マドンナのナイショ話

あなたに話したいあれこれ

ニューヨーク恋物語 第5章東京編

2008年07月05日 | ニューヨーク恋物語
「まえがき」


今週はプライベートで、少々凹むことがあり・・・
けれどどんなに凹んでいても・・・・
時間は過ぎてゆくし、時間が経つと傷口が段々と塞いでくる。


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立ち直れないかも・・・なんて思っていたけれど、何とか踏ん張れそうです。
人って、強いんだなぁ・・・と思う。


そんな中で毎日ブログを更新して、たくさんの人がアクセスしてくれて
私の平凡なブログを見てくれることは、私にとって大きな喜びです。
そんなことに、救われた一週間だった。


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さて、2週間ぶりの「ニューヨーク恋物語」です。
ブログへの更新と、mixiへの連載の足並みがやっと揃いました。


mixiでは、森山直太郎さんの「愛し君へ」を You Tubeで聴きながら
公開しているので、ちょっと雰囲気あるんです。


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今回は写真をふんだんに使ってあります。
あまり使うと、後半は写真大丈夫かな? なんて、自分で心配してみたり。(笑)


上の写真は
1  タイムズ・スクエア
2  NYの自由の女神 (お台場のではありません・笑)
3  NYの市内観光バス


物語の挿絵の写真は、「NIGHT Windows ~東京の夜景」のShinshinさんと
過去の「マドンナの夢ギャラリー」の更新写真です。


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ミューヨーク恋物語2008  BGM 愛し君へ(森山直太朗)


         


                          


「ニューヨーク恋物語 第5章東京編」


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昨夜大沢の腕の中で眠りについた今日子は
朝まで何度も目を覚ました。


目を覚ます度に、大沢が消えているような不安があった。
今日子は大沢に抱かれる時、何度も問いかけた。


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「私たち、夢じゃないよね・・・  ねぇ・・・大沢君、夢じゃないと言って」
それは慟哭にも似た、今日子の溢れてくる感情だった。


その度に大沢は今日子の耳元で囁いた。
「夢じゃない。 本物の今日子と僕だ」


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朝が来て・・・・
目覚めと共に今日子はいつもと違う自分を見つけた。


昨夜の喜びを認識し、もう大沢とは離れたくないと思った。
今、この瞬間も、砂時計がこぼれ落ちるように、時間が過ぎてゆく。


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食卓に軽い朝食を用意して
今日子は大沢のカップにコーヒーを注いだ。


「おはよう」
そう言って大沢を起こした。


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「うん?おはよう・・・ もう朝?」
「食事の支度が出来たわ。 今日から本社勤務だね。」


「嫌だなぁ・・・。 いつまでもここで今日子といたい」
大沢は子供のように駄々をこねた。


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洗面所で大沢が顔を洗う音。
「お~い 今日子、ヘアームースどこにある?」と、聞く声。
「ねぇ 僕の靴下は?」と、大沢はいつも今日子を頼った。


朝食の時のBGMは今でも変わらずユーミンのアルバム。
朝の慌しい時間でさえ愛に溢れていた。


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大沢の会社は新宿で、今日子の会社は渋谷にあった。
二人は支度が整うと「横浜駅」に向かった。


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駅への道筋でスポーツドリンクを買う大沢は昔と変わらない。
コインを入れる時、「ねぇ、今日は何にしよう?」と
今日子に質問するような、独り言まで一緒だ。


「あなたが飲むドリンクでしょ?」
毎回同じ独り言に、同じ返答。
こんなやり取りを今日子は懐かしいと、心が和んだ。


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この時間帯の横浜駅はかなりのラッシュアワーだ。
大沢はいつも今日子をかばうように横にぴったりいてくれた。


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朝目覚めると大沢が横にいて、カーテン越しに同じ風を感じ
同じ朝食を取り、同じ電車で東京に向かう。


その時、今日子はまるで大沢と夫婦になったような錯覚をする。
横浜でそんな生活が出来たらどんなにいいかと思う。


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大沢は、今日は、帰宅が何時になるかわからなかった。
それでも二人は待ち合わせをして一緒に帰ろうと約束した。


少しでも二人の時間を持ちたかった。
渋谷で今日子と別れた大沢は山手線で新宿に向かった。


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仕事に忙殺されて一日はあっという間に過ぎた。
二人は何とか7時に新宿で待ち合わすことが出来た。


今日子は大沢と一緒にいる一週間
思い出をたくさん作りたいと望んだ。
大沢もそんな今日子に、出来るだけ応えてやりたいと思った。


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二人は山手線で新橋まで行き、そこからゆりかもめに乗った。
そしてお台場に向かった。


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お台場もまた、二人にはたくさんの思い出があった。
初めて喧嘩をしたのもお台場だった。


大沢の集めているコレクションに今日子が嫉妬して
「もうそんなの見たくない」と言って怒った。


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三回目のデートで
「今日子さんと呼んでいいですか?」と言ったのもお台場だ。
「今日子さん」と、呼び始めて「今日子」になるまでは、とても早かった。


初めて「今日子」と呼んだ時、大沢は恥ずかしそうに目をそらせた。
大沢は一時も早く、「今日子」と呼んで、今日子に近づきたかった。


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二人は、フジテレビの球体展望室から眺めるお台場の夜景が好きだった。
海浜公園を歩くのも好きだった。


アクアシティお台場やデックス東京ビーチやヴィーナスフォートにも
よく二人で行った。
二人で買ったお揃いのものも今日子の部屋にたくさんあった。


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夕食を食べた後、二人はどこへ行くともなく歩いた。
この季節、夜風はとても心地よかった。


大沢は今日子と手を繋いだ。
指と指を絡ませる時、今日子はいつも大沢に言われた。


「今日子の爪が痛いよ」・・・と。


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長く伸ばしてネイルアートした今日子の爪と
深爪の対照的な大沢の手は他人から見れば滑稽だった。


けれども何千回と、指と指を絡めていくうちに
その対照が、二人の間では不自然ではなくなった。


今日も今日子は大沢の手を「爪攻撃」した。
それを愛情表現だということも大沢はわかっていた。


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時々今日子は無茶を言って大沢を困らせた。
「ねぇ・・・ 私もう一歩も歩けない。私をおぶって」


そんな無茶を言って大沢の愛情を確かめたがった。
おぶってやると今日子は、いつも大沢の背中で眠ってしまう。
大沢はそんな今日子をとても愛しいと思った。


「帰ろうか?」
大沢はそう言った。


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今日子は少し後ずさりして言った。
「ねぇ・・・ 私、もう一歩も歩けない。 大沢君、私をおぶって帰って」


大沢の顔が微笑んだ。
そして今日子にキスをした。


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これから横浜の今日子のマンションへ帰る。
愛の巣は、今夜も二人の帰宅を待っていた。


第6章へ 続く・・・




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