電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

郭南宏マニアックス・フォーエヴァー

2019-04-08 00:12:54 | その他・研究

こんにちは、醒龍です。

 

早く決まって欲しかった新元号もよくやく”令和”に決まりましたね。早速辞書登録しました。来月から新しい元号になってどんな世の中になるでしょう。香港映画がもっと広まって昔のようなタイプの映画が流行るのを願っています。

 

 

 

今回は久々に郭南宏先生の記事です。時代的にはバリバリの昭和ですね。本当に久しぶりですが、たまに書いてみたくなるんですよね(笑)。好きなファンの方もいらっしゃると思いますので今回取りあげてみた次第です。面白い記事が書けるか分かりませんが、またいろいろ書いてみたいと思います。

 

みなさんの好きな作品は例えばどの作品になりますでしょうか。功夫片?武侠片? 1本に絞るのは難しいかも知れませんが、ちょっとだけ考えてみてください。

 

私はやっぱり『少林寺への道』ですね。なかには気功をテーマにした『ドラゴン太極拳』を選択する人もいらっしゃることでしょうね。あれもなかなか楽しい映画ですので、その選択もありですね。

 

もちろんこれらの作品には武術スター、カーター・ワンの存在が大きいですよね。先生はその時期その時期で使う俳優さんを変えていきましたが、60年代から武侠片を撮っていましたので、最初の頃は田鵬(テン・ポン)を起用していました。

 

それでは、今回は郭南宏先生の作品群を見ていく楽しみ方の一例を伝授させていただきたいと思います。

 

単純にDVDを順番に1本ずつ揃えていくというのはいかがでしょうか。

 

まずご自身で入手できそうなタイトルのリストを作成します。

 

そしてそれに従って順番に探していきます。焦る必要はありませんので、自分にあったペースで進めます。ポイントは、何があっても途中を飛ばさないことです。

 

そして、いまのタイトルを探している間はその映画、その事ばかり考えるようにします。

 

とくかく興味を持ってその映画の世界に入り込むという事が重要だと思います。

 

 

 

こうしていくと、探している物がなかなか見つかったり、いろいろ苦労したりすると思いますが、その大変な苦労を重ねた結果、実際に見つかったときの喜びというものが非常に大きいと思いますし、感動も増えてくると思うのです。

 

 

 

先生のファンでしたら、既にいろいろ御覧の事と思います。古い物はほとんど見たことがないというのでしたら、初期のマスターピースである武侠片『一代剣王』がおすすめです。(オンラインで国内から購入できるお店のリンクを最後に貼っておきますね)または『鬼見愁』でもOKです。ストーリーもシンプルで非常に見やすい映画と思いますので、入門編としては最適ですね。

 

「少林寺への道」シリーズを何度も見ているという方は、どれでもよいのでどれか1本をもう一度見直しをおすすめします。(実は私も最近はこのシリーズから遠ざかっていました。)

 

1本見ればまた次の作品に入りやすくなるので一気にパート4までを見てしまってもそれはそれでOKと思います(笑)。

 

ところで、郭南宏先生ことジョセフ・クオの映画って台湾映画なのか香港映画なのかどっちか気になったことはありませんか。

 

考えると意外にむずかしい(?)この問題に私、醒龍が的確に回答させていただきたいと思います。

 

会社から判断すると思った方、そうなんです。これも当然なのですが、現地法人とかあるともうどちらが本当か分かりませんよね。

 

 

 

 

 

 

 

映画の成績を計る指標として日本で公開された映画ですと、よく雑誌なんかに掲載されている興収ランキングがあったかと思います。もっと細かいものだと日刊興業の速報がありますね。そこまで細かいデータではないですが、あちらでは票房という映画の興行成績を年度別に数値で表したものがあると思います。この資料から判断するのが一番早いですね。

 

 

 

さて、「少林寺への道」は香港映画なのか、台湾映画なのか。

 

 

 

 

 

では、その票房を見てみましょう。

 

 

 

 

 

「少林寺への道」の原題は『少林寺十八銅人』です。76年度の資料はあちこちに点在しますが、例えばこちらにデータがアップされています。香港電影票房 1976 [外語電影] ⇒ リンク先

 

 

 

 

 

答えはどっちと思いましたか?

