ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

続・ルーマニア式フェアプレー

2007-08-01 | ルーマニア・ランニング事情


昨日の作文をまとめ、気分をすっきりさせて走りに出た夕方のこと。いつものスタジアムでラン仲間に出会いました。(上はイメージ写真、標高2000mにある400mトラック、国家養成選手だけがトレーニングを行うところです。)

「ヤア、ヒロコ、日曜日ハ、イヤナ目ニ合ッタネ、気分ハ直ッタ?」
「アリガト、日曜日ハ、ドウシテコンナ事ガ起コルノダロウト、私モ混乱シタケレドモ、今ハ大丈夫。次ノレースガ控エテイルシ、気分ヲ切リ換エタワ。」
「ソウダネ・・・。」

しばし沈黙ラン。「デモネ、コノ話ニハ裏ガアルンダヨ。」~次に彼が聞かせてくれた話はさらにショックな内容でした。
 
彼の見方によると、主催者のボスとA選手のご主人はごく親しい間柄。賞品や賞金のこともあるし、A選手を優勝者にしたのだろう、ということです。日本から来た得体の知れないランナーを元国家養成ランナーのA選手の上に上げるわけにはいかず、私を別の年代に廻したのだろう、という推測。

「エ?マサカソンナコト?」
「推測ダケレド、キット事実サ。単ナルミスダトスレバ、主催者ハ携帯電話デモ何デモ使ッテ、A選手ヲ呼ビ戻ス事モ出来切タハズ。デモ、主催者ハソレヲシナカッタ。」 
 
次に彼は事実を教えてくれました。女子50歳代の表彰には、一切の賞金がなかったとのこと。ほかのベテランの部の表彰では優勝80レイ・2位50レイ・3位30レイが用意されていたのですが、女子50歳代に限ってプライズ・マネーなし。女子50歳代の表彰対象者はカンカン(=怒っている)ですが、主催者の采配に文句も言えず、そのまま帰ったそうです。

「日本人ヲ、50歳代ノ優勝者ニシテオイテ、ソノママ表彰ヲ進メ、ソコニ賞金ヲ渡シタクナカッタノサ。」~これは彼の推測。
 
続く女子60歳代の表彰では優勝80レイ、2位以下無し。けれども、女子の最終ランナーに賞金が在った、との事。「女子最終ランナーハ、地元ランナーナンダヨ。」~地元に手厚く、との事です。
 
さらに昨年の事実。男子総合優勝者よりも、女子総合優勝者のほうがはるかに多くの賞金をもらっていた、との事。2位以下、一切賞金無し。この女子優勝者も、地元ランナー。地元に手厚く、との配分です。

これを不服とした女子2位のブカレスト在住のアリーナ、主催者に断然抗議し、その場で200レイをゲットしたそうです。が、男子2位の選手は抗議もしなかったので、賞金なしのまま。
 
ラン仲間の推測が事実に近いものだとすると、すべてが納得できます。

私が、年代別クラスわけが間違っていることを申し出たとき、主催者は「イイカラ、表彰台ニ上ガリナサイ。」とミスを認めず先に進めようとしました。私は前日入りしたときに主催者に出会っています、私のどこが50歳代に見えるのでしょう?前もって入賞者リストを確認したときにおかしい、と気付くはずです。
 
やり直しの40歳代の表彰式を前に、「2位ノA選手ガ、戻ッテ来ルマデ、待チマス。」と主催者に表明したときにも「彼女ハ、モウ、帰ッタ。」と、A選手を探そうともしませんでした。
 
すべてが終わったあとでA選手に出会ったときに彼女は「私ハ悪クナイ。主催者ノミス。」を連発し、賞金・賞品の返上もしませんでした。主催者側のアレンジを彼女が知っていたのか知らなかったのかは判りませんが、いずれにせよ主催者と親しい夫がいるので自分は守られているのです。
 
私がステージ横で「A選手ハ、自分ガ2位デアルコトヲ知ッテイルノニ、間違イヲ正ソウトセズ、堂々ト1位ノ表彰台ニ上ガッタワ。賞品ト賞金ヲ貰イ、スグニソノ場カラ、立チ去ッテシマッタワ。コレハ、フェア・プレーカシラ?元国家養成エリート選手ノA選手ヨ。」と大きく騒ぎ出したものだから、主催者は仕方なく、私を40歳代の優勝者として表彰をし、A選手に渡したのと同じ額の賞金を出したのでしょう。

