La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

針なし蜜蜂メリポナ

2023年11月29日 | 新築

【11/27, 28の作業】いらない木の切り倒し、水道契約

 

  最初に入り口確保。

 重い岩。

敷地は今まで誰も使っていなくて道に面してずっと石垣が作ったが、車で入る箇所を決め、その部分を建材の搬入口にするために壊す。

 

 だんだん拓けてきた。

ヒマラヤスギの彼はマイペースで自分の仕事を続けている様子。板状にしたものが増えていた。そして我らが現場作業員たちが、その他の、建設部分と建材搬入に邪魔な部分の木を切り倒す。

  3人がかり。

1人がチェンソーで根元を切る係、1人が変な方向へ倒れないようロープで引っ張る係、もう1人が全体の安全確認。どこでも同じですね。

 大体が、ウアノの木。

この大きい葉でマヤの家の屋根を葺く。メリダでは入手が困難だという。うちにはいらんほど植わってるが、この辺にはマヤの家も多いので、もちろん親方は葉っぱだけ切って取っておく。葉以外は役に立たないらしい。

  親方のピックアップに乗せる。

 搬出。

根元の部分は当然だが、すごく重い。それでもおんぼろピックアップにこれでもかと積んで、前に書いたゴミ捨て場に持っていく。

 針なし蜜蜂メリポナの巣。

養蜂はメキシコのいろんな地域で盛んだが、この蜂はユカタンにしかいない。普通のはちみつより栄養価が高いそうで、人気がある。とはいえ、知らない人も多い。

  巣の中にはちみつ!

見慣れた六角形が集まった形じゃなくて、小さい壺みたいなものをたくさん作る。

 この巣のはちみつは緑がかった色。

ピントがずれてて申し訳ない。一瞬ギョッとしたが、瓶の中に入っていたら爽やかそうに見えるかも。これをみんなで分けてチューチューした。巣もそのまま口に入れてくちゃくちゃできるが、カスになって残る感じなので吐き出した。もしかするとプロポリスとかああとかだったかも。柑橘系の味がするが、柑橘系の花の蜜を集めたとは限らないらしい。奥が深い。

 

 煙を炊く。

とりあえず巣からは一旦出てどれか別の木に移ってもらう。こないだ友達が、メリポナのプロモーションに携わっていてメキシコ各地に行くと言っていた。彼は自分も養蜂をしているので敷地内の木(切り倒さないやつ)についた巣を取りに来ると言っていたが、この巣は気づかなかったので、しょうがない。

ちなみに手前に落ちてる赤いものは、取れてしまった荷台のドアw。

 

 シリコテの切り株。

地面から70センチくらいのところで切り倒した後の切り株が残っていて、邪魔だったのでもっと根元から切ったところ、なんとシリコテの木だった。ここでは実を甘く煮て食べる。が、珍しい木材として、世界中で人気がある。ギターとかにも使うらしい。模様がなかなか…ということで大きなテーブルトップなどにも使う。確かに、海辺の村のガイジンたちが高い金出して買いたがりそうな、素敵な模様。流通名はジリコテだが、スペイン語だとシリコテ。

模様は素敵だが、これがめちゃくちゃ硬い。作業員が延々とチェンソーを使っていた。

  最後。

いい加減嫌になったのか、全部チェンソーで切るんじゃなくて、最後は大きな岩を投げつけて退治。

 3回目にして成功。

 

 鉄筋も到着。

すぐに使うのは基礎用の岩とセメントと砂なんだが、邪魔にならないよう奥に入れるために、後から使う鉄筋から到着。海辺の家の隣地の現場とは大違いである。いいチームでよかった。ちなみに作業員は全員、親方一家の身内。チームワークもいい。

あとは、水道をひくために親方と役場へ。1人でできると思ってたんだが、親方に連れてってもらって正解だった。住所を言ったらすぐ…というわけではなく、近所には誰がいるとか誰それの隣とか、確認していた。果物の木を植えたり野菜を作っている土地には水道は引けなくて、自分で井戸プラス灌漑設備をつけなくてはならないので、住居用であることの確認らしい。