 

 

 

 

 

 

 

このfacebookの資料を見ると、『少林寺十八銅人』は外国映画のランキングで第6位にランクされていました。当時の広告も見ることが可能な様ですね。ここでいう『少林寺十八銅人』は再編集前のオリジナル75年版のことです。

 

 

 

 

 

 

 

外国語部門に記録が計上されていることで、要するに香港の外、つまり台湾の映画の扱いとなっているのですね。

 

・・という訳で正解は台湾映画でした。(これは簡単に判別するための一例です。)他に何かよい手段がある、こんな方法もあるよ・・等々、何かご存知でしたらメールで結構ですので是非教えてください。

 

注意しなければならないのは、これで作品のすべてが台湾映画と決まった訳ではないという事です。それぞれどこに位置しているのかを確認してはじめて分かる情報です。なので少々面倒ではありますが、どちらなのか気になる作品があれば自分で確認しなければなりません。

 

そういえば、今から10年前、MATVの国内チャンネルで一挙放送されたことがありましたね。あの時は信じられない程、多くのタイトルを放送してました。ただ、テレビでの放送だと限定されてしまうので、やはり望むのはいつでも見ることが出来る映像ソフトです。どんなタイトルでも今の風潮は世界のファンがリマスタリング化を望んでいますよね。

 

当時はまだHDマスターなんて言葉もなかったと思いますが、DVDなんかをはるかに上回るクオリティですの出来れば良いマスターの方がいいですよね。先生の作品群もごく一部ではありますが、国内でもHDマスターのソフトが発売されましたね。ただ、まだ未発売のタイトルもあるようです。

 

ちょっとだけ例をご紹介したいと思います。

 

例えば、聞江龍主演の『少林功夫』(74)がありました。

 

そのタイトルがこちらです。比較のため、順に並べてみます。注)当記事のキャプチャー画像は公開を停止しました。

 

HDマスター

 

 

 

TVサイズ

 

 

 

DVD(レターボックス仕様)

 

HDマスターは映画のフィルムの部分はもちろん良質ですが、マスタリングの際、文字コンテンツの編集は担当者のセンスにかかっています。この例はたまたまですが、題字を右から書く当時の台湾式も再現されていてこの仕様は凄くいいですね。書体も素晴らしい。とにかく私はあのDVDの英文も省略された安易な書体が嫌いでした。一部で人気の高かった「ザ・セブングランドマスター」もそうですね。全部でまだ5本ぐらい。

 

私の好きな『酒仙十八跌』もHDマスターになると、こんな感じです。これはうれしいですね。より迫力のある映像になることは間違いないですね。クレジットは当時の表記を再現しているものだと思われます。レストアはされないパターンですね。

 

冒頭のティエン爺さんの夢。監督は別人ではありますが、この非常に短い酔拳演舞のシーンが同じプロダクションの映画の中に挿入、含めることが実現したことが、どんなにうれしい事であったのか想像できますね。この場面が実に感動的でありました。これが美しい映像とともに再現されたらそれは素晴らしい事だと思います。

 

内容的には賛否両論ではありますが、先生が精魂込めた素晴らしい作品たち。見る人の記憶の中で生きていると思います。今回は、今後につなげるために思ったことをちょっとだけ書いてみました。また、気が向いたときに書くと思います。

 

郭南宏先生の映画たちよ、永遠に。

 

 

 

 

 


【関連DVD】

(HDマスター)

少林寺への道 HDマスター版 [DVD]
ジョセフ・クオ
映像文化社

 

 

(※HDマスターではありません)

ドランクマスター 酒仙拳 [DVD]
ユエン・シャオティエン
マクザム

 

 

※VHS 先着1名様

ドランクマスター~酒仙拳~【日本語吹替版】 [VHS]
ユエン・シャオティエン,ジャック・ロン,サイモン・リー
マクザム

 

 

※旧作DVD

『一代劍王』The Swordsman of All Swordsmen

台湾からの取り寄せの模様です。(税込み¥2500.)送料無料

国内の販売サイトはこちら

 


 

 

 

 

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ジョン・ウー初期作まとめ(その1)

