月と街の間に挟まれてしまった、って単なる奇妙なファンタジーなのか。
ブルームーンから一夜明けた九月、涼しい始まり。
ニューヨーク・シティ・セレナーデ/クリストファー・クロス (英詞はこちらで。→ 神曲。)
科学は進歩したが、私たちの身体を取り囲んでいる空間に存在する、7割以上のエネルギーが何なのかを解明できていない。
(宇宙の始まりのタネ)
ましてや、科学から枝分かれしてしまったそれ以外のモロモロのこととなれば、実はほとんど何も分かっていないのかもしれない。
私たちが手にしている経済計算の方法や、そこに立脚した世界は、ほんとうにperspectiveなものなのか。
(シューマッハの仏教経済学)
ぼくらはflatland(フラットランド)の住人のようなものかもしれない。
次元が低い世界でしか世界を見ていないのかもしれない。
Dr Quantum - Flatland
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人生を変える「数学」そして「音楽」 教科書には載っていない絶妙な関係 |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
ぼくらが認識できるのは3次元、あるいは時間を加えた4次元レベル。
フラットランドの住人は2次元レベルの世界しか持たないから、直線ABに遮られるとABを跨いで超えていくことができない。
私たちも似たようなものではないか、使っている道具は2次元レベルだし。
言葉だって数式だって、財務諸表だって音符だって、そう。
静的に切り取ってみることはできても、そこにダイナミクスを与える仕事は感性のようなところに委ねられる。
4次元以上のレベルになると、イメージすることすら危うくなる。
(リサランドール博士の異次元理論について)
2次元のフラットランドでは超えられなかった線でも、3次元の世界なら跨いで解決できる。
3次元世界で超えられない悩みであっても、時間を加えた4次元世界なら時間が解決してくれることもある。
特異点(問題のある点)について、数学者である広中平祐氏の言葉を引用していた箇所が秀逸でした。
~ 次元を上げると自由度が増すので、いろいろな道が生まれます。
高速道路の設計図面上で、どうしても2本の道路が交差してしまうという問題にぶつかった時は、
「立体交差」に設計すればよいですよね。
これも次元を上げて自由度を増し、「問題のある点」をなくすという応用例です。
広中平祐先生はこの様子を次のように捉えたそうです。
「物体の影に生じる特異点は、実は仏の世界の影である現世の無数の煩悩のようなものではないか。
その特異点を解消することは、
大げさにいえば、煩悩を解消し、仏の次元に至って、
影を支配している因果律を見つけるようなものではないか。」
数学者としての自負を感じるような言葉ですが、
特異点は、次元を上げていけば自由度が増して、いずれ問題が解消される、ということを言っている。
それは、特異な才能によって解決されるというよりは、
仏の世界、つまり自然界のなかに既に答えが存在していて、彫刻のように掘り起こされ、発見されるのを待っているということ。
人間の持つイメージや想像力は豊かなものかもしれないが、
スコトーマ(盲点)があったり、主観の錯覚にとらわれていることも多いのだった。
(裏返しの宇宙 ~この世の空間構造)
とらわれた考え方から自由度を上げてゆくには、
むずかゆいような脳の宙空にまで思念が届くような訓練やトレーニングがあったほうがいい。
他者の考えや奇想を愛でる、異論を立てる、というのはそういうことなのだと思います。
Who lives in the eleventh dimension? - Parallel Universes - BBC science
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