「コノヨウナ事ハ、ルーマニアデハ、有リ得ルコトナンダ。時々、在ルンダヨ。」
「・・・・」
「ルーマニア語デ、【hot=ホッツ】ッテ言ウンダ。仕方ナイヨ、ココハ、ルーマニアダカラネ。」
 
推測をしたビクターは、「仕方ナイヨ」と言いながらも、自分の身に【ホッツ】が降りかかってきたら断固戦っています。実力もある彼は「ひと言物申す」タイプですが、「イチャモン付け」ではありません。
 
私もマイダーリンも、ビクターの推測を支持。たぶんそんなことだろう、と納得し、あきらめました。ダーリン、「モウ、サロニックノ大会ニハ、二度ト行カナイ。」と憤慨していますが、私は機会あればまた行きます!そして納得のいかない主催者側のアレンジメントやアンチ・フェアプレーがあれば、断固戦います!

でも、次に行ったときに年代別入賞しても、私の年代には賞金も賞品が用意されていないかもしれません・・・「日本カラキタ、アノ、ランナーハ、昨年、騒ギヨッタ。アンナ奴ニハ、何モ、ヤランデモヨイ。」との主催者の一声で、すべてがアレンジされてしまう大会かもしれないのです。

「来年ハ、キット、良クナッテイルワヨネ。来年、ハ、来年、ヨネ。」
「ソウダヨ。来年、ハ、来年サ。【ホッツ】スル奴ハイル、少ナイケレドネ。フェア・プレーヤーノ方ガ、ズット多インダ。」~ビクターもこの大会に不信を抱きながらも連続参加しています。
 


明日はまた、明日。

主催者の【ホッツ】とA選手のアンチ・フェアプレー、私にとってショッキングな出来事でしたが、前向きに気分を切り替えることが出来ました。スポーツで自分を磨き、フェア・プレー精神を育み、実力を発揮するルーマニア人の強さがあることもまた、事実なのです。


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ルーマニア式フェア・プレー?

2007-08-01 | ルーマニア・ランニング事情


先の日曜日に、スロニックで4キロのクロスに参加したときのことです。私にとってちょっと信じられないアンチ・フェアプレーが起こりました。・・・悪い意味の出来事、です。日本語で書こうかどうか迷ったのですが、これもまた私の経験、書いてみることにしました。

(上はイメージ写真、ブカレストにいくつかある公認トラックのひとつ、ディナモ・スタジアム。フットボール(=サッカー)チームのディナモの本拠地であることから、ディナモ・カラーである赤と白に塗り分けられています。)
 
年代別クラスわけのある大会です。私の同年代のライバルはA選手。元国家養成選手で日本の長野マラソンや駅伝にも招待されたことのある本物のエリート。でも今では引退してジュニアの育成コーチ、自分の走りにはまったく力を入れていませんが、市民マラソン大会には時々参加してきます。
 
一緒にスタートして1キロ通過までに彼女を抜き、そのまま彼女の気配を感じることもなくゴール、着順判定係で私は年代別(=40歳代)の1位、彼女は2位であることを確認。
 
ところが表彰式で年代別優勝にあげられたのはA選手。年代別3位までの表彰に私の名前はありません。「??」~不審に思いましたが、女子総合で4位に入っていたので、そちらの表彰対象なのかしら、と勝手に判断し、その場では、年代別優勝のA選手にステージの下から拍手を送りました。
 
その次、私の年代別クラスよりもひとつ上のクラス分け(=50歳代)の表彰で、私が優勝していることになっていて、名前を呼ばれました。「コレハ、私ノ年代デハ、アリマセン。私ハ40歳代ノ部デ、1位デス。」、主催者に訴えました。着順判定表は正しかったのですから、表彰状記載のときに間違えたのかもしれません。

主催者は「何ノコトダ?良イカラ、表彰台ニ上ガリナサイ。」「ソレハ出来マセン、私ハ50歳代ノランナーヲ、尊敬シテイマス。私ガ1位ニ上ガルト、50歳代ノ本来ノ優勝者ガ繰リ下ガッテシマイマス。」~私はステージ脇に下がり、50歳代の部の表彰では本来の優勝者が一番高いところに上がり、表彰終了。
 
