小島教育研究所

教育関連ブログです。数学を筆頭に学問全般に渡る有用な情報を提供致します。
東海生、名高生、半高生に最も読まれています。

Xウィンドウは誰のためのものか。

2011-08-31 | コンピュータよもやま話

ずいぶんと昔の話で恐縮するけれど、MITではUNIX用ウィンドウシステムとしてXウィンドウを作成していた。正確にいうと、Xウィンドウというシステムの仕様をまとめていた。正式名称は「Xウィンドウ・コンソーシアム」という団体がXウィンドウシステムの仕様書をまとめていた。コンピュータメーカーは無償でそのXウィンドウシステムを自社のUNIXマシンに実装することが出来た。日本にいては実態が分からぬので、一度その仕様のまとめ作業をどのようにやっているのか、見学したいと申し出ると、あっさりOKがいただけた。

MITXコンソーシアムの陣容は如何に?と思いきや、常任メンバーはチェアマンのP氏をいれて6名だった。この6名で、世界のコンピュータメーカー各社から送られてくる、各種提案を取りまとめるのが、彼らの仕事大半であった。

当然、日本からの提案も多く、NEC、富士通、日立、沖などから熱心な提案がFAX,メール等で常に送られてくる。送信元では、さぞかし多人数で仕様をまとめていると思ってるだろーなー。Xウィンドウは、何ヶ月単位でX-11ヴァージョンXXと次第にバージョン番号を上げていた。

ここでも、一つ実感したのは、「大切なことを決めるのに、多人数は不要で、本当に分かっている人、数人で仕事は出来る。」ということである。このとき以降、この思いは常に変わっていない。

MITにリチャード。ストールマンという、FSF(フリーソフトウェアファンデーション)運動の中心人物がいる。彼によれば、ソフトウェを営利目低で販売するのはもってのほか、ソフトウェアは、水とか空気と同じで、人間にとってはなくてはならぬものだとする。これは今に続いており、「オープン・ソース」がその運動から出来たものである。ずいぶん前のことですが(1986年頃)リチャードが横浜でのUNIXフォーラムかなにかで来日した折、熱くFSFについて語ってくれたのが、ついこの間のことのようです。

 

 


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ああ楽しきは、アップル社の社員食堂いえいえ、カフェテリア。何でも食べ放題?

2011-08-31 | コンピュータよもやま話

まだ、アップル社が日本法人を持たぬとき、所用でアップル本社にショート・ステーする機会があった。まず、入り口で当座のIDカードをもらう。個々の部屋の入退室には、リーダーにこのIDカードを通さねばならなかった。カードを受け取るとき、社内ではお金は一切不要と聞かされた。昼食時、カフェテリア形式の社員食堂で食事をする。あれもこれもとトレーに山盛りの食事、果物、デザートをとる。お金は不要だが一応何をどれだけとったかレジで確認し、IDをカード読み取り機に通す。売店で何をとっても、IDカードを通しておしまい。

あるとき、プレゼンテーション・ルームに通され、7,8人でディスカッションが始まった。司会は極東担当ディレクターの中国人女性。

どうやら、アップルジャパンの立ち上げをするについて、どこの誰を抜擢すればよいかの検討会議だった。この世界の慣例に従い、東芝関係者のなかから人選をすることに決定。東芝ヨーロッパの総責任者T氏が最有力ではないかといった会話が続く。

結局、滞在中の全ての経費はアップル社もちだった。日本に帰ってきてしばらくすると、「アップルジャパンの社長に、東芝のT氏!」というタイトルが新聞紙上をにぎやかしていた。

 


