電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

人皮燈籠

2022-05-22 18:36:41 | 邵氏電影

どうも、こんにちは。管理人です。

GWも終わって暑くなるかな~と思ってたら雨とか天気悪い日が多くてなかなかスカッとしませんが(汗)、夏に向けてホラー映画もみたくなる季節ではあります。Tシャツもいろいろ出して五毒Tシャツなんかも出てきました(笑)。出来ればTシャツで過ごしたいのですが、いつものクセで長袖シャツを着ちゃってます。。

さて本日はお待たせ(?)のホラー作品『人皮燈籠』(82)です。93年の梁家輝版もあるようですが(こちらは未見)、孫仲監督の方ですね。この映画のブルーレイ・ソフトが先日イギリスでリリースされまして早速購入しちゃいました。

いつものように日本語にすべて翻訳して視聴しました。私の好きな髭danのTell Me Babyを流しながら・・。

燈籠(とうろう)って基本的に夜に楽しむものでしょうけど、日本でも各地で燈籠流しなどのお祭りをやったりしてますね。英語だとランタンです。私はキャンプ大好きで、山へオートキャンプへ出かけた夜にはランタンで明かりを灯してのんびり過ごすのが夏の過ごし方でした。ただ燈籠はキャンプで使うランタンとはちょっと違いますし、何も無いですが日本の燈籠にはなんか怖い勝手なイメージがありますです(汗)。

孫仲監督のこの映画『人皮燈籠』ではその名の通り、鉋(かんな)のような刃の部分が扇状のカーブをになっている刃物で、人間の皮を剥いで燈籠を作るというお話なのですから、これはもう恐怖で血も凍る内容ですよね。※心臓の弱い方は要注意!

この映画で一番の注目はこのキャラ。仮面を付けた途端、敏捷性の高いスーパーモンキーになります(笑)。この羅烈演じるキャラ(中身は別人かも?)がとても生き生きしていて皮を剥いだらへへへと笑って立ち去ります(汗)。このかわいらしさと不思議な内面性を持つ感じが良くて、このキャラが好きになりました(笑顔)。

そして、この映画のキャスティングが素晴らしく、この羅烈に、劉永(トニー・リュウ)、そしてチェン・カンタイですよ!

基本白装束の劉永の剣捌きがキレがあってかなり見応えありです。

(冒頭、名のありそうな剣がズラリと並ぶ"劍廊"も名場面!)

(カンタイの扇子アクションが最高なのです)

女優陣のメンバーもとにかく凄くて圧倒されますね。まず恬妮(タニ―・ティエン)さんがそもそもの騒動のきっかけとなる人物・金娘を演じています。 楚湘雲(リンダ・チュー)さんが娼館のマダム、気の強い娘でカンタイさんの妹役の林秀君、チョイ役の邵音音(スーザン・ショウ)さん、夏萍さんなどなど豪華な組み合わせとなっております。

(この映画の優しいタニ―さんは私の超絶好きな『鐵漢柔情』につぐ映画かな?)

インタビューでリンダ、スーザンさんのお二人のお話も収録されてたのですが、当時の貴重な証言が聞けるのは非常にうれしいですね。

撮影もメイクもいろいろ大変だったそうですが、孫仲(スン・チョン)監督は、撮影の合間などにはいろいろ指導(皮を引き裂く場面のより効果的な演技ついて云々)してくれたりして、とても優しい監督さんだったそうです。また、共演者の羅烈とはよく麻雀やってたそうです(笑)。・・・リンダさん談

 

ストーリーの概略はこんなところ。

主人公・龍(劉永)と春(羅烈)は腕の立つ剣士でライバル同士。以前の恋の鞘当てで春は龍に敗れ、江湖から姿を消した。

ある日、前回のランタン祭りで称号を勝ち取った譚(チェン・カンタイ)は華やかなセレモニーで見事な燈籠を披露する。

龍は数か月後の祭で競い合う譚と口論となり、龍は公衆の面前で面目を潰され険悪なムードに。何が何でも勝負に勝ちたい龍はちょうちん屋の崔爺さん(王清河)にランタン作りを依頼するが、いい顔をしない。実は正体を明かせないランタン職人が別にいたのだ。爺さんに大金を渡し、その職人の居場所を聞いて行ってみるとそこには顔に傷を負った男・春がいた・・・。

春は過去の出来事をすべて忘れるため、この場所を選んでランタン作りに没頭していた。突如目の前に現れた龍からの甘い誘惑に動揺する春。ここで春は協力する代わりに条件を1つだけ龍に告げ、ランタン作りを引き受ける。龍は春を、マダム艶珠(リンダ・チュウ)がいる馴染みの店へ連れて行った・・。

龍は譚との勝負に負ければ死を選ぶと妻(タニ―・ティエン)に宣言した夜、ドクロの仮面を付けた謎の人物が現れる!

