今年の夏は記録的な猛暑。熱中症での救急搬送も過去最高のようだ。
そんな中、産業医を担当している職場での熱中症の発症は最小限に留まったと思う。
担当の方と従業員の方々の努力に感謝したい。
そんな中、「ついにこんなことが!」ということが起こった。
ある担当者からの連絡。
「従業員が東京のオンライン診療を行っている内科のクリニックを受診して【適応障害で1週間の自宅療養】という診断書がでたのですが・・・」
その後の詳細は確認中だが、遂にきたか、という感じだ。
前のブログでも書いた通り、精神科・心療内科の新患が受診できないのは完全に社会問題化している。
遂にオンライン診療を行っている内科クリニックから【適応障害】の診断書が発行された。
もうこれは医療崩壊。この先がとても心配だ・・・。
遅れましたが明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。
新年早々、炎上覚悟である。
あるメンタルヘルス対策の本を読んでみた。
写真がその一部。本の冒頭部分、メンタルヘルス対策には「(a)全体の対策と(b)メンタルヘルス不調者への対応が必要で・・・」(b)について詳しく述べられているところ。
ひどいなあ。。。。
こんな感じだから全国的に精神科や心療内科の新患の予約がとれず、患者数・休職者数も増える。疾病管理で発達障害の問題を解決できると思っているのだろうか?
これを読んで「疾病管理か!」と誤解して、何の解決にも至らなかった会社の管理職や総務担当からの相談に、我々産業医は乗らなければならない。
このボタンの掛け違いを直すところから始めなければならないのだ。
【事例のなかには労務管理よりも医学的管理すなわち「疾病管理」が優先されなければならない者が少なくありません。】の文章には悪意すら感じる。決して「労務管理よりも疾病管理が優先」とは書いてはいないが、多くの人はそう誤解してしまう。
新患の予約が取れないのは医療崩壊だと思う。自らが蒔いた種だ。そんなに「疾病管理が重要」というなら、しっかり問題を解決してもらいたい。
もしできないなら、このような表現ではなく「労務管理や自己保健義務の重要性」を述べて欲しい。
散々振り回しておいて「誤解する方が悪い」とでも言うのだろうか・・・。