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こちら、ブカレストのブロックハウスに住む、友人宅の暖房器具。「ちょっと部屋を温めるとき、これで充分なのさ。」って、本来の用途は、ガスコンロ。もちろん友人宅には、ルーマニア都市部の代表的な暖房、カロリフェール(=工場で作られたお湯が各戸にパイプを伝わって循環してきて、それで部屋を暖かくする暖房具)が各部屋にあります。
カロリフェールはガス暖房よりも電気暖房よりもうんと安全な暖房具、これで部屋の中はぽかぽか。外は氷点下10℃以下でも室内は20℃をキープ。だったらなぜ、わざわざキッチンのガスコンロを使って部屋を温めるの?
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答えのヒントは上の写真、ガスメーター。「ガスを使えば使うほど、メーターが廻るじゃない?カロリフェールの暖房代よりもガスを使ったほうが安上がりなの?」・・・正解に近いです。
チャウシェスクの社会主義時代に建てられたブロックハウスが大半を占めるルーマニアの共同住宅。「個人のものは社会のもの。社会のものはみんなに共通。」という考え方なのか、旧来は各住戸に個別のガスメーター、水道メーターが付いていなかったのです。
そして、いまだに個別メーターが付いていないブロックハウスも多くて、その場合は水道代・ガス代はそのブロック一棟分のメーターを、住人で頭割り。各住戸に何人住んでいるかをきちんと管理人に申告して、みんなで頭割りするのです。
たとえば、一棟15戸あるブロックの場合。15戸に住んでいる15家族それぞれが何人家族であるかを調べ、人数を合計して50人居れば、ブロック全体の水道代・ガス代を50で割り、一人当たりの単価を算出し、家族の人数分をかけて一家庭の負担額となります。
近年のカロリフェール暖房費の高騰で、各住戸のカロリフェールにはそれぞれメーターがつくようになり、使った分だけその家庭が負担することになっています。でも、ガスメーターが付いていないブロックハウスの場合、ブロック全体で頭割りするわけだから、使えば使うほどお得感。逆に自分のところが節約していても、お隣さんがじゃんじゃん使っていて、頭割りとなるとお隣の分まで負担しているようなもの、これでは割に合わない、と、みんなガスを使うのです。
ちなみに我がブロックハウスに個別のガスメーターが取り付けられたのは2009年秋、水道メーターは昨年の夏。電気のメーターは私がやってくる以前から家の中に存在していました。ガスのひとひねり、水道の一滴が我が家の財布の負担になるので、当然ながら節約生活。
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ガスコンロを暖房具がわりに使っている友人宅にはまだ個別のガスメーターは設置されておらず、「キッチンを温めて扉を開けておけば、廊下も暖かくなるし、これで充分。」と。個人の財布には優しくても、エコかな?それに火事の心配は?
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カロリフェールはこんな感じ、こちらから。
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