みんなちっちゃな動物は
しっぽに弓をもっている……
トーベ・ヤンソン『たのしいムーミン一家』(山室静/訳)を読みました。
大変有名なムーミンだけど、イラストでこんなキャラクターいてるなっていう程度にしか知らずにいたので、ちゃんとお話を読んでみたいと思っていた作品。
ムーミン谷に春がきて、冬眠から目覚めた仲間たちが魔法の帽子を見つけて騒ぎになったり、船で無人島へ遊びに行って嵐にあったりニョロニョロに襲われたり、谷のみんなでパーティーを開いたりして楽しく暮らしていますというお話。
たぶんこの本が最初でいいと思うんやけど、ムーミンたちが何者なのかとか、どんな姿をしてるのかとかが一切出てこないので、挿絵があってはじめて、小さいカンガルーみたいなのがスニフらしいとか、スノークとその妹がムーミンと似た姿なんだということがわかる。
でもそれぞれキャラが立ってるというのか、このひとはこういうときこうするよねっていうのが自然と定着して、キャラクターとして愛着がもてるようになってた。
ムーミンは妖精と言われてるけど、このお話の中に出てくるのは、小さい動物も虫も、たぶんみんな妖精の部類なんやろうね。
「あたらしい友だちをつかまえて、家へもちかえった」とかいうのは虫とか捕まえて遊んだってことやろうけどな。
なんとなくムーミンは大きいカピバラが二足歩行したぐらいのサイズじゃないかという感じがする。
フィンランド語のムーミンの絵本を見たことがあって、その表紙には「MUUMI」とあって、あちらではムーミンではなくムーミらしい。で、「ムーミントロール」とか「ムーミンパパ」って後につなげるときに「Muumin」になってたと思う。
たぶんムーミが種族名かファミリーネームなんやね、と思ってたら、あとで調べるとスエーデン語では「Muumin」やったからよくわからんことになった。
どうもパパが若い頃いろいろ冒険してきたらしくて、ずっと自伝を書いているのが気になる。
講談社文庫のシリーズではムーミンパパがタイトルに入った本が2つもあるので、その内容もいずれわかるでしょう。