その人物は、何とも恐ろしい燈籠を作るため、憎むべき獲物を狙っては捕え、その人間の皮を剥ぐのだった・・。

***************************

 

・・とまぁ、昔の風習というか燈籠にまつわる逸話があるのかも知れないですが、ホラー映画として、この恐ろしい話と美しい燈籠が背中合わせでピッタリくるお話と思いますし、これを撮った孫仲は本当に素晴らしい!!劇中流れる音楽にもシビれました。

羅烈の演じたキャラ・春方が復讐の鬼で恐ろしい殺人鬼であるけれども、顔を隠している事で物凄いパワーを秘めていて、ついに完成した燈籠を見て笑う凶悪な人物、その反面、剣士・龍帥の真っ当な人物との対比の演出の巧さ。言うこと無しですね。

そして、五毒メンバーから2名が参加している点も特筆すべき内容です。まずは孫建(スン・チェン)が捕頭役で登場していて、マダム殺害の調査などをする役目を・・。(アクションシーンは割と少なめ)

さらに中盤に颯爽登場し、カラフルな扇子をまとった護衛のマスター、カンタイとのバトルが凄い殺し屋、羅莽(ロー・マン)。強烈な印象が加わってかなりのテンションアップです!!

(今回の唐佳びっくりドッキリメカは鎌トンファー)

これだけの内容を盛り込んで、ホラーかつ、武侠アクションも融合して素晴らしい完成度(!)の本作『人皮燈籠』。さすが唐佳!! 孫仲と唐佳のコラボだとやはり『冷血十三鷹』が良かった!

 

 

ちなみに以前、この映画には元華が出演していたという噂がありました。実際に海報には名前が書かれていますが、どこに出ていたのでしょうか?おそらく、最初から最後までじっくり観察しても分からないかと思います。

また余談ですが、この『人皮燈籠』は香港で82年に公開されましたが、台湾では過度の残酷描写がアダとなり3回も上映禁止になったほどでした。その都度、邵氏は上映の許可が得られるまで再編集を繰り返し、公開に至ったのは6年後の88年。ここまで上映までに期間と労力がかかったという訳です。。当時、邵氏としてはどうしてもマーケットの大きい台湾で上映したかったんですね。現在は、こうして映像ソフトが割と普通に見ることが出来ますのでありがたいですね。

ちなみにこちらのDVD(リージョン1)には、カットされた残酷シーンが収録されています。

 

 

以上、いかがだったでしょうか。結局、こういったギリギリの線を攻めた経緯も含め、『人皮燈籠』は緊張大師(※1)・孫仲監督の本領発揮したホラー作品といえるのではないでしょうか。あなたのハートには何が残りましたか?

 

Human Lanterns(82)

(※1)緊張、緊迫する場面を撮ることに長け、その映画の大家の意。

 

 

 

 

 

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女集中營

2022-05-01 20:34:22 | 邵氏電影

こんにちは管理人です。

最近ショウブラ映画にどっぷりつかってしまいまして、他の映画に興味が無い訳ではないのですが、

しばらくの間、こんな状態が続くと思います(汗)。

邵氏ファンの方もどうぞおつきあい下さいませ。

また、こんなのを取り上げてほしいとかご要望がありましたらコメントいただければと思います。

さて、今回は、73年の香港公開作品『女集中營』についての記事です。

いわゆる女囚モノで、日本軍に捕虜として収容された国際紅十字会の人々らが脱出劇を展開するという抗日映画です。

ジャンル的には友人が命名した"ポロリ" カンフーですねw。

とにかく露出が多いこの作品、カイ・チーホンがまだホラー映画に開眼する前になるかと思います。

女囚モノだと東映の女囚さそりなんてありましたね。

そう、さそりの梶芽衣子なんていったら某時代劇のチャンネルで鬼平で見るぐらいですが、

女囚シリーズはいまとなってはあまり見る機会も無くなってしまっています。。

目の表情で一世を風靡した彼女ですからテレビで見かけるとうれしいというか目がシャキッとしますね!(笑)。

もっとも本作の女優さんは梶芽衣子とは目つきが圧倒的に違います(弱い)けれども・・。

(目の大きい、柴咲コウがリメイクやったらどうなるかな??)

本作も女囚シリーズに影響して邵氏で作っちゃえ的な1本だと思われますが、桂治洪が途中降板した(?)監督に代わってメガホンを取ってます。

ところで、集中營って収容所とか野営地キャンプのことで、その第十三女子収容所が舞台なんです。13個もあるの?(笑)

刑務所とは若干ニュアンスが違いますが、脱獄がテーマの映画とかもメッチャ面白いですよね。

例えば、有名人が書いた獄中日記とか元刑務官の秘話なんて書籍も興味があって読んでみたいですが、

映画だと、イーストウッドの「アルカトラズからの脱出」とか好きですね。

この映画に関しては、邵氏のレア監督 牟敦芾(ムー・トンフェイ)の『黒い太陽731』(88)なんかで

描かれている日本軍のグロい戦慄表現じゃないの?という指摘の声なども聞かれます。海外ですと、こんな事書いてる方もいるようです。

 

本作のメインキャラですが、通訳クオトン役で登場のMr.ショウブラザースこと羅烈が、サングラスかけてやばいぐらいにカッコいいんですよ!

(ここだけでも一見の価値あり!)

途中デンマークの青い目の女優さん(バート・トーヴェ)といい仲になっちゃうんですが、

カーキの軍服脱いでちょっとだけ和服姿になる羅烈がまたいい!!

 お茶を飲んじゃったりする

 

あと、刑務官の中につよーい女性がいるんです。

テリーもら じゃなかったテリー・ラウ(劉慧茹)の看守さん。こわーい役だったなぁ。

マコって名前でw。最後まで生き残るんですが、やはり主役では無いということで・・・。

 ラウさん(右端)

それから、収容所のお偉いさんだとやはりこの人になっちゃいます王侠(ワン・シャー)。

フンドシとか大好きな人ですが(画像は自粛w)、

日本人なんで「バッキャロー」なんてセリフも聞こえてきます(笑)。チャーリー親分みたいですね!