今、申し込みが多いので、最悪2ヶ月後になるという。そう説得するために見せてくれたリストには10人くらい並んでいたw。メーターなしの定額はプログレソと同じだが、村にある四つの井戸から1日の決まった時間に送水し、各戸でポンプを使って屋根のタンクにあげる。


やっぱりマヤ語だった

2023年11月27日 | 新築

【11/25の作業】 建材購入

 

親方への支払いを済ませ、彼が現金をそれがしの場所へ移し作業員へ招集をかけている間、家で待ち、時間になったのでまずは現場へ。

  スギが切ってあった。

先日戻ってくると言って来なかった彼が来たらしい。いいよと言った3本のうち一番大きいのを1本切り倒しただけだが、それだって結構大変だったのでなかろうか。複数で来たんだろうか。見たかった。まだ途中だからか逃げるつもりか、上の方の「彼はいらない」部分はそのまま。

 彼がほしい部分。

立派な板になるであろう。親方と話して、もしいらない部分を持っていかなければ、親方のチームで処理してもらう。どうせ家の建設のために何本も切らなければならないから、ついでにやってもらえることになった。村外れにゴミを捨てに行く(ゴミを回収する)場所があるらしい。海辺の村にも、トラックでの回収サービスが始まる前まであった。大きい空き地で、正式に雇われたわけじゃないと思うが人が数人いて、燃やしたりリサイクルできるものを分別したりする。分別したものは彼らが売って現金にする。ゴミを置いてくるときにチップを払うという仕組み。国土が広いからできる話ですね。どのみち焼却場などないし。

親方のチームのうち3人が到着。まずは2日か3日かけて木を切る作業に就く。4人はマヤ語で話した。となると、この先彼らが何か話していても、こっちの耳に入って「へえ、そうなのか?」とか「えっ、そうなの?」→質問する…が無理である。その代わり、マヤ語を覚えたいならすぐ覚えられるよと言われた。わたしは個人的に外国語は文法から理解し始めたい人間で、前に見つけた、日本人の言語学者?が書いたテキストを頼りに、彼らと練習してそうなったらいいなと思うがオノレの言語習得力はよくわかっている(ダメだと)。竣工までにどのくらいできるようになるんだろう。

普段、村の中で買い物している分にはほぼスペイン語で、メルカドに行くとたまに聞こえてくるぐらいだったので、この村は意外とスペイン語化が進んでいると思ってたんだが、がっつりネイティブ(学齢になってスペイン語を学んだ人たち)であった。

家を建てる場所を確認して、親方のピックアップで彼の馴染みの建材店へ。ドアは運転手が手を伸ばして内側から、窓はくるくるを回して…という年代物。メキシコらしくてよろしい。相棒は荷台に乗っていった。

写真をまったく撮ってなくて申し訳ない、村の中にある建材店で、間口は一間ほど、奥の広い庭にブロックなどメジャーな取り扱い商品がドーンと積んである…という、どこにでもある店である。店内には大概の商品があるが、一つの商品につきチョイスは少ないパターン、大体どこもそうだがメーカーと品番を指定すれば何でも取り寄せてもらえる。意味ないんでしないけど。

親方はうちの現場について前もって話していたようで、買い手である我々に関係することはスペイン語、買い物自体はスイスイ進んだ。が、銀行振込(基礎と1階の壁分なんで、結構な金額)しようと思ったらアプリがおかしくなっていて(よくある話)、その間聞こえてきた雑談はマヤ語。店主と親方が世間話をしてたんだが、どこそこの農地がいくらで出てるとか売れたという話のようであった。マヤ語といってもヘクタールとかペソとか単位はスペイン語になるんで簡単に想像できる。

というか、この辺ではよくある「世間話のテーマ」なのである。本当に誰でも家とは別に土地を持っている。感覚的には日本でいうと、「新しいの買ったんで前に使ってた古いのが家にある」とか「うちの息子がおいってったのがあるけど誰も使ってない」みたいな、つまりパソコンくらいの身近さ。金額もメキシコ人の所得を考えると安くはないが、しょっちゅう売ったり買ったりしていて貯蓄をどうという話じゃないからか、特別なことという印象を受けない。珍しくない話題といった感じ。広さにビビってた我々もようやく慣れてきたw

