマの売れ行き・価格が下がれば「風評被害」ということになってしまいます。また、たとえば不動産については、
「以前、その部屋で誰かが自殺していても安全」なのに、物件の人気・価格が下がれば「風評被害」ということになってしまいます。
やはり、「科学的に安全」である以上「同じ価格で」売れなければ「風評被害」である、といわんばかりの風潮は「おかしい」と考えてよいのではないでしょうか。
いかに「科学的に安全」なレベルの放射性物質しか含まれていないとはいえ、含有する放射性物質の量が少ないほうが (もっと)「科学的に安全」である、と考えてよいはずです。
そもそも、日本は資本主義社会のはずです。価格は「市場」によって決定されるのが当然で、価格を「行政」が決定 (または操作) しようとすること自体、「おかしい」のではないかと思われてなりません。
なお、不動産の場合、「以前、その部屋で誰かが自殺していた」場合、(貸主・仲介業者には) その事実を告げる「告知義務」があると (一般に) 解されています。つまり、過去に誰かが自殺した部屋は「科学的に安全」だが、物件の人気・価格が下がるのは当然であって「風評被害」ではない、ということです。