「私ノ表彰ハ、ドウナリマスカ?」~当然の疑問です。40歳代の本来2位のA選手が堂々と優勝の表彰を受け、賞金・賞品などをもらっています。「A選手ト私ハ、顔見知リ。A選手ハ、40歳代ノ1位ガ、誰デアルカ、知ッテイルハズデス。」~そしてその選手は、あっという間に会場から居なくなっていたのです。
 
これには驚きました。ステージ脇の騒ぎで私のラン仲間も集まってきてくれました。「本来、2位ノA選手ガ、堂々ト優勝者ノ表彰ヲ受ケ、モウスデニ、会場カラ、立チ去ッテイルノ。」

私は表彰のルールがよく判っていなかったので、40歳代表彰のその場で間違いを正す勇気はなかったのです。でも、何度もこの大会に参加しているA選手は表彰のルールもわかっているはず。
 
ラン仲間も一緒に憤慨してくれました。私とA選手は何度も年代別のクロスで一緒に走り、私はいつも競り合うことなく彼女に先着していることを知っている仲間たちです。A選手の携帯電話番号を知っている友人が居ました、電話してくれましたがつながらず。
 
その間に主催者は、私の表彰のために賞状と賞金、優勝カップを用意してくれました。「表彰ヲ、行イマス。」~ラン仲間は「ヒロコ、2位ノA選手ガ戻ッテ来ルマデ、表彰台ニ上ガルナ。」と応援してくれます。私も「2位ノA選手ガ、戻ッテ来ルマデ、待チマス。」と主催者に表明したのですが、「彼女ハ、モウ、帰ッタ。」
 
一人だけで表彰式。私がいただいたカップは2006年のものでした。予定数しか用意されていないだろうから、急遽の間に合わせだと思いました。賞品はありませんでした。
 
すべてが終わったあとで、ラン仲間はA選手を見つけてくれました。駐車場まで彼女に会いに行きました。

「貴女ハ、誰ガ、私達ノ年代ノ優勝者カ、判ッテイタデショウ?」
「ソウヨ、知ッテイタワ。表彰ノ前ニ、主催者ニ言ッタケレドモ、主催者ハ、聞イテクレナカッタ。ダカラ、コレハ、ワタシガ悪イノデハナイ。主催者ノミスヨ。主催者ガ、間違ッタノダカラ、私ハ悪ク無イワ。」
 
確かに主催者のミス。でも、ミスを正すのがフェア・プレーではないのでしょうか?彼女の「私ノミスデハナイ。」との、あまりもの剣幕に圧倒されてしまいました。

おまけに彼女を探し出してくれた友人も「ソウヨ、彼女ハ悪クナイワ。」と言い出し、私は何も言えなくなってしまいました。・・・彼女の携帯番号を知っているくらいですから、彼女の親しい友人で彼女の肩を持つようになっていたのです。
 
A選手は年代別優勝の賞品・賞金を主催者に返上することもなく、そのまま持ち帰りました。う~ん、こんな考え方もあるのでしょうか?
 
私が考えるフェア・プレーは、自分が年代別優勝者ではないことを知っていたら、主催者がなんというと記録修正を申し出ます。そして、本来の優勝者の名前を挙げ、ステージに呼んでもらいます。

私は彼女の表彰式のときにステージ前に居て、写真まで撮影していた“のんき者”でした。彼女は目の前に居る私を完全無視し、堂々と表彰台の一番高いところに上がっていたのです。(でも写真撮影していたおかげで、彼女がどれだけの賞品を貰っていたのか、証拠が残ってしまいました。) 
 
元国家養成選手の彼女、今はジュニアをコーチしています。コーチしているジュニア達の目の前の出来事。この有様を見て、ジュニア達が指導者と同じような考え方を持ってしまうかもしれないことが心配です。それに彼女は元エリート選手、主催者も彼女の経歴を尊重し何も言えなかったのかもしれません。

・・・お国が異なれば、このような考え方が通用するのでしょうか。フェア・プレー精神はスポーツに共通するもの、と思っていたわたしにとって、かなりショックな出来事でした。

賞品がもらえなかったからショックだったのではありません。A選手を中傷するためにこの作文を書いたのでもありません。ただただショックで、書くことによって少し気分をすっきりさせたかったのです。長文を最後まで読んでくださってありがとうございます。

気分を切り替えて、次のビッグレースは46キロスーパーマラソンです。
(下の写真はディナモ・スタジアムのエントランス)



しかし!
この作文をまとめた後、さらに続編とも言うべくストーリーを知りました。余りにもびっくりする続きなので、また次の機会に。


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