2016-01-11 22:30:32 | その他・研究

先日、Twitterにて展開しましたジョン・ウー監督作品の年末特集。こちらでも整理してまとめてみました。(※一部、加筆してお送りします。)一連の作品を振り返ることにより、ジョン・ウー監督の映画に対する熱意や当時の苦悩から、彼の映画的表現方法、人間性に迫れるのではないかと思います。

1.「(カンフー)ヤング・ドラゴン」(原題:『鐵漢柔情』)

最近になって知ったのですが、ウー監督の映画人生を紹介するテレビ番組があったようですね。出演者のユーヤンや、フー・チンと並んだウー監督が紹介されたようなので(画像参照)、まだ探していて見つかっていませんがそれがどの番組でどんな内容かとても気になります・・。

『鐵漢柔情』本編は過去に放送されていました。オリジナル『過客』(73)(日本では劇場公開済み)が上映禁止となり、74年にウー監督が追加撮影。この再編集版が75年に香港で公開されたバージョンです。(=DVD版「カラテ愚連隊」)。その際、アクション指導したのは陳全のグループが担当していたようです。追加されたシーンはほぼ特定出来ていますが、これらのシーンを見ているとショウブラ出身のメンバーで構成されており、ジャッキーや元奎らのグループは不参加であったと考えるのが妥当でしょう。武術指導のクレジットに陳全と陳元龍の2人の名前があるのは、オリジナルは陳元龍、追加シーンが陳全であったため2人の連名になっていると思われます。(陳全はショウブラ出身の武術指導家で、嘉禾移籍後に「電撃ストーナー」などを武術指導した人物。)


ジャッキー登場シーン。(ここでは劉江に襲い掛かるザコキャラ。)

嘉禾のDVD発売ラッシュも記憶に新しいのですが、BDは残念ながら「片腕ドラゴン」以降ストップ(?)してる模様です。是非「カラテ愚連隊」もいつかBDソフト化して欲しいと思いますね。

この「カラテ愚連隊」がジョン・ウーの初監督作品とされていますが、本当は「カラテ愚連隊」より前に『除霸』という作品がありました。ウー監督の伝記本、インタビュー本などでも一切触れられていなのですが、公式には監督作としていないため完全に埋もれてしまっています。いつかこの映画についても監督自身の言葉で語って欲しいものですね。

2.「怒りの双龍拳」(別名:「龍を征する者」、原題:『女子跆拳群英會』)

韓国ロケ作品。テコンドー全国チャンピオンに挑戦しに来た中国人の若者(カーター・ワン)が主人公。

ある武術家に弟子入りし、仲間(田俊)と共に悪の組織と対決するストーリー!!
この作品では顔のアップを多用し、表情を重要視してます。セリフなどよりも顔(特に目)で訴えているのが分かります。

ウー監督によれば、この作品は日本のTVドラマ「姿三四郎」をヒントに作ったそうです。

日本から参加のPinky Violenceな姐さん(スケバン)達。

イケメンなカーターさん(ちょっと顔が大きいのはナイショ笑・・・)

本編を見ると、出演者たちの息も白く相当寒かったみたいですね。(冬の韓国は本当に寒そうです。)ウー監督は、韓国を訪れて高齢の現地スタッフに自分の格好がヒッピーで若々しく見られ本当に映画を撮れる人間なのかと驚かれたといいます。

象徴的な鳩の舞うシーンも。

尚、テレビでは英語版で大浴場の露出シーンは全てカットしたショートVerにて放送されましたが、
香港版ではオープニングがスローを多用しており、ランニングタイムも約104分と長くなっています。
(無駄な露出のない英語版は評価できます。)

練習試合を披露する、田俊VS池漢載
香港ファンはこれだけでも大興奮!!

さらに凄いのがこちら。
李大VS金珠が凄い!!

