地震の爪あと

じつは地震以降、くうたの挙動がちょっと変です

所在なさげに家の中をうろうろしたり、ぽん母のあとをくっついて歩いたり
腕がだるくなるほどナデナデしても、「もっと～～」と催促したり
ご飯も半分以下しか食べないし、大好きなチーズにも顔をそむけ
地震以降の落ち着かない雰囲気に敏感になってる感じで
最近は減ってきた肉球ナメナメも復活してしまいました。

それもようやく落ち着いてきたと思われた月曜日のお昼前。

横田基地にむかう前後にプロペラのついた大型輸送ヘリが３機
ぽんぽこ家上空を低空飛行して行きました。

お山の木に引っ掛かるんじゃないの？って思えるほどの低さのため
響き渡るプロペラの爆音とともに、家がびりびり震えるほどです。

そんなのが１０数分の間に次々と何機も通過してくものですから
そのたびにくうたは怖くてブルブル…
「怖くないよ、大丈夫だよ」と抱きしめても
「お家怖い！出して！！！」とばかりにキューキューなきながら
サッシをカシカシ、ドアをドンドンが止まりません。

外に行けば落ち着くようで、この日は午後から夜まで
３０分～５０分のお散歩を3回つきあわされました。

そして就寝前のチッチ～にぽん父と行ってきたあと
めずらしく２階に上がってきたくうたは、さっさとジョン君に丸くなって寝る態勢でした。

「お休み～」と電気を消し眠りについた１時ちょっとすぎ、くうたが歩きまわる足音がします。

しばらくするとぽん父の横で「お散歩連れてって～」と小さく吠えだしました。

翌日も仕事のぽん父を起こすわけにいきませんので
すぐにパジャマの上にダウンを着込み、深夜のお散歩です。

途中でプップ～もしたので家に帰ろうとしても、ガンとして拒みます。

４０分くらい寝静まった近所をうろつき、やっと家まで帰って来たんですが
今度は歯をむき出しにしながら「家の中に入るのはイヤ」だと抵抗します。

それならばとベランダに連れてったら大人しく入ってきて、係留リードにもつながれたので
ぽん母も安心し家に戻りそのまま布団にはいりました。

すると１０分もしないうちにまたもやキューキュー
しだいにヒステリックな感じにほえだしました。

時間はもう２時すぎ。
これ以上つき合いきれないとほっておいたら、諦めたのかすぐに静かになり
ぽん母も眠りにつくことができたのです。

しかし翌朝、仕事を終えて帰ってきたぽん母が見たのは

無残にも壊された脱走防止ネットでした。

吠えても来てくれないことに諦め、柵を乗り越え、首輪抜けで脱走したのです。

すぐに近所を探すもまだ６時前、大きな声で呼ぶわけにもいきません。
間もなくぽん父を起こして会社に送り出さなくちゃいけません。

一旦家にもどり６時半過ぎにぽん父を見送ったあと
水とオヤツ、首輪にリードを持って、くうたの大好きなピーピーボールをならしながら
「くうた～！く～ちゃんおいで～」と呼び裏山を歩くこと５分。

ふと眼をやると３軒先のK池さんちの裏の斜面を、一目散に駆けあがってくるくうたの姿。

脱走を叱りたい気持ちを腹の下のほうに押し込み、まずは駆けよってきたことを大いに褒め
お水とオヤツでオスワリしたところで首輪とリードを装着し
ご近所を一回りして家に戻りました。

帰宅後は、一晩中不安だったのかぽん母のそばを離れません。
２階にベッドメイクをしに行くと、整えたぽん父のベッドの上で横になり
安心しきった様子で爆睡してました。

この様子に安心したのはつかの間…

夕方のお散歩を終え、ご飯も食べてまったり～しはじめたころ
ぽんぽこ家の隣の町会から先が停電になりました。

その取材ヘリが家の上空を飛ぶもんだから
またもやくうたのブルブルが始まりました。

「もう行っちゃったから大丈夫」と言いながら１５分ほどナデナデ、ナデナデ

どうにか落ち着いてまた丸くなったと思ったら、今度は静岡東部の地震…

震度３以上はあると思えるくらいの揺れに、コタツの周りを逃げるくうたの首輪をつかみ
棚とぽん母の足の間に座らせ「怖くない、大丈夫！」
と震える身体を抱きしめ、と言うか拘束し
揺れが収まったあとも震え続けるくうたをなだめ続けた夜でした。

１１時前にぽん父が帰ってきて、台所で夕飯中もずっとテーブルの下で伏せていたので
昨夜は２階から毛布を持ってきて居間でくうたと寝ることにしました。

最初ぽん父愛用の寝心地のいいうたた寝用クッションで横になったところ
くうたはまだ落ち着かないのかコタツの周りを歩き回っています。

そのうち耳元でキューキュー、アウアウ
「まったく今度はなに？」と起きたところ、すぐにぽん父の席で丸くなり

と自己主張！

仕方なくぽん母は寝心地の悪い自分の座イスで横になりました。
明け方、寒さで目を覚ました時、よく寝ているようだったので、２階のベッドに戻り横になりました。

ぽんぽこ家としては被害がなくてよかったと喜んでいたんですが、
まさか地震の爪あとがくうたに残ってるとは…

いっしょに歩こう