 

「燃えよデブゴン」で女友達のアーチェン役だった李海淑さんも女囚役で諸肌脱いだ演技してます。

この映画でけっこう活躍する彼女、燃えデブ以前にこんな映画にも出演されていたんですね!

あともう一人、脱出に協力してた陳鳳真さん(この人分かりますかね?ほとんど無名だけどw。『少林門』など)という味方の兵士兼調理人役で好演されてたハンサム男でした。

 李海淑と陳鳳真(レア)さん

そして、ここからが電影フリークス的ポイント解説です!

えーと、割とオーソドックス(?)な女囚モノと思われがちなのですが、

確かに今回は残念ながら『洋妓』のような白熱したポロリ・カンフー対決はまだありません。。

その代わりと言ってはなんですけど、中盤のカーアクションのシーン。日の丸パタパタ迷彩色のトラックと羅烈が運転する脱出メンバーを乗せた車とのバトル!

ここは映画的に斬新でかなり面白い。(ここは邦画じゃ無理だし、絶対チーホンだね!)

そして、梅生さんと李敏郎のヒゲヒゲコンビ♪(わたしはこのお二人が好きなのだw)

まずこのリー・ミンランさんはこの手のショウブラ映画や他社作品にも必ずと言ってよいほど出演される功労者ですが、大抵途中でヤラれちゃう役ばかりです(笑)。

 この通り、いい役者さんです。

彼にはカッコよさは無いんですけど、全くいやらしさが無いんです!(性格いいんでしょうね)

 酔っ払いのミンラン

ミンランさんはのちの『洋妓』にも出演なさっています。また王侠と一緒に(笑)。王侠、ミンランはそのまま、羅烈の代わりとして岳華に変更!

梅生さんは、ほんと出番少なくて一瞬映るぐらいで残念ですが、この人がいると映画の雰囲気が変わりますよね。今回は、炎天下で水筒で水を飲む日本兵士役。とりあえずこれで良いと思います。

 梅さ~ん

ということでこの映画は、以上で挙げました人物以外は特に説明不要ですw。

 

ラストは、惨いシーンで終わってしまいます。あー恐ろしや~。

ショウブラで他にも似たような映画があるかも知れませんが、この時期に製作された映画としては前半こそ収容所内ばかりとなりますが、後半は広大な山地、森林地帯、洞窟、崖などでの撮影でメッチャ良いですね!

そもそも女囚ネタですので、撮れる監督さんも限られていた・・という事かも知れません。

女優さんも頑張っていたと思いますが、人気のある方とかではさすがに無理ですもんね(オファーがあったかは不明)。

個人的な感想は、流石だね、羅烈!に尽きますが、これを見て邦画とは違った香港テイストの女囚モノが楽しめたと思いますので良かったと思います。(あ、80年代?香港映画にも確かあったかな?)

 

ちなみに今回の映画の武術指導はルーチェンこと鹿村さん。

鹿村氏はホントにチーホン監督とつるんでましたので、監督の作品には殆ど参加して一緒に映画を作り上げていたのですからもう何でも知っている仲でしょうね!

それではまた次回。

 イケリエよかった!

 

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突撃取材されました

2021-11-07 21:10:45 | 邵氏電影

こんにちは。

きょうは天気のいい日曜日。午後、実家まで移動してある人たちを部屋で待機してました。ここのところちょっと部屋のDVDや本などを整理しておきたかったので、自宅から荷物を運んだりして片付けしていたのでした。映画を鑑賞するのにちょうどいい環境になってきたと思います。

実は先日、大学生のグループから依頼されたのですが、邵氏の映画についてインタビューを申し込まれました。なんでも邵氏のファンの人たちにインタビューして、そのドキュメンタリーを制作予定だそうでした。おーやるじゃない大学生!とばかりに二つ返事で承諾しちゃいました。彼らからすると、いま現在も邵氏のファンでいる人たちが若干不思議に思える部分もあるのかな?・・などと思いつつ。

そして、当日・・。

最寄り駅まで来てもらって、駅の改札口で待ち合わせのつもりでした。天気も良くて数日前は雨とか聞いてたんで、ちょっと心配してましたが、結果的に心配無用になりましたね。

改札で待っていると、大学生のグループ数名が私に近寄って来ました。会釈して一応お名前も確認して合流。話を聞いてみるとはじめての駅だったので、博物館などを見物していたそう。そして無事合流出来たので家までご案内しました。

とても礼儀正しい学生さんたちで好感が持てました。こっちもうれしくなります^^。

撮影等は事前にOKと伝えていたので、カメラの準備などをしてもらって、いよいよインタビュー開始!

まずは自己紹介させてもらって、そのあといろいろ質問をさせてそれに答えるかたちで進行していったのですが、まず最初に邵氏を知るきっかけについて質問を受けました。これってホントみなさん様々だと思うので、私の”キッカケ”をお話しさせていただきました。まぁそんな感じで最初のところから、現在に至るまでをいろいろお伝えできたかと思います。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆(一段落したところで、ティータイム。雑談などでコミュニケーションを。)

『嵐を呼ぶドラゴン』のブルーレイを音声OFFにして、モニタに映しながら(雰囲気作りもね!)、なるべく古い話から順番に分かりやすくお話したつもりですが、邵氏映画からは非常に神秘的なものを感じてはいたのですが、やはり特殊な(?)部類に入るジャンルでしょうか・・・?