そういう土地は、灌漑設備を整えたあとに果物の木を植えてあって、ときどき親戚の誰かがまとめて収穫に行く(肉体労働)か、年に2回くらい購買業者に来てもらうかというパターンらしい。ちなみに、前の記事の食べられないパパイヤについて「ちゃんと実がなる苗木を買ってくればいいだけじゃん」という反応だったのは、この、村人みんなが多かれ少なかれ農産物を作って収入にしているところから来ていると思う。

建材店に続いて岩屋へ。

 こんな岩。基礎や塀に使う。

 単位はビアへ

ビアへの意味は、旅、つまり往復って感じか。業者から仕入れるのでなく、発注したらその親父さんがどこか行って集めてくるらしい。その1回分=親父さんのトラック1台分を指す。まぁこのへんにはゴロゴロ埋まってるんだが、すごく重いんで大変な仕事だしそれなりの金額である。メリダや海辺の村ではすごく高い。こちらもマヤ語。

買い物が終わって、親方が自宅を見せてくれた。岩屋からすぐで、なんと1町歩まるごと身内。広い敷地にはマヤの家が5戸くらいと寝室だというブロック造の新しい建物がひとつ、離れが数戸建っていて、いろんな木が植わっていて、鶏小屋もあって、奥にはテラスがあってご両親他10名くらいが食事をしていた。新しい建物では青年3人が仕上げ作業、道に面して雑貨屋があり、そちらは奥さんの店ということで小さい娘さんも2人いた。

なんたる大きい土地。なんたる大家族。所得倍増計画で核家族化が進む前は、日本でもみんなそうでしたよね。いや、人数の話じゃなくて。ご両親は70代だそうだが今の日本人の感覚でいうとヨボヨボで、嫁や孫が笑顔でご飯は足りてるか美味しいか聞いたり我々のことを説明したり(マヤ語しか話さないので)、大切に世話されている。ヨボヨボなのは先進医療何それおいしいの?だからだと思うが、日本の寝たきり老人の介護問題いろいろ、介護職員の薄給とか施設が訴えられたとか社会保障費増大などアレコレを思い出したりして、非常に考えさせられる。延命とか虐待とか極端な話を抜きにするにしても、ああ、本来みんな「幸せな老後」を求めていて、それが日本ではいつから「死なないこと」になっちゃったんだろう…なんて考えたりする。

 マヤの家の一つ。

デカイ。それに本物。屋根だけはこういうのでも壁はよくても木材にセメント、もっとなんちゃってだとブロック造というマヤの家はよくある。

 この家は伝統的な土壁。

住みたいとかそういうことじゃなくて、これ文化保存的なことをした方がいいんじゃないかと思うくらい、珍しい。

 岩の水鉢。たくさんあった。

 遺跡のかけら!

よく国立人類学歴史研究所による正式な修復プロジェクトに駆り出されるそうで、観光客向け…って言っちゃいけません、保全用には使わない残りを研究者がくれたとのこと。はっきり言って古代のものはユカタン半島だけでなく、北部の砂漠でなければそこそこ埋まってて、建築前に何かで出てくると面倒なのは日本と同じ。だが、どこで掘り出したなんてのはその面倒が終わらない限り、いつの何王朝の…などといったことはわからない。こちらは素性がハッキリしているが聞くのを忘れた。

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 ピザ(見ればわかる)

ユカタン料理に飽きたので頼んでみたら、これが手作りで少々塩気が強かったものの美味しかった。メリダや海辺の町で売ってるのとちょっと違う、もろ手作りでーすという感じ。

前に中華を頼んだときも、メキシコ中華を想像していたらちゃんとした麺(メキシコ中華ではスパゲティ麺)でちゃんと豆鼓醤を使っているし(メキシコ中華ではインスタントの中華ソースでどこも同じ味)、ついてきたチキンはなんと西檸鷄だった。