ここで、この作品で議論すべき話題を1つ紹介します。それは、ジャッキー・チェンが自伝で書いていた「Dragon Tamersでスタント・コーディネーターをしていた」という疑惑です。私の考えはノーですが、これについていくつかのポイントを解説してみます。

資料:74年所開拍影片

手元の74年度ムービーマーケット資料(74年所開拍影片)によれば、ウー監督は1月に双龍拳を撮影開始し、2月には『鐵漢柔情』(=カラテ愚連隊)着手となっています。

撮影が寒い時期だったのもこれで立証出来ますし、田俊も双龍拳は3ヶ月かかったと言っているので3月末には終わってる計算になりますね。
この映画の殺陣師は陳全(黒い胴着のロン毛男としても登場!)。ここでウー監督は既に嘉禾で仕事を始めていた彼らを起用しているのですね。

次の「カラテ愚連隊」でも彼らが追加撮影を担当したのは勿論陳元龍即ちジャッキーが不在だったからに違いないと思います。(ジャッキーやサモハンがウー監督と共に映画を作るのは『少林門』まで待たされます。)この追加撮影が陳全だった事が大きく、双龍拳不参加も一気に真実味を帯びて来る訳です。

そして自伝の記述についてですが、Dragon Tamersについては自伝(98年刊)以前にも記述のある書籍がありました。要するに自伝以前の英文書に記載されていてそれを丸写ししたに過ぎないということです。
また、この時期は香港を離れ、豪州に行っていた頃で結局のところ韓国で「怒りの双龍拳」のアクション指導に関与することなど不可能という訳です。

 

 つづく

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今年を振り返って

2015-12-31 20:06:10 | その他・研究

12月に入り月日の流れるスピードが早まった感のあった今年2015年もあともう少しで終わろうとしています。今年もいっぱい香港、台湾映画をはじめアニメや邦画、洋画を観ました。

いくつかピックアップして振り返ってみようと思います。

◆「アイスマン」


ユン・ピョウが便器に顔近づけて水を飲む・・。

「タイム・ソルジャーズ」公開時に観たこの衝撃のシーンもサラッと通過して(笑)、

ドニー・イェンが明代の戦士に扮し、現代にタイムスリップ!!
400年後の現代世界に現れた人間をちょっぴりダサく見せることがこのジャンルでは重要なのですよね。

とにかくもう一度映画化してくれたのが物凄く嬉しかったのです。

 シェン・イーちゃん

コミカルに、そしていとも簡単な風に映画を作り、笑いの要素で埋め尽くされている。
これはコメディだ(笑)。
明の時代へ戻った続きがどうなるのかとても楽しみな作品でした。

◆「ゴッド・ギャンブラー・レジェンド」

続いて、こちら。王晶『賭神』から20数年。

”レジェンド”と冠する過去のリメイク的作品の数々・・。
いつからかこれを目にするようになってきました。確かにレジェンドでありますね。

王晶はそもそも邵氏で処女作『千王鬥千霸』を作り上げ、
常にそう思わせる監督なのですが、とにかく余裕の仕事ぶりなのですよね。

こうした映像を見ていると何もかもが当り前で正直ちっとも驚きを感じなくなってしまう。
しかし、それでもまた何かやってくれるのではないかと、
期待しつつ次の映画を見てしまいます。いや、これでいいのだ(笑)。

続編も2、3と次々と作られているようなのでこちらも晴れて劇場公開となるとうれしいのですが、果たして・・・。

◆「光陰的故事」

お次は、オムニバス映画『光陰的故事』です。
ようやくDVDもリリースされましたね。
以前の記事ではなぜか3話をすっ飛ばしてしまったので
今回補足的な記事となってしまいますが一応書いておきたいと思います。

前回こちらの記事で書きました。

3話:クー・イチェン監督「跳ねるカエル」(原題:『跳蛙』)
跳蛙。『跳灰』って映画もありましたが、かえるのお話です。

近所のペットショップによく行きますが、最近はデグーという元気なねずみが流行っているようですね。
先日も入門セット買っているカップルがいました。
『跳蛙』は大学生が主人公です。学生の街に住んでいると若い人からエネルギーを貰えたりするのでいいですね。
私は秋の学園祭には必ず参加してその年の学生の様子を見たりしています。
主人公のメガネの大学生がスポーツの部長さんにそっくりなんです(笑)。見た目がちょっとね。
この学生の意外な行動に若さが感じられる作品でありました。

このところ身近でもいろいろ台湾の話題も増えて、台湾映画もいっぱい日本に入ってくるようになりました。
台湾映画ヒートアップ元年とは言い過ぎではありますが、この状況はかなりうれしいです。
映画人、関係者も続々来日し、イベントも開催される。こういった状況が少しでも長く続いて欲しいと思います。

