ちゃぶ台~世界中を放浪したシェフがその経験を活かして作る独創的な日替わりエスニック弁当の移動販売

JR南武線向河原駅。その界隈は昔ながらの閑静な住宅街が広がる平穏な地域であると同時に、携帯電話や無線基地局など最先端モバイル産業の一大拠点、ルネッサンスシティの超高層ツインタワーに象徴されるNEC玉川事業場の玄関口でもあります。昼休みになると事業場で働く大勢のサラリーマンが昼食のために外に出てきて周辺の飲食店には活気が漂います。

向河原駅とルネッサンスシティの間には広場があり、そこには昼時になると地元の飲食店以外の弁当販売の車が列を作ります。どこの弁当もそれぞれ工夫され格安で販売されている中で、取り分けこだわりをもった日替わり弁当の販売を続け、着実にファンを増やして密かなブームを巻き起こしている人がいます。それが白いワゴンで月水金の週3回この場所に出店している「ちゃぶ台」の店主・大久保誠さんです。どこの店も数種類の弁当を販売している中で、大久保さんの作る弁当は1日1種類のみ。その代わりに毎回中身が変わるというやり方で、料理に手間隙かけつつも低コストを実現しています。毎回のメニューもちょっとその辺の弁当屋さんではお目にかかることのできない独創性の高いものばかりです。



拾ってきた流木を利用して手作りした看板。車の列の中でも一際目を引きます。



ワゴン車をそのまま利用しただけの簡単な販売。事業場が昼休みになる前に準備を整えます。



この日のメニューは色々野菜と若鶏のイエローカレー。色々野菜がたっぷりですが、若鶏がそれ以上にたっぷり入っています。



お客さんが大勢来る日もほとんど来ない日もありますが、いつでものんびり構えて待っているのが大久保さんのスタイル。「寒い日や雨の日はあまり売れないんだよねー」と笑いながら話してくれました。その日の天候や気温に合わせて来客数を予想して作る量を調整し、売り切れたらおしまい。作る量の目安は、暖かな晴れの日で50個くらい、台風の日で10個くらいと、毎回大きく変化します。悪天候の日は常連さんでも売り切れ要注意。月間メニューはホームページで公開されているので、一度ちゃぶ台の魅力を知ったお客さんは天候によらずそれを見て買いに来るのです。



自家製極太ソーセージとエビピラフ。豚肉と香草がたっぷり詰まったぷりぷりの自家製ソーセージは噛むと肉汁が一気にあふれ出します。



毎日変わる「本日のお弁当」。この日は新メニューのちゃぶ台風すき焼き。



ちゃぶ台風すき焼き。牛肉と野菜を甘酒で長時間煮込みました。



生卵を乗せて、さらに美味しさアップ。



初めてのお客さんには「こだわりのお弁当」と一緒にチラシも渡しています。



これは日吉店のチラシ。日吉店は以前営業していましたが現在はお休み中です。



最近のお気に入りは格安で手に入れたこの小型インターネット端末だそうで、この日は弁当販売そっちのけで夢中になっていました。

チラシにも書かれていますが、夜の大久保さんは東急東横線日吉駅から少し歩いた住宅地でCafe HARVESTという小さな隠れ家ダイニングを静かに楽しく経営しています。このお店は床から天井まで、内装も家具も全部大久保さんが作ってしまった完全な手作り空間。大久保さんの作る料理もちゃぶ台とはまた異なった趣向で出てきます。

実は今や大人気となったちゃぶ台の始まりは、Cafe HARVESTのランチタイムに訪れるお客さんが減ってきたことでした。開店当初のCafe HARVESTは昼食時に近所のお子様連れの奥様方の集会所のような役割を担っていました。ランチメニューは大好評で順調に営業していたのですが・・そこへ訪れた空前の大不況。次第に常連の奥様方の客足も遠のき、このままではまずいと危機感を抱いた大久保シェフは思い切ってランチタイムの営業をしないこととして、人の多いところで弁当の移動販売をするアイデアを思いついたのでした。2009年9月のことです。

さて、この温かな隠れ家ダイニングCafe HARVESTの紹介はまた次回に。

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ちゃぶ台(JR南武線向河原駅徒歩1分)
月水金の11:45~売り切れるまで
http://vacablanca.jp/c/
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