思うに、料理としては真似して作るが、商業地区特有の「ウケるようにネットでちょろっと調べてそれらしく手を入れるがメキシコあるあるの理解の浅さで上手くいかず、なんちゃって度が上がるだけ」の部分が、村人にはないのではなかろうか。


豊かな植物

2023年11月25日 | 新築

【ここ数日の作業】草刈り、ゴミ拾い、ゴミ焼却

 

思ったより面白い土地だと書いたが植物だけでもとても豊かで、お隣さん(売主の旦那・ヒルベルト)に名前を聞いてもすぐには覚えきれない。

 つる草の根元

前の記事で書いたジャングルの原因であるつる草。村の名前になっていて、マヤ語でアキルという。ちなみに前に住んでいた海辺の村も、その辺に多い(多かった)サボテン、正確にはアガベの名前だった。同じくマヤ語でチェレム(発音はチェレン)という。

とにかく至る所から芽が出ていて、高さ50センチくらいまでなら簡単に引っこ抜ける。3メートル以下だと、頑張れば確実に引っこ抜ける。それを超えると、この太さ。天を突くような大木に絡まった、もっと育ったやつになると、直径でゆうに20センチは超えるらしい。つる草なので若いのでさえ切るのは一苦労で、この根元もマチェーテでも結構苦労すると思う。現場作業員に任すw

 パパイヤ

…だが、大きく熟さないで鳥の餌になるだけの種類らしい。種類というか、種から出たものに多いらしいんだが、ここの人は理屈ひとっ飛びで「食用の苗木をどこそこで売っている」とワーワー言いだすのでよくわからない。家が建って敷地内がある程度整ったら、食用になる実の木を選んで(欲しいもの全部植えるとまたジャングルになる)、言われた通り苗木を買ってくるつもり。

 山のチャヤ 

例のスーパー葉野菜チャヤの、食べられない、役に立たないバージョン。葉の縁には棘があるので見ればわかる。これは単に引っこ抜いて退治すればいいらしい。

 チャカ

猛毒植物チェチェン(この記事の最後)とペアでマヤ神話にも登場する木。チェチェンの毒を和らげる作用がある。ペアだけあって巷では「必ず近くに対で植わっている」などと言われていて自称・通もすぐそう言う。太古の昔は知らないが、実際はそんなことない。海辺の村はチェチェンだらけ、こっちはほぼ全部このチャカ。

 マメイ

ユカタンの名産物になっているフルーツ。サツマイモと柿とメロンを合わせたような味。果肉はねっとり系。隣の家に大きな木があって、その枝が伸びているだけだと思ってたんだが、草を刈ってゴミ拾いをして拓けてきたのでよく確認したら、うちに別の小さい木が生えていた!

他にサポテという、こちらはメキシコ中にご当地種があるフルーツの木もあったが、レポートは実がなっているときに。

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進捗(記録)。

  

草を取ると岩がゴロゴロ出てくる。建設中に床下を埋めるのにも使えるし、もろ土ではなんなので将来小道を作るのにも使える。が、今のところ集める余裕がない。ところでそういう地面なので、知らない間に軽く足首をくじいていた。注意して歩き回るだけで、足腰と体幹鍛えられそう。

敷地内に植わっているヒマラヤスギのうち、大きいもの(高さ三階建ての屋根くらい)は太いところを板にするためにほしがる人がいる(他にも使える木があると、普通にいろんな人が家主/地主に声を掛けてくるという)。昨日、ちょうど来た青年にいいよと答えたら道具持って出直すと一旦帰っていったが、戻ってこなかった。メキシコあるある。現場作業員に頼むとコストがかかるが、ほしい人に切らせるといくらか払ってくれるか、コストゼロでいらない部分も持ってけば切ってもいいよと言える。できれば現場が始まる前にきてほしい。

その現場、人工代が出て納得したので正式に発注(とはいえ別に何もしない)、明日、半分前払いして、その後親方と一緒に買い物に行く。木を切る作業ももしかして始まるかも。

 基礎と一階の壁までの材料(分量)

