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「 『老い』 の日々を生きる武士」 を読んで

2018-03-09 | 読書

「江戸の暮らし122話」(つくばね舎) 刊

 日本風俗史学会 編  183頁 

 「 『老い』 の日々を生きる武士」 を読んで

 

御三家筆頭 尾張徳川家の家中、横井孫右衛門は、

『鶉衣』 といいう書をもつ俳人で、

天明三《1783》年 82歳で没した人物であるが、

かれは世の老人へ教訓として、次のような狂歌を読んでいる。

 

「 皺はよる ほくろは出来る 背はかがむ

頭は剥げる 毛は白くなる

__人の見苦しさを知るべし__

 

よだれたらす 目しるをたらす 鼻たらす

とりはずしては小便ももる (失禁)

__人のむさがることを知るべし__

 

訊きたがる 死にともながる 淋しがる

出しゃばりたがる 世話やきたがる

__では、どうしていればよいか ?

 

宵寝・朝寝・昼寝・物ぐさ・物わすれ

それこそよけれ 世に立たぬ身は 」

 

「武士といってもその職や階層で生活実態には大差がある。

私たちは、それぞれの


{老い」の姿をまだほんの断片でしかつかめていないのでは。」

 

私は、現役の頃、

「人間、霞を食って生きておれれば、どんなに幸せか」 と、

夢のようなことを想っていたが、

今まさに、そうした状況に置かれている。年金暮らしである。

 

年金制度のなかった江戸時代の老人は、どう暮らしていたのだろう。

資産のない老人は、大所帯の中で、小さくなって暮らす以外、方法はなかった。

万一、一人暮らしの場合は、生涯現役しかない。

聞こえは良いが、現実は野垂れ死に。厳しいものだ。 

 

しかし、少子っ高齢化で、またそうした時代が近づいているようだ。

いい時代に生まれたもんだ。


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