「大江戸世相夜話」(中公新書)の
「秘薬 『熊胆』 の値段」 を読んで
昔から、熊を捕獲する第一の目的は、熊胆(くまのい)をとることであった。
「熊の胆嚢を取り出して、乾燥させて薬として用いる。・・・
ものすごく苦い味だそうである。
高熱を出して痙攣を起こしている子供の気付け薬、
また腹痛や消化不良の解消薬,強壮剤として珍重されたという。
江戸時代の始めに、明の時代の本草学者である李時珍(りじちん 1518~93)が書いた
『本草綱目』が入り,熊胆の効能が伝えられて有名になったらしい。」
「当然、将軍も入手をはかり、幕府は 『またぎ』(※) の本場秋田藩にその上納を求めている。」
※ 東北地方の山間に居住する古い伝統を持った狩人の群れ。
値段も大変高価なものであり、秘薬「熊胆」として珍重されていた。
熊胆の需要は年200kgぐらいで、
熊一頭で20gしか採れないとすると、熊一万頭分になる。
そしてその値段は、産地の飛騨高山でも、
熊胆一匁(3、75mg)が金一両(20万円相当)もするそうだ。
高価なものだが、現在でも重宝されているのかな~
あまり聞かないが。