大体の単価を聞いて、彼が帰ったあと総額を計算してみたら、まぁまぁだった。やっぱり海辺の村より安い。

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 敷地内にいた亀。

マヤ語のテキストにも、早い段階で「私は亀を食べます」という例文があった。これは小さい、食べない種類。

 牛肉の販売(屠畜)のお知らせ。

村では市場か肉屋で鶏肉豚肉を買えるが、牛肉の扱いはない。こういう張り紙や宣伝車で「いつどこそこで屠るよー」という情報が告知され、部位と量を連絡すると何時にOK(買ってこられる状態になっている)と教えてくれる。豚もそうだが、1頭丸ごと売り出す生産者もいる。


マヤの村に来た ②

2023年11月21日 | ユカタン諸々

  

ガソリンスタンドのお向かいさんが、またくれた。左奥から、ライム・リマ・グレープフルーツと、赤いオレンジ。すごい量で、店を出せるW。

リマというのはユカタンにしかない柑橘類で、ソパ・デ・リマというスープはユカタン料理リストの上の方に出てくる料理だが、日常的に家庭で作って食べている人には会ったことがない。ライムより酸っぱくなくて、ほのかに独特の味がする。皮も独特のいい匂いがするので、もしかするとゆず味噌的なものを作ったら美味しいかも(新居に移ってからの楽しみ)。

   古い教会。

前にスペイン語の先生とうちの村に何があるかって話をしたとき興味を持ったんで、その目的で撮った写真でパッとしなくて申し訳ない。

 正面はこちら。誰かのFBより。

1875年に教区ができて建てられた古い教会で、この辺の村にはほぼ同じようなバカでかい教会がある。スペイン人+その子孫である支配層がこれ見よがしに作ったのがよくわかる。

  内部。

今も日曜の朝ミサをしている。普通メキシコの町や村というのは真ん中に中央公園があり、その四方に教会と役場その他があっていかにも町の中心といった感じなんだが、この村では少し離れたところにある。村で唯一の教会なので、今も日曜の朝はミサをしている。

 チャヤ のでっかい葉。

チャヤ の木は地面のすぐ上のあたりにもどんどん新しい枝が出てきてそちらにつく葉っぱは小さくて柔らかい。料理に使うのはだいたいそれ。この木はなぜかこんなごっつい葉しかつかない枝を切ってなかった。びっくりの大きさ。

前記事に書いた借家。ここには半年弱しかいないので晒す。

 前の道。

左の写ってないとこにお向かいさん。

 うち。

 うちの中。

こういう何もない部屋が4つ。一部屋をまったくの倉庫にして一部屋を寝室にして、この続き部屋で諸々。

 離れ。

ここにトイレとシャワーがあるんだが、庭でテキトーに走り回ってるはずの犬が入って泥だらけになるので、ヒトは使うたびに掃除する羽目になっている。すごい面倒。

 

さて、なんとか引越も終えたので、新築工事の準備に取り掛かった。まずは草刈り…というか、腰より高く伸びたいろんな植物を取っ払って地面の様子がわかるようにする。でないと本当にボーボーで、どこに家を建てたらいいかも決められない。

 作業前と、 作業後。

  同じく。

 ゴールは遠い。

こんな土地。腰以上に伸びている草はこの村の名前にもなっているつる草で、切らないと、その辺の木の幹を伝って上へ伸びていく。ただこのつるを使って作ったカゴなどの民芸品があるそうで、まぁ村の名前の由来でもあるし全部取っ払ったりせず手入れして大事にするのは採っておく。と言っても、本当にいくらでも生えているし生えてきそう。

 

最終的にはこのくらい。お隣さんちのお父さん(土地の売主の旦那)が請け負ってくれたんで捗った。我々だけでは気が遠くなるようなジャングルであった。

 敷地内のミニ・セノーテ。

本当はピレタと呼ぶんだと思うが、セノーテも同じようなもんである。棒を刺してみたら、ずいぶん深そうだった。竣工後の楽しみだが、今は落とし穴状態w。

 謎の水溜め。

水たまりではない。明らかに人工的なもの。こちらはあまり深くない。

というわけで買った当初は木がボーボーの平地だと思っていたが、奥に向かって結構高くなっているし、大きな岩がゴロゴロしてるし、一部は自然の石段みたいになっているし、なかなか考えていたより面白い土地であった。