時間も限られているのですべてをお話するのは無理だったのですが、まぁリラックスしたムードで楽しくお話できたかなぁと思っています。視聴する側からのいま話せる内容について、邵氏の映画の現在の状況と、今後の展望なども聞かれたのでそういった私個人の意見もお話しました。

いま思うと、話そうと思っていた張徹の作った元朝のドラマにあった歴史的な面とか五毒メンバーたちの活躍などについてあまり触れられなかったので、その辺りはどこかで補足できれば・・と思いました。

若い世代の人たちで気になっている人がいるとしたら、それはチャンスと思います。今後もまだまだ知らないファンの方たちのためにメッセージを送ることを目標にして、いくつかの活動することを目指していこうと思います。

 

 

 

 

 

 

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奇門怪招爛頭蟀

2020-08-24 00:15:00 | 邵氏電影

こんにちは。久々の更新です。

今回は邵氏作品から。ちょっと記事の題名読みづらいですが、キモンカイショウラントウシュツでいいと思います。

ちなみに、蟀=コオロギらしいです。当初のタイトルは『爛頭蟀』だけだったそうですが、物足りなさ等から改名されましたね。

『奇門怪招爛頭蟀』(78)

劇場公開が79年3月、製作時期は78年秋頃ということで、内容的にはこの頃に大流行した功夫喜劇片です。またこの映画、長年表に出ることの無かった幻の映画と言えるでしょう。

こちらで以前、9年ほど前に書きましたように当時は見ることは不可でした。邵氏の255本あった未確認作品の1本だったのです。監督は御存知、桂治洪。彼の作品は変わりダネも多くて埋もれてしまって見ることが出来ないものが多いですね。78年のコメディー作品『扮猪食老虎』もその1つ。これも修復され、またいつか現れるのを願ってます。

主人公は、ポスターにあるように、数々の忍術と武功を使うスーパーマン(?)という設定です。結構ハチャメチャですけど。演じるのは韓国材、材仔です。材仔はこの映画が作られた頃(78年)主役が多くなって人気も出てきたみたいですね。要するに今回もいつものドタバタコメディーです。

この映画では面白いことに、当時、作られたカンフー映画の題名(原題)がそのまま敵役の役名となっています。ちょっと皮肉なアイデアですね。あとで、ビックリするようなタイトルやスターが出てきます。邵氏の監督であった桂治洪は、思いっきり流行っていた映画を真似て、そのまま使い、もといパクり、それを楽しんでいるかのように、自分の映画に散りばめて観客を楽しませてくれた・・という感じでしょうか。

南拳北腿&金狐

まず最初に登場するのは"南拳北腿”。扮するのは大細眼。カンフー映画常連の彼ですが、珍しく邵氏に抜擢されてますが、その彼の功夫片をあの桂治洪が撮るというのは本当に信じられない話だと思います。

冒頭、黒店の茶屋にやってきた主人公。美人の店員が最初に出てきて、コワーイ人があとから出てくるというパターン。

お茶を飲むシーンにしても本当にうまい演技

次に出てくるのが、白扇子を持った"蛇形刁手"。後半で蛇拳を見せてくれてます。

オカマっぽい黄樹棠

ヒロイン阿珠(尤翠玲)の許婚だと思っていた主人公。

実はこの映画の設定としては、三世代前の曾祖父の時代に道士だったり、医者だった祖父。そして道場を営んでいた主人公の父親が道場破りに倒されるという先祖たちの前置きがまずありました。何コレ(?)

名前にそれぞれ爛という姓がついています。そう言えば邵氏には『爛頭何』(少林皇帝拳)もあったっけ。

次に広東十虎・蘇乞兒の門派で黄飛鴻が兄弟子だという師匠に弟子入りすることに。

インチキカンフー道場の師匠を演じるのは、王清河。ここでお約束の特訓シーン(パート1)をやってのけます。

それっぽい作りのセット

橋の上で待っているのは白髪の江島。うれしくなっちゃいますね。彼の名は"龍形摩橋"。呉思遠の『龍形摩橋』がいつの作品だったのか定かではありませんが、ここではその名前が付いてました。

 江島とのツーショット、最高!!!

簡単にやられてしまった主人公が向かったのは、どこかで聞いたことがあるような少林寺三十七房。修行というかほとんどシゴキみたいなシーンが見られますが、ここではカットしておきます。

邵氏だけに本物っぽいところにありえない役者が。

ここもインチキで、途方に暮れる主人公。町では、ヒゲの猛者(李海生)が何かを群衆に見せています。金を払い、ここで弟子入りする。とんでもない荒修行ののち、鉄布衫功のような術を身につけた(と錯覚させられた)主人公は、その場を去ります。

 いつしかヒゲを付けさせられるようになった李海生

調子に乗った主人公が町ではしゃいでいると、そこへ太いキセルを持った男が現れます。

 ジャーン

この人の登場で一気に格、もといテンションが上がる。

ここのシーンで濃い顔になった唐炎燦が現れ、名前を名乗り鷹爪鐵布衫だという。これも監督が呉思遠だったから標的はあの人ばかりだね。

 もみあげも大変濃い

またしても痛めつけられ騙されてしまった主人公は古びた寺院へ。そこにいるのは羅烈!。ケガ人を助け、厳しいながらも愛情を持ってキズの処置をする非情に頼もしい場面。強制的に弟子にさせられる。

 カッコいいね~。

ここで、本格的な修行を初めて体験する主人公。特訓シーン(パート2)が開始され、師匠はタバコをふかしてます。

水汲みならぬレンガ運びなどをやってくれます。

 これは酔拳のアレね!

