言語空間+備忘録

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中国産農水産物の安全性

2010-06-10 | 日記
柘植久慶 『宴のあとの中国』 ( p.94 )

 中国における食品の安全基準は、極めて曖昧になっており、袖の下一つで検査を通ってしまう、というケースも珍しくない。普通なら信じられないだろうが、それが中国なのである。
 この国において驚くべきことは、末端の農民たちの農業への知識――とりわけ農薬への知識が乏しい点だ。水で薄めて使用せねばならないところを、粉末のまま手掴みで散布する者すらある。
 こんな使用方法だと満遍なく散らず、特定の範囲にだけ集中してしまい、その部分を十分に洗わず食したら最後、農薬中毒にやられるのだ。それが一万人や二万人ではない。
 農薬中毒で治療を受ける者が、年間五〇万人に達しているのだから驚く。死者は二パーセント――一万人に及び、このうち殺人事件も少なくないという。二〇〇七年に南京で発生した事件では、一度に三〇人以上が毒殺された。
 もちろん大半が農民の使用上の誤りなのは言うまでもない。多量に使用すればそれだけ効果が大きい、と信じているのだからたまったものではないと言える。
 大量に使用して効果をと考えるのは、農民たちだけではないのである。養殖業者たちもまた、魚が病気になるのを防ぐため、大量投与して問題を起こす。養鰻業者のマラカイトグリーンがよく知られた薬品だ。
 その上に重金属など毒水が農業用水に使用され、作物の芯まで滲みこんでしまう、というケースが危険極まりない。これは汚染された長江の水が使用されている、華南の稲作地帯の米が要注意であろう。
 このため北京や上海などの富裕層は、一〇倍以上高い日本の〈こしひかり〉などを食べている。カドミウム米はご免というわけだから、いかに中国米の信用がないかである。
 他の農産物を見てみると、やはり農薬によるものが圧倒的に多い。椎茸なども農薬を手で撒くことから、一個一個の危険性が全く違ってしまう。Aが食べて大丈夫だからと、隣でBが食べたら七転八倒ということも起こりうるのだ。
 ホウレン草など葉を食べる野菜も然りで、雪のように農薬をかぶったものなどは、たちまち効果が出てくる。そこで中国人は調理前に水でよく洗ったり、洗剤を使って洗い流すことをやっているのが知られる。
 いかに残留農薬が問題になっているかは、「農薬が完全に落ちる洗剤」という宣伝文句の洗剤の存在でも、おおよその見当がつくだろう。多くの中国人はそれに飛びついて、市場で買った怪しげな生産者直売の野菜を、十分時間をかけて洗っている。
 もちろんニンニクのように根の部分を食べる野菜も、葉を食べる野菜と同様、いやそれ以上に残留農薬の危険が伴う。そこで中国人は高熱で調理する、「烤 (カオ)」という方法を採る。これによって可能な限り農薬を飛ばしてしまおう、という考え方なのである。
 たしかに高熱で処理することは、不純物などをかなりまで飛ばす効果が生じる。本来はあまり新鮮と言えない食材を、よく火を通してから食卓に供するのは、フランス料理と同じ手法だ。
 もし日本のように生食の食文化が盛んだとしたら、中国人のあいだでより多くの被害が出ているはず、と言えるだろう。よく火を使うことによって、辛うじて今まで程度で済んでいるわけである。
 危険なのは生鮮食品ばかりではない。加工食品もまた、天洋食品の製品のように、何が含まれているのか判然としない。反日分子が日本へ輸出されることを狙って毒物を混入したり、労働問題がこじれて会社への意趣返しのつもりで細工したり、というケースが考えられるからだ。あるいは反政府分子が国内の不安――輸出産業に打撃を与えるため、毒物を用いることすら想定できる。
 つまり生鮮食品から加工食品まで、中国からの食品は危険がいっぱいである。オリンピック直後にもインチキ粉ミルク事件が発覚、五人の死者と五〇〇人からの重症者 (発表されただけで) 、一〇〇〇人以上の被害者を乳幼児に出した。これは水で薄めて栄養不足になったのを補うため、メラミンを加えたのだからたまったものではない。たちどころに輸出乳製品へ波及、ついに日本でも被害が生じ始めた。政府の発表した被害者の数は氷山の一角だろう。


 中国の食品は危険である。野菜や魚などに、大量の農薬等が使用されており、中国では「農薬が完全に落ちる洗剤」が売られている。また、中国においては、高熱で調理するのが常識である、と書かれています。



 野菜や魚など、中国産の食品が危険である、と書かれていますが、それらは店頭で購入する際に、「産地表示」を確認すればすむことではないかと思います。

 有機農法など、無農薬栽培を好む人もいますが、それらは概して高価です。(日本の) 消費者の立場で考えるなら、「高価であっても無農薬のものがよいのか、多少、農薬が使われていても安いものがよいのか」を選択する自由があればよいのであり、「産地表示」が虚偽でないかぎりは、問題にする必要はないと思います。

 もっとも、「産地表示」がない場合には、消費者には、事実上、選択する自由は存在しません。その場合が問題になりうると思います。たとえば、弁当や惣菜屋さんで売られている調理済み食品などについては、「産地表示」がありません。したがって、それら「産地表示」のないケースについては、判断が難しいところだと思います。



同 ( p.99 )

 スーパーマーケットなどで野菜をチェックすれば、「中国産」と明示されていることが多い。しかしながら加工食品として輸入されたとき、切り刻んだ状態ならそうした明示は全く必要とされない。菓子も餡が中国製というケースがあり、安価なものは使用されていると考えて間違いないのである。
 とりわけ中国産の食材がスーパーなどで売れなくなってからは、値崩れして外食産業へ流れこんだ。だからカットされた野菜など危険ランクAのメニューと断言してよい。


 加工食品には「中国産」の表示は必要とされておらず、「安価なものは使用されていると考えて間違いないのである」と書かれていますが、



 消費者としては「少量なら死なない、食中毒にもならない」と考えるほか、ありません ( 現実問題として、中国産の食材が含まれているかどうかを見分けることは不可能だと思います。外食はしない、加工食品等は買わない、というのも非現実的です。なお、私は中国産食品がすべて危険だとは考えていません ) 。



 ところで、ここで日本の農家 (生産者) の立場に立って考えてみれば、中国は有望なマーケットである、といえます。

 上記引用部には、「北京や上海などの富裕層は、一〇倍以上高い日本の〈こしひかり〉などを食べている」と書かれています。

 ここで重視されているのは、「味」ではなく、「安全性」です。「味」は、作物の種子を中国に持ち込めば簡単に模倣されてしまいますが、「安全性」となると、話は違ってきます。安全性の場合には、「どこで作ったか」が問題であり、中国で同等の安全性を保証することは、困難だと思われます。

 したがって、(日本の農家にとって) 安定した市場たりうる、と考えてよいのではないかと思います。



 なお、「日本の食糧自給率」について、私は、意外と安全なレベルにあるのかもしれない、と考えています。輸出も行っていることは、ますます「安全である」と考える根拠になります。
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