草は刈ったが、散らばってるゴミの量が半端ない。村人はゴミを燃やしてその上に土をかけたりするので、地面の中にも埋まっている。これから1週間くらいはゴミ拾いに明け暮れることになりそう。その後は建設部分に生えている木の伐採。木によって根元で切ったり根っこを掘り出したりいろいろらしい。

もう建ててくれる大工(日本の大工とはする作業が違うが請け負い方が同じ)の親方と会って、近々躯体だけの人工代が出てくる。材料は、親方が必要な分だけ我々に伝えて我々が買いに行って現場に届けてもらう仕組み。前の家のLさんは信頼していたので全部込みの工事費を出来高払いで払っていたが、ちょっと違う。

ちなみにドアつけたり棚作ったりなどの小さい作業だと、材料費を先にくれと言ってバックレる詐欺業者がいるので、スッキリ安心だし金のやりとりも分散されていい。


マヤの村に来た

2023年11月15日 | ユカタン諸々

 こんな感じの村。

村の友達にみつけてもらった借家候補3軒目は、引越の準備で時間がなく、結局見に行かないまま決めてしまった。

 この道沿い、家は写ってない。

他の道や買った土地には、マヤの石塀があるが、この道は少ない。往来が多いからかも。

 売れた家。

まず引越しの話をすると、8時と言っていたのが半過ぎても来ないんで電話したら、「ロジのミスで3時にしか行けない!申し訳ない!」と言われて7時間近くボケーっと何もない(梱包しちゃってるから。上の写真)ところで待っていた。トラックに積んで村まで来て全部下ろしたら11時だった。疲れた。

隣の食べ物屋が自分の敷地内に作った「4つの部屋以外何もない建物」と「トイレとシャワーの離れ」という家だった。はい、キッチンはありませんよ。

 こんなの。

とりあえず、仮住まいでは使わない家具や荷物を奥の部屋へ。

 正面の上部が丸いドアが玄関。

前から、暗くなって散歩したりしてると、電気をつけてるんで家の中が奥の方まで丸見えの家が多いなと思ってたんだが、今まさに自分たちがその状態。海辺の村で風を重視して建てた家はとても涼しかったが、この辺りでは風がない代わりに内陸部なので夕方から気温が下がる。するとドアや窓を開け放って、外の冷気を入れ始め、村人はみんなどうせ知り合いなんでプライバシーとか気にしてない…という暮らし。

引越したのが月曜日で、前の家の買い手による引き渡し前チェックが木曜だというんで水曜に行って家の中と庭を掃除して、引越トラックに乗り切らなかった相棒の植木と植木鉢を乗せて村まで。金曜日に買った家の最終契約にメリダへ…というわけで2日に一回長距離(前の家から150kmくらい、往復300km)移動したんで、ホント疲れた。

が、それ以外に疲れる原因として、借家がキャンプ状態なのである。多分、常に貸してるわけじゃなくて、友達が知り合いに尋ねていたら「家具を置いとくのと臨時で住むのが目的なら、こういうのあるよ」というわけで、急遽貸すことにしたんだと思う。掃除がまだ…と言われて一週間前に見に行けなかったわけだ。床はキレイにモップがけしてあったが、壁や窓など蜘蛛の巣だらけであった。

キッチンがなくて不便なんだが、なんと村の半分くらいはまだ薪で煮炊きをしている様子。つまり、借りたところと環境は同じ。メキシコは昼ごはんにがっつり食べるので、昼過ぎから庭で何か作り出して夜はお菓子か何かつまんで終わり。

調理をどこで…ということ以前に、何しろ流水を使わない。前に書いたか?コロナのときユカタン人は手を洗わず除菌ジェルを塗りたくっていたが、感染云々でなく日頃の生活であまり水を使わない。セノーテの話になると、神秘的…スキューバできる…という修飾語ばかりだが、マヤ人はその水を大事に使って生きてきた。乾季の間一滴の雨もなく、セノーテの水だけを頼りに暮らしてきた、スキューバスポットじゃなくて、農作物に水をやったり体を洗ったりと生活そのものに使ってきた。そしてその長年の暮らしが今の水をあまり使わない生活文化になっている。あー、不便。