そして、特訓を終え、師匠のキセルを持って、敵(南拳北腿、蛇形刁手、龍形摩橋、鷹爪鐵布衫)の男たちに今迄の借りを返しに出かける主人公であった・・・。映画の収支に勝利したのかどうかは判りませんが(笑)。

その他、野菜売り娘のベティ・ウェイ、そこへからむゴロツキ劉家勇(ノンクレジット)もチラりと顔を見せているのも一興でありました。終わってみれば、殺陣を付けたのはあの棒のオッサンこと、徐蝦がその1人として記録されていました。

とにかく桂治洪がこのタイミングで作ると、こうなったんですね。監督は異なりますが、同じ邵氏つながりで劉家勇の『痳瘋怪拳』(79)とかそんな映画を彷彿とさせる功夫片でした。

 

 (おまけ)ミツバチさん

 

コメント (6)
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四王一后

2016-02-29 00:02:36 | 邵氏電影

今回の記事は73年ショウ・ブラザース製作の映画『四王一后』です。伊・香港合作!

”四王一后”というタイトルは随分昔にジャッキー本に書いてあったので、それでずっと覚えたんですよね。まさかショウブラだったとは思ってもみなかったのです。原題の方は割と有名ではあるけれど、主役は背の高い国内ではまったく無名の俳優さん。結局、羅烈の出てる変わった映画・・・みたいに扱われてしまうのがオチ。

このリストに載ってた!(公司名はメチャクチャ笑)

この映画を観る前のイメージとしては、私の教科書だった(笑)こちらのスクリーン増刊「クンフー映画大全集」特集号にあったスーパーマンみたいな恰好した奴らが出てくる「アマゾネス対ドラゴン 世紀の激突」(下図参照)みたいなヤツなのかなとずっと思っていました。(この「アマゾネス~」も邵氏が絡んでるはずなのに大抵の書籍からはスルーされちゃってましたが。)この特集本は本当に勉強になりましたね。最近のムックには無い良さがありまする!

とっても充実した内容♪

監督は2人いるようで、1人は桂治洪。
日本だと南洋邪術のジャンルがどうしても有名になっちゃってるけど
初期の頃なんかでも良い映画はいっぱいあるので
いつか彼の映画についても書いてみたい。

もう1人は「続・荒野のドラゴン(未)」などをディレクションしたアダルベルト(ビット)・アルベティーニ氏。

 

冒頭はハードボイルドなタッチで進行して行きますが、全体的にはギャグ連発してるバカ映画です(笑)。

 まるでボスのようなマース(&町の大物ボス)

町のボスが高級車でマフィアとの麻薬取引のため港へやってくる。(手下にマースが顔を出している。彼の出番はここだけ)

密かに潜入していたかに見えた刑事たちは、現行犯逮捕とばかりに現場へ飛び込んだ。バッタバッタと子分たちを次々に海へ放り込む刑事。しかし、ボスが現れ、あっという間に形勢逆転してしまった。

 

キンフー作品やジャッキー旧作ファン世代にはおなじみの顔、佟林(トン・リン)がマフィアのボス、チェン・ロー。

 トン・リン

ショウブラ作品ですと悪い役が多いようなイメージがありますね。この映画も現代劇だからまぁそんな感じに。

 随分とまぁ簡単に捕まってしまう

アジトへ連行される刑事。拷問され1人が仲間はバンコクにいる事を喋ってしまった。

一方、6名もの拉致事件が発生した評議会のメンバーは、当事件解決の為にある人物の起用を決定した。FBI隊長ロバート・ウォレスである。

 紳士登場(登場の仕方がまた滑稽!)

ロバート(ロバート・マルコム)は、結婚式のため休暇を取って遠くシチリア島へ行っていた。緊急指令とは冷酷なものである。プライベートの時間なんて無いも等しい。ロバートは花嫁に愛想を尽かされバンコクへと飛んだ。

 強制退去

舞台はバンコクへ。ここで自分のあとを付け回す謎の男(陳濠)に気づいたロバートはそのままタクシーでホテルへ向かう。すると、エージェントの一人、スージー(俺たちの施思たん。Suzyとは紛らわしい)が中国語で書かれた手紙をロバートに渡して立ち去った。漢字が読めないロバートはホテルの従業員に読んでもらう。ある場所まで来いという。

ストーカーのアジア人

ボートで行先を告げると、案内された。しかし、いつまで経っても目的地へはたどり着かない(苦笑)。

 どこへ行くのかな?

観光っぽく、いろいろ国中歩き回るロバートであった。

ハイ、チーズ!!

結局、高級ホテルのプールサイドでくつろぐのであった。ほんとに休日のバカンスみたい(笑)。

その夜、ムエタイの試合を見に行くロバート。そこへ現れたスージーから香港へ行ってカンフーの達人、マスター・トンという人物に会って欲しいと告げられる。大勢の観客の中に一人、見た顔を見つけビックリするロバート。そう、あのストーカー男がちゃっかり座っていたのだ!

 バンコク滞在は何だったんだ!?