最後は、こちら。

◆「モンキー・マジック 孫悟空誕生」

日本語版で『大鬧天宮』を改めて観ると、また新鮮に感じられる。(CV:大塚芳忠他)すごいですね。予算もかけられてなかなか豪華だったのではないでしょうか。

「これが本当の西遊記はじまりの物語」って・・・。
こんなファンタジーを大スクリーンで観ることになるとは思わなかったのだけれど、
この映画ではドニー・イェンとチョウ・ユンファの共演という夢が実現した!
これは凄いことだったではないですか。

猿になったドニーさん

ユンファがあと共演していない大物っていったら。それはー(もうお分かりですね?)

来年それが実現の噂もあったけど・・・。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

さて、来年2016年はどんな年になりますか。
ジャッキーの映画もいろいろあるようで楽しみではありますが、
本当に面白い映画を探す長い旅にまた出るでしょう!

古い映画も時間がある時には少しずつ見るとして、
日頃から考えていたショウブラ・ベスト100!・・にもそろそろ入りたいですね。

それから今年は後半から水島裕さんにも注目しておりましたが、なかなか期待の動きもないようで…。。
まぁいつどうなるかは分かりませんのでしばらく継続してみますが。

そう言えば来年は「上海エクスプレス」誕生から30年になりますね。もちろんこれも好きな一本ですが、今まで日本語で見たことが無かったですね。先日DVDを購入し、たっぷり楽しませていただきました。
理由は広東語でも十分おもしろさを感じられたからなんでしょうか。自分でも良く分からんのです。

そしてまたこの映画を久々に観たくなったということがあったと思います。
ということで勝手な夢を描いちゃってアレですが、続編というかオールスター冒険活劇という娯楽作品をもう一度見てみたいのです!
ですので、是非来年はサモハン・イヤーになって欲しいと思います。

良い初夢が見れますように・・。

 

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ジャッキー・チェン『大酔侠』出演について

2015-04-30 00:43:06 | その他・研究

キンフー監督が邵氏で66年に撮った「大酔侠」。
私にとってはあまりにも大きな存在でやっぱりこれって外せない映画なのでいろいろな事を考えちゃうのですが、長い歴史のある香港映画をどの辺から見たらいいかと問われれば、この映画、「大酔侠」あたりから観るのが絶対に良いと思います。

当時のシナリオ(台本)を見ると、当初のタイトルは大が付かない『酔侠』だったことが分かります。

結局、この映画の時代設定は不明だったのですが、シナリオの設定に”清官”という文字があることから清の時代であると思われます。

(←クリック)張徹先生ってサインがある!つまり、これって監督用の台本!?

そして覚書というか今回のメモをちょっとだけ書いておきます。この「大酔侠」は、のちの大スターの子役時代が見れるという見方もありました。例えばジャッキー・チェン。海外でも子供が出ている場面でこれがジャッキーの子役の時の画像であると目印をつけたりしてHPに掲載しているサイトとかありました。が、私的にはどうもしっくり来なくて信じられないものでした。(火星とも違う学校ですし・・。)しかし、ある方の情報でこのジャッキー出演疑惑にまつわる様々な憶測の最終決着となる出演者の証言があったことが分かったのです。(カンフーチェンさん感謝!)その事をしばらく忘れており、先日ふと思い出して忘れないうちに書いておく次第です。

・・・とその前に、主演のチェン・ペイペイとキンフーのコラボについて。随分とあとになって『天下第一』(これは未見)にも出てるそうなので、少ないですが「大酔侠」とこの2本がコラボした映画ということになりますね。キンフーの映画も数えきれない程撮られた訳ではないですが、ペイペイさんのキンフー作品は見ておく必要があると思います。

では、話を戻して。ジャッキーが出演していたかについて外野で何と言おうともう何も分かりません。当然ながら出演者の証言があれば信憑性も高まりますし、こんな揺るぎない拠り所は無いのです。

この海外盤DVDを見てからというもの、ペイペイさんのハン・インチェの話とか面白くて何度も何度も聞いちゃいました。コメンタリーやインタビューというのはこの数十年経った今本当に重要な物になっていると思います。でありますので、私はこのインタビューの内容を勿論支持してますし、コメントを残して下さったチェン・ペイペイさんにも大変感謝しています!

