日吉の隠れ家的オーガニックカフェ・ハーベストでいろいろ聞く(第4話)

第3話からの続きです)

■休日は昼からの貸し切りパーティーも承ってます

Cafe HARVESTの営業時間は18時から。しかし週末や祝日には昼間からの貸し切りにも対応可能だと店主の大久保誠さんは言います。



「毎月何回か、お昼から夕方までの時間帯で貸し切りの予約が入ります。誕生日会や歓送迎会、特別にお祝い事があるわけじゃないけど友達同士で集まっての食事会とか、いろいろありますね。昼から美味しい料理とお酒を楽しみたいって方、意外と多いんです。貸し切りの場合は通常メニューから離れて、会の内容に応じて毎回0からメニューを組み立ててます。」





「予算と会の内容だけ詳しく話を聞いて、あとはお任せにしてもらうことが多いです。低予算でたっぷり作りますから、大人から子供まで満足してもらえると思いますよ。」


■例えば、マクロビランチと古代の酒を楽しむ会

「お客さんから「古代の日本酒を楽しむ会をやりたい」と要望を受けたことがあったんです。古代の日本酒を語るためのキーワードは「菩提酛造り」と「玄米に近い原料米」でした。遥か昔、室町時代の日本酒は菩提酛造りという方法で造られていたそうで、この方法はとても濃醇な旨味をもたらす反面、果てしなく手間がかかるため現代ではほとんど採用されていないんだそうです。また、精米機がなかったので原料となる米は玄米に近い状態で使っていたとのことでした。」



菩提酛造りの地酒

・百楽門 菩提酛仕込純米酒 古代米(緑米)使用 (奈良県・葛城酒造)
・醍醐のしずく (千葉県・寺田本家)
・花巴 太古の滴 無濾過生原酒 (奈良県・美吉野醸造)
・御前酒 NINE (岡山県・辻本店)

ほとんど精米していない地酒

・貴 濃淳辛口純米酒 山田錦80 (山口県・永山本家酒造場)
・小左衛門 純米酒 3年熟成 (三重県・中島醸造)
・天の戸 無濾過純米 美稲 八〇 (秋田県・浅舞酒造)
・刈穂 純米酒 醇系辛口80 (秋田県・秋田清酒)
・秀鳳 純米酒 出羽の里 (茨城県・秀鳳酒造)
・仙亀 (埼玉県・神亀酒造)



「うちは普段日本酒を置いてないんですが、これは面白そうだと思ってメニューを考えてみました。飲み物が古代なら、料理は肉・魚・卵を使わない穀類玄米食・マクロビランチだなと思ったんです。そこで作ったのがこちらのメニュー。マクロビ料理でも工夫をするとこれだけバラエティーに富んだものができるんですよ。」














■例えば、真夏のスタミナ料理と福島県の蔵元の酒を楽しむ会

「東日本大震災が起きて、何かハーベストでも被災地を応援できないかと考えていた夏のある日、「福島県の蔵元の酒を楽しんで福島県を応援しよう」という企画をもらったんです。じゃあうちは熱い夏を乗り切るためにスタミナ満点のメニューを作ろうと考えました。」



この日用意された福島県の蔵元謹醸の純米酒

・会津娘 純米酒 (会津若松市・高橋庄作酒造店)
・奈良萬 純米酒 (喜多方市・夢心酒造)
・泉川 純米吟醸 (会津坂下町・廣木酒造本店)
・磐城壽 土耕ん醸 山廃仕込純米酒 農林弐拾壱號 (浪江町・鈴木酒造店)
・磐城壽 地縁復興純米酒 (浪江町・鈴木酒造店)
・国権 山廃純米 にごり酒 (南会津町・国権酒造)
・国権 純米生貯蔵酒 てふ (南会津町・国権酒造)
・ロ万 特別四段純米酒 無濾過 生詰 (南会津町・花泉酒造)
・あぶくま 純米酒 (田村市・玄葉本店)



「この日のテーマは何といってもスタミナですから、料理は肉料理が中心の構成となりました。」














■Cafe HARVEST 今後の展開

「大企業みたいな何十年も先を見据えた経営ビジョンはないですね。これからもお客さんのために美味しくて体にいい料理を研究して、毎日作り続ける。ただそれだけです。それが自分の役割だと思ってるし、料理を作ることが楽しくて仕方ないから。何よりも、お客さんの笑顔を見るのが嬉しくてたまらない。そういう意味ではこれが長期ビジョンかも知れないですね。」



「ただ一つ、キッチンカーには挑戦したいと思っていて。週三回営業しているちゃぶ台、今は普通のワゴン車だけど、あれをキッチンカーに改造してその場で簡単な料理もできるようにしたらもっと楽しいかなと思ってます。」




■おひとりさまでのご来店も大歓迎です

店内で一際目を引く大きなバーカウンター。開店当初からあったものではなく、途中から店内を改装して設置したものなのだそうです。



「ハーベストを始めてからしばらくはグループのお客さんが多かったんですよ。それが次第に、お店が少しずつ地域に知られてきたからなのか、仕事帰りにふらっと一人で立ち寄ってくれるお客さんが増えてきました。だから、そういうお客さんが入りやすくなるように、テーブル席を少し減らしてカウンター席を作ったんです。平日は比較的お客さんが少ないので、お一人でご来店の方にはゆっくりしていただけると思います。」



人気メニューの一つ、自家製サングリア。白ワインで季節の果物をたっぷり漬け込みました。すぐになくなってしまうので毎日仕込んでいるのだそうです。


■インタビューを終えて



夜風に吹かれながら朝顔の種を蒔く大久保さん。ちょうど暑くなった頃につるが伸びてお店の入口から日光を遮ってくれるのだそうです。お客さんがこないときもやることはいっぱい。どんなときでも楽しんでしまうのが大久保さん流カフェ経営の極意です。



「Cafe HARVEST は料理から調度品まで、幅広いジャンルの美味しいもの・素晴らしいものを、いつでもリーズナブルにご提供します。メニューや店の作りなど、素敵な意見があれば取り入れたいのでどんどん言ってください。 変化させます。 Cafe HARVESTは、みんなの味方です!」

大久保さんの挑戦はこれからも続きます。

(続きはお店にて!)

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Cafe HARVEST (東急東横線日吉駅徒歩10分)
045-513-9813
営業時間:18:00~24:00、日曜日定休
http://vacablanca.jp/
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