香港へと移動してきたロバートはカンフーのチャンピオン、マスター・トン(羅烈)に会うことに。まずでっかい金庫付きのアメリカ大使の部屋へ行き、相談するとある提案をされる。何と無敵のスーツがあるという。しかし、トンの居場所は教えてくれない。困り果てるロバート。

 この誰だか分からないおっさんの存在もこの映画には必要なのです

滞在先でカンフーの試合のチケットがあるよと言われ、大金をボッタくられてもその試合に行くことにしたロバートは、その会場でかつての(?)旧友、マックス(アントニオ・カンタフォーラ)に再会する。口のきけない相棒のジェリー(サル・ボージェス)も一緒だ。試合はシンガポールのチェン・ウェンVS香港チャンピオン”鋼の手”だ。結果は香港チャンプの圧勝。司会者は会場から次なる勇敢な挑戦者を求めている。そこへマックスが名乗り出るが、これはワナ。ロバートが対決することになってしまう。

 泥棒コンビの罠に引っかかり試合に出ることに。

ド素人のロバートが勝てるはずも無く、即病院行きに。全身包帯だらけにさせられてしまい例のコンビが見舞いに来てくれるが、ヒドい扱いに困り果てるロバート。良く効く東洋の鍼治療があると教えられ、早速治療を受ける。これでもう大丈夫。

 「なんでこうなってるの??」

実はあの香港チャンプこそマスター・トン(羅烈)であり、彼はスージーの上司であったのです。

 ついにこの男、マスターが登場! 

ここで、ちょっと脱線。今回久々に見てみたDVDはあっちの国のオンラインショップで売られていたイタリア語版。元々イタリアでは3人のスーパーマンというシリーズ物だったようです。その香港編に当たる(ドイツ盤DVDの題名は、『スパゲッティ in 上海』だけど笑)。 イタリア本国では人気のシリーズなのか、東京編というのもあったっけ。そのDVDは知人にあげてしまった!

 伊盤DVD。ちょっとイラストがねぇ・・。↓のレコード・ジャケは好き!

 サントラ・レコード。左下の男が陳星に見えてしまう←

主題曲は、「さすらいの一匹狼」(最近このDVDよく見てます!)などマカロニ・ウエスタンの音楽を手掛けたニコ・フィデンコ。このオープニング曲はとってもノリのいいスコアになっています。(歌:アーネスト・ブランカッチ)純正ショウブラ映画のように他映画の音楽を流用している訳ではない。

 

・・・。そして、マスター・トンはコンビ2人にカンフーを教える。

 板に触るとジューっと手形がついちゃった

この特訓シーンが笑えるのだ。鉄砂掌じゃなくて、鉄砂足(爆)。

あっちっち。

これはジミーさんあたりのパロディだね!

まぁ羅烈もキングボクサー大逆転でこんなに鍛えてるからね(笑)。

 

特訓を受けてないロバートは、チェン・ローの前に現れるが、今度はその子分たちにヤラレてまたまたダウン。

 やっとスージ―が助太刀に(遅い!)。ここのシーンにはユン・ピョウも。

スージーが助けに入って、その場はうまく切り抜けたものの今後を考えると・・。ピンチになったロバートたちは話し合いの結果、ある決断をする。

 「うーん。どうしようかな」

やはりこの人しかいない。マスター・トン!!

 みんなでカンフーの稽古

特訓したのに、泥棒コンビは何も知らずアメリカの特許、スーパーマンのスーツを着ちゃう。

 出た出た、スーパーマン!

そして、マスター・トンの道場へ戻ってスージーも稽古に加わるが、まるでやる気なしのジェリー。ダンスを踊っちゃう(笑)。

スージーも一緒に。あ、ここが例の場所か・・・。

このあと、コメディ・パートとなり、ドタバタが延々と続きます(詳細は割愛させていただきます)。

ところで、この映画の武術指導に関しては、公式には誰もいないことになっている。

香港の公的機関が発行した資料にもやっぱり記載は無し。

 武術指導が無い作品もたまに見かけるが・・。

というか、5、60年代からも武術指導的な立場の人はそれなりに居たではないか。
それなのに映画をいくつも見ていると
武術とは全く関係のないような恋愛ドラマとかであっても
武術指導がしっかりクレジットされていることもあったから
その立場の人を明確に置かない作品だったと言うことが出来る。
なので、名のある殺陣師を起用する予算もなかったとも考えられるのである。

まして大会社のショウブラで1枚看板で武術指導を務めるなんてのは相当なレベルでないといけないはず。そういう意味では鹿村さんは日本人でありながら立派にこなしていたのでマジで偉大なお方ですよ!!
(桂治洪といえば鹿村さんだけど、この時は離れていたのかな??)

しかし、驚くべきことにネット上には撮影スタッフ、施思らと一緒に
なんと成龍が現場に居合わせた記録写真が残されていたりするのです(おそらくは、↑のマスター・トンの道場のセット)。

それにしても記事冒頭にご紹介しましたジャッキーの当時のフィルモグラフィーにしっかり載っていること自体、映画に関わっていることを証明してる。なので、アクションの指導(のお手伝い?)としてもだけど、実際に出演もしているはずなのである。それがどういう訳か本編では確認ができなかったのだが・・・。

繰り返しとなるが、とにかく関わっているのは間違いのない事実。しかし、それならばしっかりその出演場面が確認できなければならないと思うのです。これが難しく、そして諦めていた事柄であったのです。 