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最近のプリンター事情。

2011-08-31 | コンピュータよもやま話

キャノン、エプソンの頑張りについては、最近触れたばかりです。

PCも本体価格が安くなり、ノートPCも買いやすくなってきた。付随して、プリンターも格安になってきた。最安値は6000円程か。

おおよそ1万円ちょっと出せば、個人用としては十分な能力をもつカラープリンターが手に入る。ただ、耐用年数が短いように感ずるのは、この私だけだろうか。例えば、今から20年ほど前では、まだシリアルプリンターが主力であった。本体価格は20万円であったかと思う。かなりハードに使うとプリンターヘッドのピンが折れて、ヘッドの交換となった。メーカーは違えど、大半はアセンブリ交換で2万円が相場だった。それ以外故障らしい故障はなく、10年でも20年でも使うことが出来た。ところが今の市販のプリンターは安くはなったが、2年もすると壊れてしまう。そして修理するより、買ったほうが安く付くという状況により、次々とプリンターを消耗品のように買うことになる。故障のほとんどはインク漏れによる電源ショートが大半であろう。メーカーもまたその辺の事情は先刻承知で、ハードであるプリンターで儲けるなどとは考えず、交換用のインクで十分ビジネスになると考えている。筆者の予想であるが、プリンター1台にたいしてインク5セット購入で、元は取れ、それ以上のインクの購入が即利益に繋がるのではないか。いうならば、インクを使ってもらえばもらうほど儲かるというビジネスモデル(パフォーマンス・チャージ)ではないだろうか。個人的には、エコリカのような互換インクの存在はありがたいが、法的には違法判定が出ている以上、純正品を使わねばならないが、今の値段の20%程が適当かと思う。(写真一枚あたりのランニングコストから割り出したのが、今の標準価格なのかもしれない。)

メーカーの方々、是非プリンターのインクのお値段、もっと割引してください。

 


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ちょっと驚きました。アップルCEO辞任のスティーブ・ジョブス。

2011-08-30 | コンピュータよもやま話

8月23日、本ブログにアップルのスティーブ・ジョブス関連の記事を書いた。翌日、当のスティーブがCEO辞任を発表、そして役員会に受理される。

すい臓癌におかされ、余命いくばくもないスティーブの名誉のため、彼について私の知る範囲を以下に記す。

彼の優れているところは、あったらいいな、自分も欲しいな、と思える製品を企画しそれを実際に作り出す才能に恵まれているところだ。

それは、入学後にすぐ退学してしまったリード大学にて、退学後もカリグラフをしっかり学んだことだ。カリグラフ(西洋書道)とは、あくまでも綺麗で、美的な書体を目指すことだ。このときの体験が、マッキントッシュの豊富な書体を生んだといえる。商品としての完成度にこだわり、妥協を許さなかった姿勢は敬服に値する。

そんな彼、および彼の生み出す製品を扱う日本企業は多い。まだよちよち歩きのアップル社を支援していたのは、日本の帝人であり、キャノンであった。帝人は、アップル社製品をここ日本で正式に販売していた。また、とてもマイナーではあったがキャノンのCXーⅠというコンピュータはアップルⅡに5.25インチのFD(フロッピーディスクドライブ)を標準で搭載したモデルであった。(主記憶は標準で32Kバイト、オプションで+32kバイト増設可能であった。)

ゼロックスのALTOを見てLISAを造ったスティーブ。さらに個人用に徹底的にリファインしたものが、かのマッキントッシュであった。

天才、アラン・ケイの作品から啓示を受けるところが、天才スティーブの面目躍如と言えます。

私自身も、CMU(カーネギー・メロン・大学)の倉庫に眠っていたALTOの電源を入れて実際に使ってみたときの感激は今も鮮明に覚えています。手作りのキーボードと、手作りのマウス、ゴロゴロと大きな音のでるHD(ハードディスク)はとても人間味あふれたものでした。スティーブの人となりを、もっと知りたい方は、2005年(?)のスタンフォード大学卒業式における彼のメッセージをお読みください。

彼の健康回復と、更に世の中を楽しくしてくれるさらなる新製品を一つでも多く、この世に生み出していただければ幸いです。

コンピュータ関連の技術を熟知せずとも、優れた製品は生めるのです。


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WINDOWS日本上陸の頃。(1983,84年) 

2011-08-25 | コンピュータよもやま話

日本で最初にマイクロソフトのウィンドウズを実装したのは、NECだった。98シリーズへの移植作業が行われたのは、NECの姫路ソフトウェア工場であった。当時、日本にウィンドシステムに明るい人は、皆無であった。ここでも、若者が活躍する。社外社員としてHさんは、ウィンドウズの移植作業の陣頭指揮をとった。総工程1年半、250名のソフトウェア要員により、初代ウィンドウズが発売されたのは1985年のことだった。トランプゲームとリバーシーだけ使える、よちよち歩きのウィンドウズ。