あとうちの犬どもはずっと屋上テラスで飼われてて、今回わかったんだが地面では寝たがらない。土まみれになってトイレの離れ(タイル張り)に入るので、すごく汚れる。もうどうしていいか分からない感じ。きれい好きにはとても厳しい。これは文で書いても伝わらないと思う。一週間たって精神的に少し慣れたのと、これから乾季になって雨が降らなくなれば「床がドロドロ」になることは減るのと、建てる新居は風呂桶付きでバッチリになるのでそれまでの我慢なので、なんとか乗り切るつもり。

ちなみに温水器はない。ないが、真冬でも昼間30℃くらいまで上がるのと、水を屋根の上のタンクに一旦上げるんだが、太陽で熱せられて日中は水温が上がるのと、これからも新居の工事で体を使うので、水風呂で乗り切れると思う。

で、その食べ物屋の大家なんだが、日本人にわかりやすい言い方をすると、買って帰るタイプのタコス屋である。朝食用がメインで、一応昼も開いている。が、ここはディープマヤの村、メインはタコスじゃなくてパヌーチョスとサルブーテス。

 鶏のサルブーテス。

 豚肉のサルブーテス。

パヌーチョも似たようなものだが、トウモロコシ粉で作った生地に黒インゲンのペーストを塗ってから揚げる。日本語で検索して出てくる写真のは観光客向けなんでアボカドとかいろいろ乗ってるが、庶民が食べるのはこんな感じ。

当然引越しの翌朝食べたんだが、めちゃくちゃ美味い。びっくりするほど美味しかった。今まで食べたサルブテで一番美味いかも。7時を過ぎると、注文する客と注文しておいたものを取りに来る客でいっぱいになる。生地の作り方とか揚げ方が少し違うだけだと思うが、その辺こそが料理の要ですね。

借家の話に戻ると、この食べ物屋(大家)のおばさんがすっごくいい人で、気さくで、賃貸契約も細かいことなし、月が変わる前に翌月の家賃を払うだけ、増築部分なんで電気代も水道代もなし。契約書も敷金礼金もなし。友達が「外人だと思ってぼってる」と言った2軒目にしなくてよかった。そっちはキッチンがあったが、これからこの小っこい村に住み続けるんで、いい人たちと知り合いになっていったほうが断然いい。

 お向かいさんはガソリンスタンド。

バイクが止まるとペットボトルに入れたガソリンと漏斗をもっておじさんが出てくる。ぜひ拡大表示して、トゥクトゥクの向こう側のおじさんの手元を見てください。子供も時々手伝う。現金のやり取りをしてないから、どうやらツケらしい。

  みかんとグレープフルーツ。

そのお向かいさんにもらった。庭に生えてるという。他にも土地があって(この辺の人はみんなそう)、そこには他の種類の柑橘類もあるという。なんたる豊かさ。ちなみにグレープフルーツ(写真の赤いやつ)は全く酸っぱくない。みかんも甘いが、この先もっと甘いのが出回るという。グレープフルーツとみかんとライムとオレンジで、ユカタンには全部で10種類を超える柑橘類があるらしい。少しずつ旬がずれているという。楽しみ。

 スターフルーツ。

お向かいさんちの息子(少年)がこういうのもあると採ってきてくれた。こちらは手で剥いて食べる(洗い物が出ない)わけにはいかないがどうしよう。

  近所のマメイ購買所。

採れた果物を持っていくと買い取ってくれる。この村はマメイが多いが、柑橘類を扱う事業所もある。朝、「今日、ドン何とかの家で買うよー、いい買値だよー」と宣伝車が回ってくる。

 飲料水の販売。

だいたい空の容器との交換なんだが、彼は漏斗で移すタイプであった。初めて見た。

というわけで、この一週間壁や窓や庭を掃除したり物を片付けたりしてたんで、ちょっと落ち着いた。決してずっと住みたい家じゃないが、新居の工事に張り切れるんでいいかも。