どんな映画でもファンなら不安になっちゃいますよね。目当てのスターが本当に出ているのかと。

ファンにとってはたとえ旧作であってもでバッチリ映っていれば安心できる。

一見、セリフもなにも無い感じの映画だったらどうなのか。本当に出演しているのか。そう言われてはいるが実際のところどうなんだか分からない。それが分からないとなれば少々不安になる。まぁそうですよね・・・。

 

私の解釈はこんな感じになります。

ジャッキー登場の場面を解説してみますと、
終盤に無敵のスーパーマンのスーツを着た4人組みが大暴れします。ここがこの映画の見せ場!(なんでしょうね)。
このショウブラのセットで黒装束のザコキャラ軍団との乱闘場面がありますが
ユン・ピョウたちを含む黒装束の1人として登場しているようです。
ジェリー役のサル・ボージェスがチン・ユーサンに斬りかかるちょっと前のシーンだと思います。

  天を仰ぐの巻。終盤の1シーン

 

 ↑を回転すると・・・、ね。鼻が!!笑。

もちろん確証はありませんがこれがそうなのかなと思っています。

これが本当であるなら、いくら頑張って本編を見たところで見つけられないという話になっちゃいます。(別アングルの為、顔は映らないのです)

映ってるのは、この手首だけ(笑)。

顔が映っていなくとも身体の一部分は本編に登場していることとなり
奇跡というか偶然かも知れないが撮影班とは別の班のスタッフによる何気ないお手柄なのかも知れない。

モヤモヤしていた人もこれで少しスッキリしていただけましたでしょうか。

さて、例のあのストーカーがどうなったか気になりますね。

 顔にパンチだ

その後もしつこくロバートを付け回し、最後にはロバートに捕まってノックアウト!!

いやいや。そう簡単には終わらないんです・・。

最後まで意外なこの笑顔

このあと、囚われた6名のエージェントたちは無事救出されエンディングを迎えます。そんな無茶苦茶強い訳でもない相手なのにスーパーマンに変身し、トン・リンさん達はコテンパンにやっつけられてしまうのでした。いつもの3人に男女1名ずつのスーパーマンが追加された今回のエピソード。・・かと言って他のエピソードを敢えて見る事はもうしませんよ(笑)。

フルメンバー the "四王一后"

逆三角形の体型にはあこがれちゃいますね~。

 

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チャンタオとの出会い

2011-08-31 00:00:00 | 邵氏電影

チャンタオ…。
あなたと初めて会ったのは、あの映画だったかしら?それともこっちだったのかしら。まぁいいわ。いずれにしてもあなたと知り合えることになったんですから。
あなたが輝いていたあのとき私はまだ若かったわ。またたのしい夢を見させてね。
                                                       カマ子より

エガシラ…じゃなかった江島が好きなオカマがいたらこんなラブレターとか書くんだろうね、多分いないけど(爆。
香港映画には欠かせない、主役を引き立てる影の存在。江島のような楽しませてくれる役者さんが他にもたくさんいるはずです。彼らがいたからこそ成り立っていたとも思えてきます。
チャンタオは私のように隠れたファンを持ち、いわゆる名バイプレイヤーとして長く映画界に君臨していましたのでファンのために頑張って本当にファンを喜ばせてくれた方だと思っています。

今回は彼の初期の作品で台湾の辛奇が監督した邵氏作品『隠身女侠』(71)でチャン・タオのオッサンぶりを確認してみました。

これはリリー・リーが主演のオカルティック武侠片になっています。

 主演はリリーさんと安平

リリーさんは、なんと透明人間になっちゃいます。

 かわいらしいりりーさんが、

 川で手を洗っていると

 だんだん手が透けてきて・・・

 透明人間になっちゃった。

 あれ?

 こんなギョっとする場面もあるけど。

そして、チャンタオの登場です。

 仲間と酒をのむ江島。水滸伝ぽい?

まだ小さい役ではありますが、堂々としてなかなかオッサンぶりを発揮しているじゃないですか。(沙悟浄みたいでちょっとキモーイんですけど。)映画出演はかなりの本数になりますが、初期のころはこんな感じだったのが分かりました。次回はどんなオッサンになっていることやら。

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阿Sir毒后老虎槍

2011-08-21 00:00:00 | 邵氏電影

これが正真正銘『阿SIR毒后老虎槍』(1977)です。

76年に孫仲は『毒后秘史』を監督。(DVDが出た時は『紅粉?星』というタイトルでリリースされた。)その後、『以毒攻毒』という作品を発表します。
これが後の『阿SIR毒后老虎槍』になります。この辺りの事情が交錯していて
海外の情報も間違っていたりしていたので私も混乱させられました(汗)。

エクスターミネーター陳萍のショットガンが炸裂!?

イー・トンシンが新人として紹介され、前作の岳華と陳萍はそのまま同じ役で出演しています。(結末はどうなるんでしょうか?)また、前作では下記の通り、ニー・クァンが脚本だったのですが、本作では司徒安に変わっています。
前作はニー・クァン氏だったものが変更。なぜ?

