気ままに戯言 ・・・

日々の出来事であったり、見聞きしたものへの感想であったり、時には不動産の知識や裏話であったり、気ままに書き綴ります。

決済するまで分からない・・・

2017年06月03日 | 業界裏話
 予てから手掛けていた、ちょっとばかり大きな物件がやっとまとまりそうです。大型物件はどうしても当方一社だけではなかなか難しいので、今回もお仲間業者である I さんに協力を仰いでようやくまとまりそうという話ですが、現在迄二転三転しての経緯でしたので、ここでやっと一息つかせて頂いています。とは言っても、まだ契約を済ませた訳ではないですし、恐らく最終決済は来月一杯まで掛かってしまうと思われますので安心はできません。何しろ我々の仕事、お客様の意志を聞いただけでは分からない。そして契約締結をしても、その後何があるか分からない。最終的に決済が行われ、お金が支払われ、登記手続きが終了するまで分からず、安心などできないのです。

 考えてみれば、私はこうした契約締結業務を業として(不動産に限らず)、かれこれ三十数年が経過しますが、住宅業にしても店舗開発業にしても不動産業にしても、いつでも「ハンコ押してもらうまで分からない」業務ばかりに携わっております。住宅でも店舗開発でもそうでした・・・契約日前日になって電話をもらい、「良く考えたのだけれど、やっぱりヤメた。」というのを何度経験したことか・・・ 。不動産業として独立してからは幸いなことにそういうことはありませんが、過去のそうした経験から、どうしてもそんな万一のトラウマが抜けず、最後の最後まで100%の安心感は持てないでいるのです。

 買付証明や売渡承諾書にしても買主様・売主様間の約束事で、本来は法的拘束力などありませんし、契約書は絶対的なものとは言え、中身に融資特約等が記載されておれば融資可否によって白紙撤回も有り得ます。業者としてはだからこそ、万一を回避する為に諸リスクに対して外堀を埋める作業に余念ないのですが、全てを業者がコントロールできる訳でないのは言うに及ばずです。そうした中で一番に大事なのは売主様・買主様のお人柄ですね。業者によるお人柄の見極めなどと言うと偉そうですが、しかし本音、そうなのです。常識・良識的か、いい加減さはないか、約束事をきちんと守って頂けるタイプかそうでないか・・・それにより決済までの期間の業者心理は大きく左右されます。