ミーハーのクラシック音楽鑑賞

ライブ感を交えながら独断と偏見で綴るブログ

観客の世代交代とマナー向上が求められるN響定期

2009-12-17 13:08:05 | N響
昨日(16日)サントリーホールで行われたNHK交響楽団第1663回定期公演へ行ってきた。指揮はシャルル・デュトワ。ピアノはニコライ・ルガンスキー。

【演目】
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
  ~休 憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第11番ト短調「1905年」
《19時00分開演、21時00分終演》

決して悪い演奏ではなかった。悪いのはすべて観客である。N響定期の観客はN響のメンバーが世代交代しているのと同じように、観客も世代交代すべきである。加えて、観客のマナーのレベルアップも求められる。

御存じのようにN響定期演奏会の観客には高齢者が多い。65歳以上の年金生活者が半分以上を占めていると言っても過言でない。その多くは昔ドイツ語を勉強していたとか、哲学を齧っていた堅物そうな紳士や、お嬢様の時代にクラシック音楽を嗜んでいたような御婦人たちである。特に75歳以上人たちは忍耐力は低下しているうえ、耳も遠くなっている。

こうした人たちは30分以上の楽章間休みなしの「アタッカ」形式の演奏には耐えられない。演奏中に咳払いはするわ、飴の袋をゴソゴソと開けようとするわ、暗くても読めもしないプログラムを読もうとするわ、もう客席のあちらこちらからざわついた物音が聞えてくる。それもオケが大音響を奏でているときでなく、静かな演奏をしているときにするのだから手のつけようながない。

ということで、デュトワとN響が試みたアタッカ形式1時間ノンストップのショスタコーヴィチの交響曲第11番「1905年」に、N響の観客はついていくことができなかった。同じ「1905年」を9月に演奏した読響では、指揮者が高齢のスコロヴァチェフスキということもあってか、楽章間に充分の間合いをとっていた。それは結局観客が息をつく時間でもあったようだ。そういう意味ではデュトワの「アタッカ」形式の試みは徒労に終わってしまった。

そして、こうした観客のざわつき以上に腹だしかったのが、終演直後に余韻を味わうことなく、ブラボーを叫ぶヤツらだ。彼らはひとり悦に入って「ブラボー」を言っているだけで、演奏会を破壊しているだけである。余韻を楽しんでもろうという指揮者の意図も汲み取れない輩にはレッドカードを突きつけてやりたい。

指揮者が手を下ろすまでは演奏は終わっていない、ということを彼らは知らないのだろうか。

N響はプログラムに「フライング・ブラボーが演奏会を壊している」とか、「演奏中にプログラムをめくることを慎むように」といったマナーに関してのことをプログラムに明記すべきである。そうでないと、観客同様に演奏しているメンバーたちも可哀想である。


最新の画像もっと見る