 


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プリンターで独走する日本企業(キャノン、エプソン) 何故これほどまでに独走するのか?その秘密。

2011-08-24 | コンピュータよもやま話

コンピュータガ実用化されてこのかた、しばらくはアルファベットと数種の記号、カタカナしかコンピュータは扱えなかった。ワープロ専用機が出来るまで、日本語をコンピュータで扱うことはほぼ出来なかった。それは、文字コードの問題であった。初期のコンピュータでは文字コードは1バイトコードしか認識しなかった。8ビットで識別可能な文字種は128文字なので、とても漢字など扱うことは、はなからむりなことであった。漢字を無理なく扱うには、2バイトコード体系を取らない事にはどだい無理な相談だった。

そこで、JIS漢字コード第1水準、第2水準が制定された。急速に発展するPC。16ビット時代をむかえて、ソフトウェア側からの要請で、マイクロソフトはシフト・ジスコードを推奨し始めた。また、漢字を出力しるためにプリンターヘッドのピン数が1辺当たり22ピンとか24ピンのドット・マトリックス・プリンターが考案された。複雑な漢字を出力する必要から、プリンターの作成技術は逆に日本で急速に発展した。

一方、アップル社のマッキントッシュはその多彩な表現力を備えた豊富なソフト群があり、中でもDTP(デスクトップ・パブリッシング)用の高解像度プリンターの出現が望まれていた。それを世界で最初に実現したのは、キャノンのレーザーライターであった。漢字で悩まされ続けた日本だからこそ出来た、出力機における華やかな成功である。エプソンはその昔、第二精工舎といわれ、8ビットパソコンQC-10を発表し、ヨーロッパで高い評価を得ていた。(OSはデジタルリサーチ社のCP/Mであった。)日本で買うプリンターはキャノン、エプソン、HPと相場が決まっている。他のメーカーも自社ブランドでレーザープリンターを発売しているが、出力エンジンは大半がキャノンかエプソンのOEMである。2バイトコオード体系中、日本語の成功があって、中国語、ハングル用のワープロソフトも生まれ始めた。

2バイトコードのハンディを乗り越えた日本人の先達には、頭が下がります。

以上から、ハンディは逆に成句へのキーなのかも知れないことが分かります。

「クラブでも、勉強でも、何事につけても、環境のせいにすることなかれ。」

劣悪な練習環境の中から、あのナデシコ・ジャパンは世界のTOPに立ったのだ。

 


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PC(パーソナルコンピュータ)色々。アップル社快進撃の秘密。(ど素人の強みを発揮?)

2011-08-23 | コンピュータよもやま話

皆さん、PCは当然コンピュータ部門が扱うものと、何の疑いもなく、思いますよね?

ところが、ここ日本で一世を風靡した88,98シリーズを世に出したNEC(日本電気)のPCを製造したのは、コンピュータ部門ではなく、半導体部門であったのです。そう、半導体の販売のために、PCを製造していたのです。そのため、IBMとか、富士通のコンピュータとは設計思想がかなり異なっていました。例えば、安全にPCを停止させるためにPOFF命令が富士通にありましたが(MS-DOS版)NECにはありませんでした。またIBM、富士通は周辺機器の電源をどのタイミングで入れても、コンピュータ本体はそれを認識しますが、NECでは、初めに周辺機器の電源を入れておかないと、コンピュータ本体がそれら周辺機器を認識できなかったのです。例えば、NECだと最初からマウスをポートに接続しておかないと、後から接続しても、それと認識してくれなかったり、プリンターに関しても、全く同じことが起きました。

(現在ではもう改善されています。念のため。)

しかし、コンピュータのいわば、素人たちが、何とか半導体を売ろうとして考え出したPCだからこそ、コンピュータ部門の専門家でない発想が随所に見られました。例えば、テンキー(数字入力キー)はいまではほとんどのPCには初めから付いています。(ノートパソコンはテンキー別売りですが。)以前のコンピュータにテンキーは全く付属してはいませんでした。世界で最初にキーボードにテンキーを付けたのはNECのPC-8000シリーズです。当初NECの発売予定のPC(BS-COMPOだったかな?)にはテンキーが付属していなかった。それをある若者の提案で、急遽テンキーをキーボードに付ける事になったのです。(発売直前の提案であったが、わずか2ヶ月で間に合わせた。)