これが、インタビューの時のペイペイさんです。

その中で、いつもいろんな人から聞かれる話であるとご本人も洩らしていますが、ジャッキー出演の話題について語っています。

ペイペイさんの談話では、記憶に無いという事をしゃべっていました。
さすが女性ならではの発言と思います。ただ単に覚えてない、つまりもう分からないという意味ではなくて”わたしはそんな話は知らない”の意味なんですね。これを見て私の長年の悩みも氷解してスッキリしました。このインタビューではその理由も述べられていて当時の京劇学校のグループ、〇〇家班の構成まで言及しているので制作時に参加した人員がどういった集団でどういった状況であったのかを的確に述べています。(そういったきちんとした理由があったということです)
ペイペイさんが語っている内容にもありますが、キンフーがいつもジャッキーは私の映画にいるよ・・・と言っちゃってるので、この監督の一言が大きく、多方面に悪影響を及ぼしてしてしまったのでしょうね。

 

 

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郭南宏ドキュメンタリー

2015-02-08 22:49:04 | その他・研究

昨年制作され、台湾のテレビ局で放送されたドキュメンタリーがありました。

台灣演義シリーズの『電影教父郭南宏傳』と題された番組で、郭南宏(クー・ナンフン。又名、ジョセフ・クオ)の60年もの長い映画人生を振り返る内容となっています。

  郭南宏先生

先生の映画人生は波瀾万丈、番組では70~80年代にかけての黄金期も過ぎ、不毛の時代がやってきて、80年代にビデオが普及し始めた頃には業績不振となり、(つまり映画館には観客も足を運ばなくなった)映画も製作できない状態になったと言います。

映像では、作品をいくつか振り返りながら監督ご本人のインタビュー、コメンテーターとして戚冠軍(直接関わった作品は『百戰保山河』(1979)のみ)、文芸映画については韓湘琴(武侠片だと『奪命金劍』などに出演した女優)らが出演して当時の様子を語ったりしていました。

ご高齢となった後年は、学生に映画製作について
教鞭を取ったりする立場となり、後世に映画製作を伝える活動などをされているようです。

同番組は基本的には映画評論家の黄仁氏が書いた
著書『電影教父郭南宏』を下敷きとしているようで(著者もちらっと登場)、
同書籍からの画像が多数使われています。

こちらがその本

電子書籍も発売されており、日本からGoogle Booksなどで購入できます。

番組の途中で、「ドラゴン太極拳」についての
出てきますが、日本のテレビ局で放送されたことが
”太極元功日語版”として紹介され
実際のテレビの映像が映し出されます。

大木民夫のナレが入る

同書には「少林寺への道」が日比谷の映画館などで上映された
様子なども掲載されているようですが、作品の日本でのテレビ放送が
現地のドキュメンタリーの中で紹介されるということは
監督にとってもうれしく、輝かしい出来事だったのではないでしょうか。

日本においては、「少林寺への道」DVDがリリースされたのが記憶に新しいところ
ですが、最近は他の作品もあまり話題になることもなくなってしまい少々残念な気持ちです。

今後は郭南宏作品も順番に観ていく予定ですので、記事も書ける範囲で
少しずつ更新していこうかなと思います。どうぞお楽しみに。

 

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劇場公開版の言語に関するデータ

2014-09-24 22:28:12 | その他・研究

70年代に劇場公開された映画の詳しい情報としては、書籍などの資料を見るのが手っ取り早いと思います。「香港・台湾フィルム全リスト」という資料がとても役立ちますが、このリストは資料本が刊行された1980年当時の全リストとなっています。

 「ドラゴン大全集」芳賀書店刊 日野康一編

このリストは、シネアルバム76「ドラゴン大全集 KUNG FU! ブルース・リーからジャッキー・チェン」という本に記載されています。(下記参照)

ここで注目したいのは、”当時上映されたフィルムがどの言語で上映されたのかについて”・・・なのです。

あまりこの情報って無かったなと思っていたのですが、この本のことを思い出し、備忘録的に記事を書いてみました。

 王羽「嵐を呼ぶ必殺剣」当時は、日本語版が上映された。(その理由もあるにはあるのだが)