女囚の陳萍さん。派手に暴れますか。

梶芽衣子の原型は『残酷女刑務所』にありそうですが、陳萍もきっとそうですね。
彼女の場合やっぱり”エクス~”というよりもセクシー・キラーというのが合っていると思います。

こちらは『毒女』

そのセクシーキラー陳萍さんは『毒女』以来、文字通り毒のある女を演じることが多くなり、呂奇の『瘋狂大笨賊』ではミニスカートギャングのお姉さんやったりしてましたね。彼女のフィルモも少し洗ってみようと思います。
『瘋狂大笨賊』

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鬼話連篇

2011-07-15 00:00:00 | 邵氏電影

毎晩暑くてまいりますね。窓を開ければ虫の声がする・・・。

夏と言えばホラー映画。
私は邦画の「呪怨」シリーズが好きでよく観ていましたが、
こう暑いとホラー映画でも観たい気分になります。

偶然ですが、今日は最近出ました「霊幻道士3・キョンシーの七不思議」のDVDを1000円で購入。このシリーズはどれもDVDを持ってなくて(昔のポニーのビデオしか無かった!)先日書いた記事のオーボーもまた見てみたくなり1000円と比較的安いですし帰りに買ってしまいました。(でも、この映画なかなか面白いんですよね。ホントに。)

そして今回の記事は邵氏の『鬼話連篇』Fearful Interlude という75年のホラー映画です。これは「蛇姦」などでも有名な桂治洪が作った3話構成のオムニバスとなっていて、山ほどある邵氏の映画だとたまにオムニバスに出会うこともありますね。

ホラーのオムニバスってのもいいものです。

その第1話が『鬼屋』。
怪しい洋館で繰り広げられるサスペンスタッチのお話。
(クモの巣だらけでまるでホーンテッドマンションみたい)

王鍾ら3名が古い館に入ります。

なんかいいですねー

この絵が劇中何度も映し出される重要な絵です。

おまえはキョンシーなのか?

手がのびる。ビヨーン

ホラー映画によくあるような、出るか出ないかハラハラドキドキさせる
焦らしテクを使った(私個人はこんなシチュエーションがあればすごく楽しめます)
約20分の短編ながらなかなか良く出来ていると思います。

2話は簡単に言うと、現代に近い時代設定で一人青年の母親が墓に入ったり
出たりする話・・。これはちょっとキツイ。

3話はちょっと昔に戻って『聊斎志異』チックなお話。
サブタイトルがそれぞれ付けられてますがこの3話が『古之色狼』という題名です。

要約すると、さんまちゃんみたいな出っ歯の男が出てくるお話です。
(…というか完全にものまねの原口の方だね(笑)

豚小屋に入れられたり、蛇が出てきたりします。。。
王清河爺がゾンビの牙から救われたアイテムとは・・・!?
なぜか女ゾンビだちはキョンシーみたいにピョンピョン飛び跳ねてました。

爪がささって取れない[赤β]履仁…(爆

ということで今回は邵氏の鬼才・桂治洪によるホラー作品でした。
次回はまたまた続きますが桂治洪の『無法無天飛車黨』を書いてみる予定です。

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『劍女幽魂』のレストアバージョン

2011-01-30 00:32:59 | 邵氏電影

デジタルに修復された『劍女幽魂』をついに見ることが出来ました。
協和影視VHSでは狭い画面となっていましたのでとても見やすいですね。

邵氏のDVD未発売作品はまだまだ多数あり、入手したリストによれば
5つに分類されるとか。(以下の通り)
既にリリース済み・・・590本
準備・・・69本
修復済み・・・26本
海外との合作・・・19本
未確認作品・・・255本

『劍女幽魂』は上記準備中69本のうちの1本にカウントされている。
(『七殺』は修復済みとの事)
まだ200本以上の未確認の中には功夫片も含まれ、そのリリースが待たれるところ。
例えば『奇門怪招爛頭蟀』(79)。これは最後に分類されており残念ながらまったく見ることが出来ません。

コメント (2)
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七煞 To Kill a Mastermind メモ

2011-01-10 01:06:07 | 邵氏電影

スン・チョン(孫仲)監督が武侠アクションの極限を見せつけた作品。
同じ79年にはティロンの『教頭』も撮っているが、『七煞』は決して退けを取らない出来。『教頭』とは映画のタイプは異なり、チャン・チェ監督が『五毒』で見せていたような独特の雰囲気を持つ作品である。



キャスティングもカルト殺人集団”七煞会”の教主・萠世豪役に王龍威を置き、ユン・ワーという通好みの俳優や羅軍や羅勝といった邵氏の新しい顔を使いそれぞれのキャラクターが持つ得意技をアピールした五毒テイストのスーパー武侠片に仕上がっている。

冒頭、まず3人が現れる。
盧一飛(羅勝)、梁杰(羅軍)、范壽(鄧偉豪)



待ち受けるのは、
石剛、ユン・ワー、王龍威、元彬、猛丁哥の5名。
これで七殺会のメンバー勢揃い。


同じスン・チョン監督『風雷魔鏡』の九幽魔女を彷彿とさせる女・殷(劉慧玲)








情報:香港の公開日は1979-11-23であるが、78年から製作開始されている模様。
    雑誌では真善美、No.82('80-3月号)と南國電影、No.250('79-1月号)に記事あり。

画像:


出演者:ゲスト出演として谷峰、曹達華が出演。
また、黄彰役に屠龍ことディック・ウェイが出演している。


尚、羅軍と羅勝は”五毒”メンバーの一人・羅莽(ロー・マン)の兄弟である。




1983年勁文社「クンフースター大百科」に載っていたのが
「七殺」でのユン・ワーの姿だったのだ。この本はディック・ウェイやマン・ディンゴ(猛丁哥)の情報まで載っており出演作品など大変参考になる本でした。(ただ、上記画像はユン・ワーのページの隣の人物と入れ替わっていましたが(笑)。


会社:邵氏

ソフト:未確認

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