その若者の発案で「コンピュータに電卓と同じ配列のテンキー」が標準でキーボードに付いたのです。これなどはPCが若者中心の文化から生まれたものを示す格好の具体例です。ところで、みなさん、その若者は誰だか分かりますか?皆さんへの宿題としておきます。

皆さん、素人を馬鹿にしてはいけません。素人ほど怖くて恐ろしいものはいないのです。

i-pod,-phone,i-pad2を連発するアップル社。この会社は今でも若々しい会社であって、若者文化のリーダー的な会社です。なぜなのか、分かりますか。これはあくまでも私の推測ですが、社長に復帰したスティーブン・ジョブスがコンピュータのど素人だからなのではないかと思っています。あったらいいなこんな機械、こんなソフト、こんなシステム。この素人考えを社員に提示して、それを製品として実現させる才に長けているのが、ジョブスなのです。

実は、アップル社は2人の若者によって創業された企業なのです。2人のスティーブンと言って、現社長のスティーブ・ジョブスとスティーブ・ウォズニアック・の2人でアップル社を創業し、往年の名機(appleⅡ)の爆発的な成功によって、アップル社を発展させたのです。この2人のうち、コンピュータの専門家は、実はウォズニアックのほうだったのです。今ではジョブスのほうがそのカリス性によって有名です。お分かりですね、もう。ど素人の強みを遺憾なく発揮し続けているのがスティーブ・ジョブスなのです。

社長→会長(CEO)→退社→平の取締役(無給)→社長→CEOに復帰という離れ業を見せてくれた、スティーブ・ジョブス。ここまでドラスティックではないけれど、同じような目にあったソフトバンクの孫正義社長。孫さんのアップル社への肩入れは、お互いの経験の類似性に基づいているのかと思います。


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インターネット時代の勉強方法ってありますか?

2011-08-23 | 学習一般

インターネットが普及しはじめて既に15年ほど経ちました。生活の中に、しっかり根ざしているこのインターネット。そこに蓄積される様々な情報を効率よく利用すると、効率の良い受験勉強が可能となったり、色々な分野の最新動向を調べることも容易に出来ます。

その気になれば、受験数学なら、教科書、参考書なしに準備が可能かもしれません。それくらい、有用な情報もインターネットから得られる時代になりました。例えば、定理の証明を分かりやすいシュミレーションソフトでみることも可能です。

当然、その情報は玉石混交であるので、情報の質を調べる鑑識眼が必要とされます。

センター試験から二次試験まで、様々なサポートが得られる、サイト、ブログを皆さんで見つけてください。

 


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夏休みを振り返る。(ちょっと早いですが。)

2011-08-22 | 数学研究

この夏、「絵画の中の数学」というタイトルの講座をとりました。だまし絵で有名なフィーっシャーの作品はどうやって作られているかの舞台裏を教えていただきました。非ユークリッド幾何をつかって模様をデザインするあたり、エッシャーはただものではないことが再認識できました。

受講のおかげで、多くの数学者達の知恵と努力が詰まっている美術作品を鑑賞し解析する新たな楽しみが増えました。

オリジナル作品を作ってみようかといった気分になりました。請う、ご期待。

 


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画像数学ってご存知ですか?

2011-08-22 | コンピュータよもやま話

ここ10年ほど、各大学の情報科学系統の学部学科において、「画像数学」という授業が見られるようになった。その中で、多かった課題は「任意の写真の中に、何人の人物が移っているかを判定するソフトを作成せよ。」というものでした。人の目、口、鼻、耳、頭髪をどうやって認識するかが問われます。それが4,5年前から実用化されており、自動的に人にピントを合わせる機種が多くのメーカーにより製造されている。「パターン認識」の課題であるが、面白い課題なので、今後も課題として出題されるだろう。

(パナソニック、キャノン、ソニーの各機種をお調べください。)

 

 


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