74年をピークとして、「燃えよドラゴン」以降に公開された作品をメインに配給会社とともに、上映時間、上映時音声などがリストとして載っています。来年ぐらいにはそろそろ、復活!ドラゴン・ブームでも来て欲しいですね。

また、この資料本には張徹(チャンチェ)監督の特別寄稿が掲載されています。チェン・チェの映画における死に関する記述に注目してみると、「古代東洋人(中国と日本)の戦い方は欧米人とは違い、降伏することはなく、がむしゃらになって死ぬか、自殺するだけのことです。」と書かれています。

王羽の「大刺客」を例に挙げ、主人公が目的の敵を暗殺した後、自分の腸をひねり出して自殺するという、勝利してから自殺するという行動が欧米人には理解できない性質だと書いています。血まみれで悲壮な死をむかえるという映画で表現する。これが東洋的なアクションの描写であると・・・。

そして、50年代頃からの黄梅調映画がカンフー映画製作の土台になったというのも貴重な証言ですね。結局、誰も自分の国の人間が持っていた性格を表現することがなかったために、自らが映画を通して表現してみせたという話になると思います。理解するには確かに難しい面もあるのかも知れません。しかし、張徹は「残酷すぎるで片付けるな。」と主張します。張徹は浙江省生まれです。つまり中国人。中国人でなければ理解が困難もあるでしょうが、先の東洋人の意味には日本人を含む考えもあるようでした。

以上、張徹ご本人による言葉からの感想でした。

 

 

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今後の意気込みなど

2014-06-22 15:57:28 | その他・研究

普通にブログを書いていたり、普通に映画を見たり、普通にPCを使っていたりして過ごしていた

毎日・・・。

ある日突然PCのハードディスクが壊れてしまい、何とOSが立ち上がらなくアクシデントが発生!

せまい家の中の電気機器が壊れると気分的にはスッキリしてしまうこともありますが、

よく考えてみるとPCの場合は復帰するには多大な労力が必要なんですよね。。。

最近、PC環境も大きく変わり、OSも入れ替えたりしたので

PCの使用に関しては現在普通に出来ています。

(というかようやくヤル気を取り戻してきたような感じです・・・。)

 

昨年だったかそのアクシデントにより開発していた環境を失ってしまったことがあって

かなりダメージを受けました。

いま、少しずつ回復していますが、必要な各種ソフトの再インストールとか

面倒な作業を延々としなければならず、時間をかけないと完了させることができないと思います。

しかし、割合慣れていますからそんな事もそのうちできるのでしょうけど、

それでもまだ問題がいろいろ残っていますね。

例えば世間のIT技術の進歩とともにブラウザの互換性の問題などが浮上して

以前普通に見れていたページが崩れて表示されたりといった症状が出てきてしまいます。

これは困ってしまいますね。

それに表示がおかしくなってしまっているのを発見してしまうと、

どうしても直したくなるのが私のサガでして、

とは言っても環境が直らないと修正や微調整さえもできないのが現状です。

出来ることから少しずつやっていこうというのが正直なところなのですが、

そんなこんなで10年ほど前に始まった邵氏ブームも去り功夫片などもまったく

見なくなってしまった。時とともに興味も薄れてしまった感があった。

”映画”という目で考えてみると、ここ最近で邦画は人気を獲得したし、

洋画もアニメぐらいしか話題にならない状況と思っていました。

しかし、地元の映画館で急に『死亡遊戯』が上映されてたりすると、香港の映画だって

まだまだファンも多いはずだから「アレ昔よく見てたなぁー。」とか

「コレ面白いんだよな!!」とか言いながら、古い映画を引っ張り出してみるなんでことも

たまにはあるんじゃないかと思う。

そういえば、●星●子氏はまだ邵氏片を見ているのだろうか?

私の場合DVD(うちはBDなんかより、さらにDVDよりもVCDの量が一番多いかも知れない(w。)も

かなり処分しちゃったけどねー。

だた言える事は、過去のフィルムは不動であり、変わることはない。

そこで、新たな方向性を考えてみた。

監督やスタッフたちも重要だがやはりスターの存在を第一に考えるべきで、

今後しばらくの間、当時活躍したスターに焦点を当ててみたいと思う。

また、その際注目したいのは登場キャラ同士の対決であり、長く映画に出ていた人間なら

いろいろなスターたちとバトルを繰り返してきたはずだ。

という訳で、”映画のスターたち”というカテゴリを追加してみた次第です。

 

 

 

 

 

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「上海13」発売に見る今後の動向など

2012-09-16 00:00:00 | その他・研究

11月に「上海13」(原題:『上海灘十三太保』)国内版DVDが発売されるそうです。(情報提供はリバーズさん)
これはジミー・ウォングやチェン・カンタイ、ティ・ロンなど邵氏スターが多数出演している張徹監督の映画ですね。

アンディ・ラウの『投名状』インタビュー訳のページを見つけました。
(張徹の話が少し出てますね)こちら

私はVHSや英語DVDでしか見たことがありませんが、トリミングしたサイズだったと思いますので今回発売のDVDは16:9と表記されているので是非リマスター化されたクリアーな映像を拝見したいところです。(「上海13」の記事はまたご要望があれば来月あたりにでも・・・)。

この映画の権利元を調べてみると、星光聯盟影業という香港の会社がそうみたいです。
そして、こちらの会社が権利を持っているタイトルには、1979年版『洪拳大師』や『迷蹤霍元甲』(1980)、『大武士與小[金票]客』(1977)など、カンフー映画ファンなら聞き慣れているタイトルがあるのですよね。

ということは、将来これらのタイトルが国内で発売される可能性も出てくるでしょう。

こう考えると、どの様なアクションを見たいと思っての動きなのか。ちょっと考えてみると・・・。

やはり足技が鮮やかで豪快なキックで魅了するキッカーがやはり人気の的なんでしょうね。
上記のタイトルがもしリリースされるなら看板となりうるのが、当然日本でもよく知られているウォン・チェンリーですね。
以前の「非情のハイキック~黄正利の足技地獄」の時のようにまたちょっとしたブームが訪れるのかも知れません。

 

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新火燒紅蓮寺(1982)

2012-05-20 00:00:00 | その他・研究

先日、孟飛城の管理人、K. JUNOさんから教えていただいた「妖術大変化」。
ようやく見ることが出来ました。
(JUNOさん、教えていただいてありがとうございました。)


原題が『新火燒紅蓮寺』というタイトルで、82年に台湾で公開されています。
アマゾンに登録されてるVHSだと、「妖”術”大変化」じゃなくて「妖”怪”大変化」になってて完全に誤解されているみたいでちょっと残念な気もしますが、こんな作品がビデオ化されてた事には本当に驚かされました。

ストーリーは、こんなものです。山奥にある由緒正しき紅蓮寺は、ある日盗賊のチャン・トーチンに襲われ、悪人どもの秘密の拠点となってしまう。正義感あふれる若き統領ルー・シャオチン(陸小青)は異変を聞き付け調査に乗り出すが、逆に敵の手に落ちてしまった。子連れの女剣士ホンクーはルーを救おうとするが歯が立たず師匠のリュー・シェンリャンらに助けを求める。一方、悪人たちは美しくも邪悪な女妖術使いシャオ・ヤオニューらを味方に引き入れた。そしてついに、決戦の火蓋が切って落とされる・・・。(パッケージ裏より)

紅蓮寺が舞台

主役のメン・フェイさん
(個人的には水島裕さんの声がいいですね)

ファッションがなかなか豪華です!

メン・フェイがウェイ・ピンアオと剣で対決というだけで笑えてしまいます、この映画。

 


この男、たぶん「カンニングモンキー天中拳」の鉄腕ルー、江志平ですね。拳シリーズ以外にも出ていたとは!(横はピンアオさん)

最後は燃えないといけない紅蓮寺が爆発します(笑。

ホント、笑える映画なのだぁ

80年代前半に台湾で撮ってるのってこんなのが多かった気がしますね。


 

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蛇鶴八拳のこの人は誰?

2012-05-15 00:00:00 | その他・研究

「蛇鶴八拳」に出てくる少林寺八派の長老の一人、この人(下記参照)
ですが、名前が不明です。

 長老

どなたか情報をお持ちの方がいましたら是非教えてください。
宜しくお願いします。

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